夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

気になる作品 天青色釉瓶

2021-02-27 00:01:00 | 陶磁器
先週の土曜日は御殿場までイルミネーションを観に行きました。来場者も少なく、車中からも観れるとのことで、夕方から富士山を眺めながら一時間半のドライブ・・・。



咲き始めた桜並木と見事なイルミネーション。



息子も祖母も大喜びでした。



見所満点。



最後は音楽付きの噴水!





平常時なら基本的にはアベック向きかと・・。



一度は訪れてみたいイルミネーションの景色です。



食事も車中、体を温めた豚汁も外・・。



さて当方は浅い知識しかないですが、中国陶磁器の是非の判断ほど難しいものはないように思っています。紛らわしいのは清朝期から現代にかけての過去の優品などの模作の作品群かな?

青磁にしても、五彩などの色絵の作品しても過去の優品だと称して売買すれば贋作ですが、出来の良いものはもともと土産品程度のものであっても、現在の中国では製作が難しくなっており、作品はそれなりに評価されてもよいのかもしれません。ただ現代はガス窯、電気窯といった焼成がコントロールしやすくなり、過去には焼成の難しかった作品でも現代では再生可能になってきていますので、近代作と過去の優品の境目がますます分かりにくいようの感じます。

本日は近代作の作品と思いながらも捨てきれない作品の紹介です。

天青色釉瓶(粉青もしくは天藍釉玉壺春瓶)
「大清乾隆年製」の銘 化粧箱入 
口径45*胴径約100*高さ190

 

本作品は「大清乾隆年製」の銘の入った天青色釉の良く映えた美しい小振りな瓶です。清時代には単色釉の優れた製品が数多く作られたようです。「天青色釉」という呼び名があるかどうかはわかりませんが、一般的には「藍釉」ともいうようです。本作品は小ぶりな作品ですが花瓶にも杓立にも使えそうです。

清国の乾隆帝の時代(1736~1795)に作られたというものでしょうか?



ちなみに二重四角線内に「乾隆年製」と入っている作品は、乾隆帝が、祖父康煕帝在位60年を敬して、自らは在位59年で退位して没するまでの4年間(嘉慶元年~4年)に作られたものです。さらに特殊なものとして乾隆帝在位中の功績を記念して制作されたもののみに、赤彩料で「乾隆年製」とか「大清乾隆年製」などの年款銘を入れたと言われますが、本作品は印銘の色は一般的な青でありその年款銘にはあたりません。



「大清乾隆年製」とは乾隆帝の時代(1736~1795)に作られたということを示しています。日本は8代将軍吉宗の時代です。乾隆帝は,清朝の歴代皇帝の中でも,大変な芸術・骨董好きだったようです。中国の歴史の中で最も華やいだ時代と呼ばれ,乾隆帝の命によって各種文化や芸術が究極まで高められました。この時代の中国では,青磁や茶葉末を初めとし, 白磁,青花磁,五彩磁,粉彩磁,豆彩磁など,あらゆる焼き物が最高の技術をもって焼かれたとされています。



清朝の工芸は技術的に高度な発展を遂げています。なかでも陶磁器については、官窯とよばれる王朝直属の陶磁窯において、優れた作品が数多く生み出されています。清朝の官窯は、前代の明王朝の制度を継続しており、陶磁器生産の中心は明王朝と同じく江西省の景徳鎮に置かれ、そこで宮廷向けの陶磁器がつくられています。



そこでは、高度な技巧を凝らした磁器が生み出される一方で、名声高い陶磁器の模倣も行われていたそうです。

青磁をはじめとして、黒色、褐色、藍色、黄色など、一つの色調の釉薬を掛けて作るものを単色釉磁とも呼び、清朝陶磁を代表する作品となっています。清朝の単色釉の作品はフォルムには歪みなど一切なく、官窯の完成度の高さを示すものとされています。      

参考作品
豆青釉蒜頭瓶
大清乾隆年製 清時代 18世紀 松井宏次氏寄贈 京都国立博物館蔵



参考作品
天藍釉瓶
「大清乾隆年製」銘 制作年 景徳鎮窯 清時代 乾隆年製 サイズ高35.2 cm ポーラ美術館蔵



参考作品
*茶葉末瓶
大清乾隆年製銘 景徳鎮官窯 清時代・18世紀. 五島美術館蔵
作品サイズ:高38.3cm 口径9.2 cm 胴径22.2cm 底径11.6cm

*「茶葉末」は雍正年間(1723~335)後期に清朝官窯で完成した単色釉のことのようです。鉄釉の一種で乾隆年間(1736~95)の宮廷で大いに用いられたそうです。日本では「蕎麦釉」とも呼ばれています。この作品は底に「大清乾隆年製」の6文字の銘があります。乾隆年間の作品は緑がかっているため、水から出たばかりの蟹の甲羅に色になぞらえて、「蟹甲青」と呼んで区別するそうです。



左下写真は本作品の銘ですが、右下写真は近代景徳鎮写し落款一例であり、近代作の模倣作品の銘です。この模倣作品の銘は丸部分で囲ましている部分の筆画が繋いてとんがってる画き方をしていますが、この例の落款の粉彩などの作品は骨董市場では結構多いと聞いています。作りや絵付けもよいので、本物として売られているようですが、近代の模倣作です。

 

真作の銘は”年”の右下部分は繋がらないか、または横線で繋がる。これは篆書の習慣方法のようです。右下写真の写し落款はほとんど本落款そっくりに出来ていますが、その”年”の字だけは角の所で化けています。真作の銘のリストは下記の写真の通りのようです。



本作品の銘は下記写真の左の通りで、下右写真の真作の銘との比較は下記のとおりです。どちらとも言い難いかもしもしれませんね。普通はこのような細かいところまでなかなか気がつかないでしょうね。

       

当方にはいくつかの「大清乾隆年製」の銘のある作品がありますが、単釉の作品では下記の作品がありますので、ついでに検証してみました。

瓢形花生 大清乾隆年製銘
合箱
下胴径125*上胴径85*口径20*高台径64*高さ230



銘は下写真左の通りですが、文献資料は右写真の通りです。

 

他の文献には下写真右の銘があります。

なかなか印だけでの判断は難しいですが、上記の「年」の部分が模倣作品の銘に一致して鋭角についている画きかたをしている作品は時代の新しい模倣作品と判断して間違いないですが、だからといって本作品のように「銘が本物と近似していても本物とは限りらない作品」の数の方がずっと多いようです。

 

当方所蔵の2作品も模倣作品と考察していますが、出来の良いもの?なので未だに手元に置いています。骨董の世界は恐ろしく奥が深い・・、本日のような知識はまだ入り口でしかないのかもしれませんね。












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