忘れ去られた画家 松林帰樵山水之図 奥谷秋石筆

どうしても自分でやらないと気がすまない日常の仕事？が男にはあります。私は靴磨き、背広のプレッサー、ワイシャツとネクタイとハンカチ選び・・・。日常のなにかのこだわりを持ちたいと思う今日この頃です。あまりにも世知辛くて最近はそういうこだわりがなくなってきたように思われます。

ただ車、ゴルフクラブ、パソコン、スマートフォン、・・・一時期は車には夢中になりましたが、これらはあまりに商流にのせられているもので私としてはどうかなと思っています。

昨日は名古屋で同期と痛飲し、最終電車・・、今日の血液検査大丈夫か

本日の作品は私のこだわりのひとつの南画、山水画の作品です。

松林帰樵山水之図　奥谷秋石筆
絹本水墨淡彩軸装　軸先象牙　共箱
全体サイズ：縦2125＊横565　画サイズ：縦1115＊横422




箱書きの表は「松林帰樵山水之図　絹本竪幅」とあり、裏には「秋石道人題簽」とあります。

　　　

印章の解読は未了です。



秋石の画風は、そのひと世代前の画家、川端玉章などとも共通点が多い。




一方で、同世代の竹内栖鳳とは、正反対といってもいいような画風です。栖鳳を「柔」の香りの強い画家とすれば、秋石は「剛」のにおいのする画家と表現されます。



本作品は何気ない山水画ですが、墨の表現など奥谷秋石の力量を遺憾なく発揮している佳品です。



家内曰く「東京美術倶楽部での山水画？とやっぱり出来が違う。」たしかにその辺で売られている山水画と一緒にしてはいけません。



奥谷秋石：日本画家。大阪生。名は常次郎。森寛斎に学ぶ。早くから橋本雅邦・川端玉章を主領とした青年絵画協会や日本絵画協会等に出品し受賞を重ねた。また家塾を開いて門弟の養成に尽くし、明治・大正・昭和初期の京都画壇に重きをなした。昭和11年（1936）歿、65才。

奥谷秋石の作品は最近、思文閣の墨蹟資料目録によく掲載されています。

最近だけで下記の四作品があります。

思文閣墨蹟資料目録掲載作品
「和の美」第４２５号　作品NO５８「松影映水之図」　売値金額38万



「和の美」第４２６号　作品NO６「雪中老松之図」　売値金額４５万



「和の美」第４５７号　作品NO２５「柳陰洗馬之図」　売値金額２５万



「和の美」第４６０号　作品NO２２「渓流飛蛍之図」　売値金額３８万



売値価格は出来がいいものですので高めの設定はいいのですが、ちょっと高すぎます。本作品はネットオークションで送料を含んでも一万円しませんでした