夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

蔵の漆器たち その2

2011-05-16 06:36:07 | 掛け軸
「もの」を粗末にしてはいけないが、逆に「もの」にこだわり過ぎても、ものに固執してもいけない。

いい「もの」は今はたくさんあり、安く購入できる時期でもあります。ただ、それでも結構、費用はかさみます。

時には無力感とも闘いながらものを選別して集める理由は・・後世に伝えたいから・・・、
そうではなくやはり楽しめるからか・。

集める無駄も十二分に思い知らされています。集めたところで何になるのか? 集めたところで・・人間はいつかは必ず死を迎える。



集める意味を見失いかけた時、このような器を眺めているとほっとします。
根来の漆器と半日、話をするという収集家も知っていますが、気持はわかるような気がします。

たかだか明治期の「もの」でも、祖先の使った器を大切に伝えたい、そしていい「もの」はただいいと感じていたい。

朱色の器に小さな傷を眺めながら、未来に残り続けさせてあげたいと願う。
いつ消えるともはかない、その朱が心をつかんで放さない。

漆の剥げた部分に対して無心で金継の補修作業に向かう。





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2 コメント

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もはや (のぼう)
2011-05-19 00:36:04
昔ながらの国内の漆を使った漆器は皆無とか。
私の実家にあった漆器は、幼い頃に独特の香りを放っていたのを覚えています。
また、手に持った感触や思いのほか軽く感じたのを思い出しました。
日本の工芸品って素晴らしいと思います!
伝承すべき匠の世界です。
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漆器 (夜噺骨董談義)
2011-05-19 08:04:32
本当の良いものを触って使ってみないと解らないものです。

現在の漆器はお値段のわりには色に品がなく、蒔絵もだらしがないです。一部のしっかりとした作品以外はなかなかいいものがありませんね。

古来の漆の印籠、蒔絵などの工芸品は外国の方に人気が高く、数多く海外に流出しているとか・・。
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