同封されている書き付けから福田豊四郎が昭和38年頃に描いた作品と推定される作品です。当方にはこの作品と描いた年代に違いはあるものの同図の作品がもう一つあり、二つ並べて展示しています。
海の微風 福田豊四郎筆
紙本着色 軸先象牙 書付同封 共箱太巻二重箱
全体サイズ:縦1360*横600 画サイズ(F8号):縦390*横450
作品中の落款と印書は下記の通りで、福田豊四郎の晩年における落款と印章に相違ありません。
書き付けにある昭和38年の20万円は現在の40万円から80万円相当となろうと思いますが、現在の福田豊四郎の市場価格とたらし合わせると昭和38年頃と同等でしょうね。
この時期の福田豊四郎の作風は抽象画風の作品が多いのですが、このような作品も多くあります。この時期の作品をすべて抽象画風と判断するのは大きな間違いであろうと思います。
福田豊四郎のこの時期の青を主とした作品は人気があります。浜田庄司の赤絵の作品が人気があるので共通しているように思います。通常の価格の倍しますね。
この色あいの作品は私も好きな作品群ですが、この作品群は前述のように思いのほかお値段も高くなり、作品数も市場には少なく入手も難しいです。
この時期の福田豊四郎の作品は表具もよくなります。福田豊四郎の画歴において最盛期であるためでしょうが、いい作品にはいい誂えが施されているものです。
本日の作品は太巻きにされていますが、これは岩絵の具が厚く塗られているためでしょう。一見見るより書き込みの多い出来の良い作品です。
同時期の作品では、当方には父が生前に福田豊四郎氏から頂いた幾つかの作品があります。冒頭の写真にあるように同じような画題では下記の作品があります。
母が一度事業の都合で手放した作品ですが、手放した先の所蔵者の好意から当方に返還された作品のひとつであり、思い出深い作品です。骨董とは縁が繋がる不思議な側面があります。
朝陽 福田豊四郎筆
絹本着色 軸先本象牙 共箱二重箱
全体サイズ:縦1468*横658 画サイズ:縦448*横509
本日の作品よりも大きめの作品となります
なおほぼ同時期の作品はさらに幾つかりますが、下記の作品の落款が一番近い時期でしょう。
湖上の岬 福田豊四郎筆
紙本着色額装
全体サイズ:横*縦 画サイズ:横*縦 12号(未計測)
手前は浜田庄司の大皿です。
これらのいい作品は手元に置いて眺めないと残念ながら作品の良さは実感できないでしょう。作品は自分の資金で、自分の判断で買い、所蔵するものです。美術館や博物館でのガラス越しの鑑賞、ましてや画集などの写真ではある一定居以上の勉強にはなりません。
2020年8月18日追記
本作品は2018年秋に加島美術から発刊されたカタログ「美祭24」に22万円で販売されていた作品であることが判明しました。
自宅に配布されたカタログ図集を眺めていたところ2020年6月頃に入手した本作品が掲載されていました。
こういう積み重ねが作品の過去を紐解いていくのでしょう。
海の微風 福田豊四郎筆
紙本着色 軸先象牙 書付同封 共箱太巻二重箱
全体サイズ:縦1360*横600 画サイズ(F8号):縦390*横450
作品中の落款と印書は下記の通りで、福田豊四郎の晩年における落款と印章に相違ありません。
書き付けにある昭和38年の20万円は現在の40万円から80万円相当となろうと思いますが、現在の福田豊四郎の市場価格とたらし合わせると昭和38年頃と同等でしょうね。
この時期の福田豊四郎の作風は抽象画風の作品が多いのですが、このような作品も多くあります。この時期の作品をすべて抽象画風と判断するのは大きな間違いであろうと思います。
福田豊四郎のこの時期の青を主とした作品は人気があります。浜田庄司の赤絵の作品が人気があるので共通しているように思います。通常の価格の倍しますね。
この色あいの作品は私も好きな作品群ですが、この作品群は前述のように思いのほかお値段も高くなり、作品数も市場には少なく入手も難しいです。
この時期の福田豊四郎の作品は表具もよくなります。福田豊四郎の画歴において最盛期であるためでしょうが、いい作品にはいい誂えが施されているものです。
本日の作品は太巻きにされていますが、これは岩絵の具が厚く塗られているためでしょう。一見見るより書き込みの多い出来の良い作品です。
同時期の作品では、当方には父が生前に福田豊四郎氏から頂いた幾つかの作品があります。冒頭の写真にあるように同じような画題では下記の作品があります。
母が一度事業の都合で手放した作品ですが、手放した先の所蔵者の好意から当方に返還された作品のひとつであり、思い出深い作品です。骨董とは縁が繋がる不思議な側面があります。
朝陽 福田豊四郎筆
絹本着色 軸先本象牙 共箱二重箱
全体サイズ:縦1468*横658 画サイズ:縦448*横509
本日の作品よりも大きめの作品となります
なおほぼ同時期の作品はさらに幾つかりますが、下記の作品の落款が一番近い時期でしょう。
湖上の岬 福田豊四郎筆
紙本着色額装
全体サイズ:横*縦 画サイズ:横*縦 12号(未計測)
手前は浜田庄司の大皿です。
これらのいい作品は手元に置いて眺めないと残念ながら作品の良さは実感できないでしょう。作品は自分の資金で、自分の判断で買い、所蔵するものです。美術館や博物館でのガラス越しの鑑賞、ましてや画集などの写真ではある一定居以上の勉強にはなりません。
2020年8月18日追記
本作品は2018年秋に加島美術から発刊されたカタログ「美祭24」に22万円で販売されていた作品であることが判明しました。
自宅に配布されたカタログ図集を眺めていたところ2020年6月頃に入手した本作品が掲載されていました。
こういう積み重ねが作品の過去を紐解いていくのでしょう。