夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

大日本魚類画集 NO84 オコゼ 大野麥風画

2022-08-29 00:01:00 | 浮世絵
本日の作品は2022年4月にインターネット販売にて大阪方面から8万円にて購入した作品です。現在は大日本魚類画集の作品は人気のある作品であり、稀に5万円ほどで入手できますが、一般的には摺りのよい状態で8万円程度が相場となっているようです。状態の悪い作品だと3万円程度ですが、発刊当時の資料を共に入手するのはかなり難しくなっています。



大日本魚類画集 NO84 オコゼ 大野麥風画
紙本淡彩額装 版画 1940年3月第7回
画サイズ:縦370*横275


発刊された作品数は前半の第1集から第3集までが500部限定で、後半の第4集から第6集までが300部限定のようですが、戦争をはさんでいますので、状態の良い作品が市場に出回るのはだいぶ少なくなってきたように思います。


全部で72作品ありますから、平均で8万円としてもすべて揃えるには600万円近くの費用を要することになります。しかも額を揃えたりしているともっと費用が嵩むことになりますので、無理をせずにじっくりと蒐集しています。

大日本魚類図集の作品は摺りの回数が多いので後刷や再版がほぼ不可能なので、そういう点では安心できます。


*********************************

オコゼ:おもにオニオコゼ科,ハオコゼ科に属する海産魚を指す。体型がグロテスクで,頭部の凹凸が激しく,しかもとげや突起物をもつものが多い。またそのとげに毒をもつものも多く,刺されると激しい痛みを感ずるそうです。

オニオコゼ以外は食用としないのですが、オニオコゼは日本料理では、刺身・唐揚げ・吸い物などに利用され、非常に美味であるとともに可食部が少ないことから、日本では一般に高級魚として扱われています。

ところで山の神はオコゼを見ることを好むと伝えられ,山で仕事をする狩人,山師,放牧者などがこれを供えて祈願すると望みがかなうといわれています。とくに狩猟者にこの伝承が強く残り,この魚を干し固めたものを紙に包んで懐中して狩りに出るとされます。

ちなみにヤマノカミという俗称は、オコゼ(厳密にはオニオコゼ)の干物を山の神への供物にする風習があったことによりますが、その理由というのは山の神は不器量なうえ嫉妬深い女神で、醜いオコゼの顔を見ると、安心して静まるのだというこののようです。

南方熊楠は随筆『山神オコゼ魚を好むということ』でこのことに触れていますが、その記述によると和歌山県南部にはオコゼを山の神に奉って儲けた伝承が幾つか知られ、たとえば山奥で木を伐採したが川の水量が少なくて運べなかったとき、オコゼを奉ると大雨が降って運べるようになったとされています。また日向地方では猟師が懐にオコゼを隠し持ち、「これを差し上げるのでイノシシを出してほしい」と願うと取れるそうです。その後、同じ魚を持って同じように願うと、山の神はオコゼほしさに何度でもイノシシを出してくれるともあるとか・・・。

*******************************

むむ~、この作品を神様のそばに飾るといいことあるらしい・・・

 

ともかく作品蒐集し、調べていくとその作品毎にいろんな情報が集まるようです。骨董蒐集の三大原則のひとつ、「勉強すべし」ですね。少なくても蒐集完了までに600万円分の情報収集が必要・・・



ところで本作品はもともと鯰の作品が収まっていた額に入れています。この版画シリーズはサイズがすべて同じですので、似合う額を入れ替える楽しみのもあります。



マットまで似合うようであれば、幾通りの楽しみ方ができます。下記の写真はこの額に鯰の作品を収めてい他状態です。



では鯰の作品は別の額をインターネットオークションにて見つけました。額もリサイクルの時代です。入手金額は2000円(送料込みで3500円程度)ですので格安です。

この程度の大きさの額はインターネットオークションで見つけるのはたやすいでしょう。ただ似合う額が探すのは難しい・・。



その都度額を購入すのではなく、今まで今日した額と作品のマッチングを考慮できるので、このシリーズには有効です。ただし版画は額に入れると日焼け跡が残りますので、絶対に短期間の展示、数少ない頻度ということを厳守しなくてはいけません。



この額は唐額のようになっていますが、どうも「福井県伝統工芸指定 武生唐木指定 ウンパン額」として出品されていますが、真偽のほどは解りません。

似たような額で下記のような額も入手し、下記の作品を収めています。

馬上観音図 伝大津絵 (2022年2月25日投稿)  
紙本着色軸装を額装 黄袋+タトウ
全体サイズ:縦*横 画サイズ:縦330*横162




このタイプの額はクッション付きのタトウを誂えておく必要があります。



この大津絵の誂えは神田の草土舎でもなかなかいいと高評価でした。もともとはブログにて掲載したようにボロボロの表具でした。

 

下記の作品も同じように裏打ちし直して額装にした作品です。

古大津絵? 青面金剛図 (2021年11月8日 投稿)  
紙本着色軸装を額装 黄袋+タトウ
全体サイズ:縦400*横325 画サイズ:縦370*横123



この大津絵は軸装の表具を見せようとしたのが失敗かもしれません。マットを変えようかと思います、むろん表具はそのまま保存としておきますが・・。



メンテも試行錯誤・・・。このような苦労は山の神のみぞ知る・・・😱 




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。