こちらの展示室も収納スペースが不足してきており、多くの作品を今回の帰省に際して、男の隠れ家に移すことにしました。
ちょっとやそっとの数ではないので、今後は時間をかけて移す作業が始まります。本来はすべて手元に置きたいのですが、本当に好きな作品だけ手元に置くようになります。
40代の前半に青森に赴任しており、転勤する際に記念にとガラス工房を訪ねて作者自身から購入したのが大川薫の花入れの作品でした。そのような縁から作者を知っていたこともあり、さらに涼しげな作品であったので入手した作品です。
ガラス水指「津軽百景?」 大川薫作
塗上蓋 「陸工房」共杉箱
幅148*底径*高さ185
大川薫:ガラス工芸作家。青森県の名所をガラス工芸で表現し、モザイク状の模様や、津軽海峡の波のうねりを表現した「津軽百景」という作品群を制作しています。
鳴門の渦潮ではなく津軽海峡・・。仕事の関係でほとんどの季節で何度も訪れた龍飛岬を思い出します。
大川薫の経歴は下記のとおりです。
1940年 新潟県に生まれる
1964年 北洋硝子に入社
1980年 この年より、各地での個展やガラス展への出品多数
1986年 青森県芸術文化褒章受章
1990年 東北ガラスアート展 第一部大賞受賞
1991年 第一回日本ガラスアート展 旭硝子賞受賞
2006年 北洋硝子(株)顧問
2008年 逝去
当方でのガラス工芸の所蔵作品は藤田喬平、岩田久利がメインですが、大川薫の作品もなかなかいいですね。
実に丁寧な仕事がされています。
波のうねりの表現が見事。
*共箱にある「陸工房」とその印章「亀井」はカメイガラスとの関連性が考えられるかもしれませんが詳細は不明です。
**日本最大のガラス商社であったカメイガラスは亀井節治社長の指揮下で薩摩切子復刻に携わりましたが、カメイガラスは1990年代半ばに廃業しています。
共箱荷収まっています。
初夏の水指には似合う・・・。