夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

放置されている作品 壺四点

2021-02-25 00:01:00 | 陶磁器
今年は辛丑(かのとうし、しんきんのうし、しんちゅう)であり、飾りに干支の絡んだものということで、展示室には下記の牛が描かかれた作品を飾って愉しんでします。

風雨牧童図 寺崎廣業筆 明治32年(1899年)頃
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 鳥谷幡山鑑定極箱二重箱 藤井家所蔵印 作品領収書付
全体サイズ:横*縦 画サイズ:横260*縦350



手前は源内焼で最近のブログで紹介されています。いずれもたいしたお値段ではない作品でしょうが、お気に入りの作品です。

さて掛け軸とともに陶磁器でも氏素性が解らず放置している作品があります。明らかに素性の悪いものは処分しているのですが、どうもひっかかるところ?がある作品は屋根裏に収蔵して放置していました。その屋根裏が手狭になってきたので、そろそろ結論を出すために、ひっぱりだしてきた作品の再考です。



*上記写真の掛け軸は山岡鉄舟の書です。

氏素性の解らぬ作品 信楽壷 その2 桃山期~江戸期?
誂箱入(予定)
胴径295*底径*高さ350



偽物が多い日本の壺の筆頭が古信楽です。



蹲という古壺はその代表格で、市場にはまずまともな本物はありません。次に桧垣文のある作品。これも贋作がほとんど・・。



さらには自然釉、下駄底の人為的な作品。出来の悪い贋作は別として、出来の良い贋作ほど約束事は揃っているようです。



約束事を揃えて室町期の作品などと称して売買したら、それは明らかに贋作となります。



当方では古信楽にほんの少し食指を伸ばしたことがあり、浅知恵から何点か贋作を入手しました。その反省からもこの作品を完全に疑っていました。ただ、困ったことに現在の小生の鑑賞する力では「いいな~」となってしまうのです。



釉薬の掛かり方は自然ですし、掛かり方が窯の火の勢いまで解る掛かり方で味わいがあります。ひっつきはあるものの全体の造形、口は欠損はあるものの形は端正で自然です。



どっしりとした重さを含めて室町期の古風たるものがあります。



底は下駄底でのっぺりした感じではなく、がたつきがあるのも自然です。



今回見直している作品のひとつには、弓野焼の壺もあります。佐賀県武雄市の郊外、弓野の地を中心に作られたもので、昔から「弓野の松絵の壺」と呼ばれています。江戸時代前期の作品と思われる作品で、全体に化粧掛けを施して、鉄絵と緑の釉薬で松を一気呵成に描いています。そのためこれだけの躍動感と迫力が生まれていますが、残念ながら現在では作られなくなったため、「古武雄」と呼ばれる作品です。



この力強さに棟方志功も感動して半日口をきかなかったとされ、またピカソは「これこそ本物の芸術だ。」とうなったといわれる作品群のひとつです。



次に中国清朝期と思われれる? 辰砂単釉の作品です。銘はひとつもありませんが、官窯の作品には銘が入ることもありますが、銘のない作品も数多くあります。



清朝過ぎてからの作品は辰砂の発色が悪くなり、一目で違いが判るものです。



現代の中国はもっと明るい色となっています。



残念ながら口縁に大きな共直しがあります。直しですが、これがかえって見どころになっているようにも思います。



それと朝鮮唐津風のどこかは解りませんが、日本の地方窯で作られたと思われる大徳利。



デカくていい! これほどデカい徳利で出来の良い作品は白岩焼などでも稀かな?



いまひとつは備前の火襷の大きな舟徳利、この作品は古くから当方にて所蔵している作品です。



これは古備前に相違ないでしょう。数多い舟徳利でもこれほどの優品はそうそうには見当たりませんね。



だんだんとガラクタに自画自賛となりますが、それが問題で保管場所に困ってくるのです。古備前の舟徳利は杉箱が誂えられていますが、他の3点は保存箱がありません。保存箱を製作しようと思うと、作品が大きいだけにひとつにつき1万~2万円もかかります。それに見合う作品かどうかが問題なのです。

















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