さて本日は唐津・・・。本作品は「古」唐津には分類していません。
絵唐津 呼継向付 その2
箱入
口径141~143*高台径*高さ56
このようにあらかたを陶片で呼継された作品は唐津の呼継で、骨董商などが発掘陶片の数多くあった窯跡を掘り出して、茶碗や皿に仕立て上げたものが多いとのこと。
骨董商の副業的なもので、自ら金繕いしたものが多いのでしょうね。氏素性としては亜流に分類せざる得ず、茶席に用いるのは憚れます。
とはいえまったく価値のないものでもなく、もの自体は桃山から江戸期にかけてのものですからそれなりに価値はあるのでしょう。
原則として高台は一個もので高台そのものが呼継では価値がないとされていると聞いたことがあります。普段使いにて、欲に駆られた浅はかな骨董商の働きに思い馳せるもの一興でしょう。
呼継:本作品(上の写真左)陶器が欠損したとき、全く別の破片でこれを補修することをいう。
共継:既投稿作品(上の写真右)陶磁器が壊れた時、当該の破片だけで修理すること(共繕い、共直しともいう)
本作品は平茶碗と題しましたが、「向付」として作られたものでしょう。
このような呼継が珍重されると、またその呼継の贋作が横行してくるのもあるのでしょうね。本作品も「古」という題名は冠しないことにします。
呼継には形が面白くないものが多く、歪な作品がそのほとんどです。もともと無理があるものを合わせて作っているのでやむ得ないでしょうが・・。茶碗に使えるようにしているものもありますが、形そのものに品格がないものがほとんどです。唐津焼そのものがが茶碗としての作陶には力が無いもののように思います。
本作品のように形が様になっている作品は数が少ない。
インターネット上には唐津の発掘について記事があます。
「古唐津の発掘
古唐津は幕末頃から一部のお茶人の間で人気が出始め、少しずつ発掘が始まった。窯場の側には物原(ものはら)といって、失敗作を捨てたゴミ捨て場がある。そこを掘り返して使えそうな作品を見つけ出すのである。骨董の世界では、幕末に物原から拾われて伝世した古唐津を「発掘伝世」とか「中途伝世」と呼んでいる。さらに戦後になって古唐津人気が高まると、自治体が条例などで禁止しても窯跡の盗掘が後を絶たなくなった。それまではゴミに過ぎなかった物が金目の物に変わったのである。窯跡に学術的発掘調査が入っても、すでに掘り返されて上層と下層の区分がわからなくなってしまっている場合もある。たかが陶磁器といっても、地道な発掘調査と使用記録を付き合わせなければ、その流通を含む文化的全体構造は把握できないのである。」
本日の投稿した作品と同じような作品を以前に投稿したことがあります。
絵唐津 共継向付 その1杉箱入
口径143*高さ42~50
投稿後に調べていくといろんなことが解ってきます。これもまた勉強ですね。
呼継には形に面白さが無いものが多いのですが、このように形に興のあるものは使っていて愉しいものです。この作品は正確には共継の部類に入るかもしれません。欠けた部分は大きく繕いされています。
インターネット上に「唐津の呼継の箱」について興味深い記事がありました。
「唐津の呼継の箱
古唐津を呼継した作品を数多く残した古唐津研究の古館九一は呼継作品が完成すると、「殆ど家に常駐していた指物師の小杉さんが、それぞれに桐箱を作ってくれた」と書いておられる。戦前の素封家ではよくあったことだが、はっきり言えばあまり腕の良くない職人を専属で雇っていたのである。古唐津茶碗の箱はそれほど上質ではない杉板製が多い。一力さんの場合は「桐箱」と書いておられるが杉箱が多かったのではなかろうか。骨董の世界では、唐津の呼継の優品はなぜか粗末な杉箱に入った物が多い。たとえ箱書きがなくとも、箱を比較検討すればそれらは九一翁呼継作品であると推測できる可能性がある。」
「古唐津茶碗の箱はそれほど上質ではない杉板製が多い。」・・・
この作品が収まっている箱も杉箱・・、これまたそういうことを知っている御仁がそのように見せかけるために作ったこともありえますね。
古唐津の原則は下記の事項ですが、無論例外もあるようです。しかもかえってこの原則がきちんとしているほうが怪しいらしい・・。
古唐津の原則
1.三日月高台:高台を上にして見ると、やや中心がずれて削られていて、一方の幅がふくらみ、あたかも三日月のように見えます。これを三日月高台といい、唐津や朝鮮陶磁器の鑑定の大きな特長になっています。
2.竹節高台:横から高台を見ると、あたかも竹の節目を見るがごとく、真ん中が飛び出ています。これを「竹節高台」と呼んでいます。唐津や朝鮮陶磁器の鑑定のポイントです。
3.ちりめん皺と兜巾(ときん):ちりめん(縮緬)皺は、唐津の土の独自性である、土の粘り気からきています。高台を削るときに、道具と土の間に生じる土のはじけ具合、めくれ具合による皺なのです。それに兜巾、これは高台の中央が飛び上がっていることをいいます。削ったときに中央が残ったものです。
以前には「古唐津残欠」という記事もあります。
古唐津は珍重されるが故に贋作を含めて亜流が多いようです。もっとも贋作が多い陶磁器の分野らしいので手を出さないのが無難ですね。本作品のような陶片にも贋作があるそうで、現代製のものや発掘品の無地に後で絵付けしたものがあるそうです。
唐津はお遊び程度か、もしくはきちんとした一流の骨董店からの購入するのがいいようです。
絵唐津 呼継向付 その2
箱入
口径141~143*高台径*高さ56
このようにあらかたを陶片で呼継された作品は唐津の呼継で、骨董商などが発掘陶片の数多くあった窯跡を掘り出して、茶碗や皿に仕立て上げたものが多いとのこと。
骨董商の副業的なもので、自ら金繕いしたものが多いのでしょうね。氏素性としては亜流に分類せざる得ず、茶席に用いるのは憚れます。
とはいえまったく価値のないものでもなく、もの自体は桃山から江戸期にかけてのものですからそれなりに価値はあるのでしょう。
原則として高台は一個もので高台そのものが呼継では価値がないとされていると聞いたことがあります。普段使いにて、欲に駆られた浅はかな骨董商の働きに思い馳せるもの一興でしょう。
呼継:本作品(上の写真左)陶器が欠損したとき、全く別の破片でこれを補修することをいう。
共継:既投稿作品(上の写真右)陶磁器が壊れた時、当該の破片だけで修理すること(共繕い、共直しともいう)
本作品は平茶碗と題しましたが、「向付」として作られたものでしょう。
このような呼継が珍重されると、またその呼継の贋作が横行してくるのもあるのでしょうね。本作品も「古」という題名は冠しないことにします。
呼継には形が面白くないものが多く、歪な作品がそのほとんどです。もともと無理があるものを合わせて作っているのでやむ得ないでしょうが・・。茶碗に使えるようにしているものもありますが、形そのものに品格がないものがほとんどです。唐津焼そのものがが茶碗としての作陶には力が無いもののように思います。
本作品のように形が様になっている作品は数が少ない。
インターネット上には唐津の発掘について記事があます。
「古唐津の発掘
古唐津は幕末頃から一部のお茶人の間で人気が出始め、少しずつ発掘が始まった。窯場の側には物原(ものはら)といって、失敗作を捨てたゴミ捨て場がある。そこを掘り返して使えそうな作品を見つけ出すのである。骨董の世界では、幕末に物原から拾われて伝世した古唐津を「発掘伝世」とか「中途伝世」と呼んでいる。さらに戦後になって古唐津人気が高まると、自治体が条例などで禁止しても窯跡の盗掘が後を絶たなくなった。それまではゴミに過ぎなかった物が金目の物に変わったのである。窯跡に学術的発掘調査が入っても、すでに掘り返されて上層と下層の区分がわからなくなってしまっている場合もある。たかが陶磁器といっても、地道な発掘調査と使用記録を付き合わせなければ、その流通を含む文化的全体構造は把握できないのである。」
本日の投稿した作品と同じような作品を以前に投稿したことがあります。
絵唐津 共継向付 その1杉箱入
口径143*高さ42~50
投稿後に調べていくといろんなことが解ってきます。これもまた勉強ですね。
呼継には形に面白さが無いものが多いのですが、このように形に興のあるものは使っていて愉しいものです。この作品は正確には共継の部類に入るかもしれません。欠けた部分は大きく繕いされています。
インターネット上に「唐津の呼継の箱」について興味深い記事がありました。
「唐津の呼継の箱
古唐津を呼継した作品を数多く残した古唐津研究の古館九一は呼継作品が完成すると、「殆ど家に常駐していた指物師の小杉さんが、それぞれに桐箱を作ってくれた」と書いておられる。戦前の素封家ではよくあったことだが、はっきり言えばあまり腕の良くない職人を専属で雇っていたのである。古唐津茶碗の箱はそれほど上質ではない杉板製が多い。一力さんの場合は「桐箱」と書いておられるが杉箱が多かったのではなかろうか。骨董の世界では、唐津の呼継の優品はなぜか粗末な杉箱に入った物が多い。たとえ箱書きがなくとも、箱を比較検討すればそれらは九一翁呼継作品であると推測できる可能性がある。」
「古唐津茶碗の箱はそれほど上質ではない杉板製が多い。」・・・
この作品が収まっている箱も杉箱・・、これまたそういうことを知っている御仁がそのように見せかけるために作ったこともありえますね。
古唐津の原則は下記の事項ですが、無論例外もあるようです。しかもかえってこの原則がきちんとしているほうが怪しいらしい・・。
古唐津の原則
1.三日月高台:高台を上にして見ると、やや中心がずれて削られていて、一方の幅がふくらみ、あたかも三日月のように見えます。これを三日月高台といい、唐津や朝鮮陶磁器の鑑定の大きな特長になっています。
2.竹節高台:横から高台を見ると、あたかも竹の節目を見るがごとく、真ん中が飛び出ています。これを「竹節高台」と呼んでいます。唐津や朝鮮陶磁器の鑑定のポイントです。
3.ちりめん皺と兜巾(ときん):ちりめん(縮緬)皺は、唐津の土の独自性である、土の粘り気からきています。高台を削るときに、道具と土の間に生じる土のはじけ具合、めくれ具合による皺なのです。それに兜巾、これは高台の中央が飛び上がっていることをいいます。削ったときに中央が残ったものです。
以前には「古唐津残欠」という記事もあります。
古唐津は珍重されるが故に贋作を含めて亜流が多いようです。もっとも贋作が多い陶磁器の分野らしいので手を出さないのが無難ですね。本作品のような陶片にも贋作があるそうで、現代製のものや発掘品の無地に後で絵付けしたものがあるそうです。
唐津はお遊び程度か、もしくはきちんとした一流の骨董店からの購入するのがいいようです。