陶磁器の形が不均整であるのは自然だからであり、絵付が自由でのびのびとしているのは、作為がないからです。また初期の伊万里や、創成期の唐津が美しくて力強いのは、そのうぶ気な稚拙さの中にも、ひたむきな自然さが感じられるからだと言われています。それらは親み深く、観る人の心を把えてはなさない作品が多いです。自然であることは、いかにも美しい在り方と言えるのでしょう。
逆に言えば、人巧を弄することは自然に逆らうことであって、その度合いは美しさに反比例するものかもしれません。つまり自然であれば、ある程美しいと言えますが、このことは骨董や陶磁器に限らず、人間の在り方や生き方をも暗示していますね。
作為のない古陶磁器の代表格に本日改めて紹介する「古染付」があります。
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