
本日は古染付の作品の紹介です。古染付は香合やちょっと小ぶりな皿の作品が多いのですが、本日紹介する作品は鉢というより碗状になった作品です。
*下記の写真は野間仁根の作品と一緒に飾ったものです。
丑歳夏 野間仁根筆
水彩色紙装 黄袋+タトウ
画サイズ:縦270*横240
「丁丑歳夏□□為 押印(朱文白方印「仁根」)」とあり、1937年(昭和12年)、野間仁根が36歳頃の作と推定されます。38年から翌年にかけて臨時召集され中国で兵役についており、その前年の作となります。裏には「野間楽々 仁根畫 押印」とあります。

お気に入りの作品 古染付 馬文平碗 その27
誂箱
口径147~150*高台径61*高さ45

誂箱
口径147~150*高台径61*高さ45

面白い文様・・。この文様の古染付は贋作や模作が多いのですが、この作品はいいようです。

碗状になっていてちょうど大きさも平茶碗に手頃な大きさというのがいいですね。

ちょっと欠けているような部分は金繕いするいいかも・・・、虫喰いの状態はそのままでいいようです。

なによりも染付の文様が面白い・・・。

馬、牛? やはり馬でしょうね。

飾らない文様がひときわこの作品の趣向を上げていますね。

厚みが薄めの磁器なので、熱い茶には不向きですが、夏の平茶碗には使えるかな。

形状、景色からも茶碗に使えるようです。

高台も手頃で持ちやすく扱いやすいですね。茶の席で使うには高台が低くて持ちにくい作品は扱いづらくて、茶碗には不向きとなりますが、この作品は出来が良いようです。日本人が茶碗として作らせて可能性もあるのかもしれません。

基本的に磁器の器は熱伝導率が高く、抹茶用の茶碗には不向きとされています。古伊万里に全くと言っていいほど茶席用の茶碗がないのもこのためでしょうか?

高台内には鉋の跡が少し見られます。砂付高台にもなっていますが、そのことから清朝初期の作か・・??

ありきたりの小皿、中皿の古染付でない点がお気に入りのひとつの理由です。収納箱がなったので誂えておきました。

飾っておいても愉しくなる作品ですね。
次に下記の作品と飾ってみました。
馬上観音図 大津絵
紙本着色軸装を額装 黄袋+タトウ
全体サイズ:縦*横 画サイズ:縦330*横162
八幡神は大和朝廷の時代から信仰されている古い神様ですが、早くに神仏習合し、奈良時代には“八幡大菩薩”の神号が与えられています。この神様が広く信仰を集めるようになったのは、もっぱら源氏の氏神とされ、武神として祀られたためです。武神としての信仰は明治以降も続き、特攻機の基地には「南無八幡大菩薩」の幟(のぼり)が立てられていたのを、記録映像や映画などでご存知の方も多いと思います。
大津絵の『馬上八幡』も武神としての八幡大菩薩を描いたもので、白馬に乗り、手に弓を持つのはその表れです。『馬上八幡』を描いた現存する古い大津絵は数が少ないのですが、当時はそれなりの数は描かれたようで、細部を変えたバリエーションがいくつか存在します。

現在は古染付の作品も入手しやすいお値段になっているようですが、揃いで作られていますので数が多く、絵柄が面白い作品をそれなりに厳選する方がいいのでしょう。
さて次は夏の茶事にて使ってみよう・・。