夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

双鳩図 渡辺省亭筆 その18

2017-08-28 00:01:00 | 掛け軸
京都で有名な大文字焼、実はわが郷里の大文字焼があり、今年で50年の歴史があります。



なんと今年は50周年記念で「犬」になりました。その点はハートマーク! 10分程度でもとの大文字焼に戻りましたが、犬の理由は推察するに秋田犬の原産地だからでしょう。



花火の打ち上げのまん前で寒さをこらえて花火を堪能しました。歩いての距離ですので実に手軽。



膝の上で息子は大喜び、我が家は花火好きが多い。



不染鉄とともに現在、幻の画家として話題の画家が本日紹介する渡辺省亭です。代表作のほとんどが海外に流出しており、また四条派の流れをくむ画法は、現在は人気が低いことからあまり振り返られない画家といえました。ここにきて加島美術を中心に展覧会が催され、再評価の機運があります。

双鳩図 渡辺省亭筆 その18
絹本水墨着色軸装 軸先樹脂 合箱
全体サイズ:縦1960*横525 画サイズ:縦1130*横395



この作品がうぶなままで箱もなく、打ち捨てられように扱われていたのは驚きです。



同時期に描かれたと思われる代表作には下記の二作品が挙げられるでしょう。

Roosters, Chicks, and Morning Glories」   
絹本著色 ウォルターズ美術館所蔵        
1890-1900年頃 



雪中群鶏 東京国立博物館蔵           
シカゴ万博出品作で、省亭の代表作
1893年



さらりと描かれた作品も魅力がありますが、このように濃密に描かれた作品の渡辺省亭の真骨頂があるようです。



海外に代表作の多くが流出しているそうですが、これはなにも日本に限ったことでもなく、渡辺省亭にも限ったことではないので、海外にある作品も揃えた展覧会でも催せたら面白いでしょうね。



今は評価の低い掛け軸、「取り戻せよ日本の文化」と叫びたいところです。



相変わらず印章は数多くのものがあるように思われます。同一印章のパターンを年代別に整理した資料があるといいのですが・・。



掛け軸文化も花火のようなもの、日本ではなく海外で評価されるように方策はないものか? 日本のマンションのような住居では飾れる場所がない。漆器、掛け軸などを海外の骨董市場に売り込む方策はないのかと本気で考え始めています。

漆器と掛け軸は都会のマンション暮らしの多い日本人はもはや投げ出している風潮がある。海外に売らないという固執はもはや時代遅れかもしれない。価値に解る人のところへ作品は流れていくのが自然なのかもしれません。


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