夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

源内焼 その109 楼閣文角皿 五枚揃  

2018-05-15 00:01:00 | 陶磁器
本日紹介する作品は以前に本ブログにて紹介していますが、本日改めて紹介する理由は、前回の紹介ではまだ三枚揃であったですが、本日はなんとか最低数の五枚揃いになったという理由からの紹介です。

源内焼 その109 楼閣文角皿 五枚揃  
合箱入
幅155*奥行155*高さ35



本来の源内焼の作品で、割れや欠けなどがなく、かつ表面が擦れなどで釉薬が剥がれていない作品は非常に数が少なく、ある一定の地域で探してもそれほど数のある作品群ではありませんので、ネットオークションにて広く出品されている場で作品を入手するのが一番有効な入手方法と思われます。



ところが揃いもののある程度の大きさのある源内焼は、ネットでは揃いで出品されずに、単品ずつ出品されることが多く、揃いで作品を揃えるのは意外に困難なことになります。

源内焼において実用的な作品に多い揃いものは注文品であった可能性が高く、揃いの数はなかなかないように思います。出品側も単品で売りさばいた方がトータルで高く売れるだろうと考えているので、「揃いもの」で揃えるには時間と運と費用が必要で、本日の作品も揃えるのにずいぶんと時間と労力を使いました。



考え物なのは揃いものの作品は、状態の良い作品が後で出品されてくる傾向にあるということです。

今回の作品については、最後に出品された作品にのみ、「舜民」という号のうちの「民」の印のある作品が出品されました。前にも本ブログにて記述したように源内焼の評価の高い作品群には下記の条件があるようです。

1、 地図皿
2、 大型の抜けのよいもの
3、 印のあるもの(瞬民、志度瞬民、民など)
4、 多彩釉(3~4彩、出来れば黒・藍などの色があるもの)
5、 擦れなどがなく、壊れていない完全なもの

「印」のある作品は注文品や出来の良い作品の一部に限られており、数がかなり少ないので評価が高いのでしょう。今回の作品のように最後に印のある作品が出品され、これを最後に揃いものを入手できたというのは、運が良かったということになるのでしょう。



大きめの作品に多い印がある傾向ですが、本作品のような中皿程度の小さめの作品に印のある作品はさらに珍しく、格のある注文先からの注文品であった可能性を示唆しています。



当方では源内焼において100種類を超える作品が集まりましたが、まだ蒐集されていない図柄の多々あります。しかしそろそろ同図の色違いなどのようなマニアックにならずに、厳選した作品に絞って蒐集を続けていきたいと思います。

ネットオークションに出品されている源内焼と称している作品の多くはそのほとんどが本来の源内焼ではなく、また本来の源内焼でも擦れていたり、釉薬が剥がれていたりしており、厳選しないと良い作品が入手できないようです。


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