何やら増えきた当方の平櫛田中、平野富山らの極彩色の彫刻を展示するにはガラスケースに入れておく必要があるのですが、日光や照明の光は禁物なのでカバーを付けることになります。
義母に頼んで不要になった和服の生地でその都度、作ってもらっていましたが、その半数が完成しました。
仏像などが多いので渋みのある生地を選択しました。ミリ単位での仕事になるのでなかなかはかどらないようです。
早速、圓鍔勝三の作品のガラスケースに被せてみました。
頼山陽像 円鍔勝三作 昭和14年(1939年)
合箱
幅290*奥行180*高さ270
*掛けている板絵は棟方志功によるものです。
さて本日紹介する作品はいかにも福田豊四郎という作品。福田豊四郎の作品で十和田湖を描いた作品において、「首夏」と題に付く作品は本作品で3作品目です。福田豊四郎独特のブルー・・。
十和田湖首夏 その3 福田豊四郎筆 その166
紙本着色額装 共シール 黄袋+タトウ
F8号 全体サイズ(額サイズ):横652*縦576 画サイズ:横445*縦370
落款や印章からは昭和40年頃の福田豊四郎の最晩年の作と推定されます。
福田豊四郎のブルーを基調した作品はファンの中でも人気のある作品群のようです。
湖面に流木を描いているのは珍しく、天候の荒れた後の十和田湖を描いたように思われます。
今では奥入瀬以外は訪れる人も少なくなった十和田湖・・・。
額裏からは珍しい額のように思います。
共シールが付いています。一般的には「山湖首夏」と題されたいますが、この作品のみが「十和田湖首夏」と題されています。
福田豊四郎は晩年は病気がちとなり、故郷を訪れるのは少なくなったようです。
晩年の落款の特徴は「四」の字が小さめになることのようです。
額の作品は必ずタトウ(このタトウはボタン止めという特殊なもの)と黄袋が必須ですね。これがないと額を傷めやすくなります。
「この額はガラスのかかりが2ミリしかなく、非常によくできた額」とは神田の草土舎の感想です。
展示室にはいろんな作品を一緒に飾って愉しんでいます。本作品の左は中村岳陵、右は原精一の作品です。