
新入社員が仕事を始め、新たな新入社員の面接が始まりました。高齢化しているのは企業の年齢構成も同じであり、若い力を新たにしていかないと企業は活性化しません。さて今年の新卒採用はどのようになろうか?
経営者が学ぶべきひとりに後藤新平がいますが、後藤新平の名言のひとつに下記のものがあります。
金銭を残して死ぬ者は下だ。
仕事を残して死ぬ者は中だ。
人を残して死ぬ者は上だ。
企業も家もどこにおいても人を育てぬと滅ぶものです。家では息子を、会社では後継を・・・。察するに骨董のようなものを遺すものは下の下といったところか・・
さて本ブログでは以前の安南の染付についていくつかの作品が紹介されていますが、本日は色絵の安南の作品の紹介です。
蓮花文紅安南茶碗
合箱
口径125~135*高さ78*高台径

写真ではわかりにくいですが、茶碗としては大きい部類になり、形には品格があります。使えるものなら茶碗として使いたいものです。
打ち捨てられていたかのような状況での買い物でしたが、購入時は下手な用心箱に収められており、どこにどのようにして保存されていたのかは不明です。傷み具合から発掘品かもしれないとも推察しましたが、この手の作品は非常に脆いので通常の経年による痛みと判断しています。

安南焼と赤絵の安南焼(紅安南)について書かれた記事には下記のものがあります。
*******************************
安南焼とは、現在のベトナムで作られた焼物の総称である。その名は679年に中国の唐王朝がベトナム統治の為に、現在のハノイに置いた軍事期間・安南都御符に由来する。その為常に中国の影響を受けてきたが、大きな発展を遂げたのは12世紀頃のベトナム李王朝の時代であった。その形は唐や宋の陶磁器を模しており、白磁と青磁を中心に褐釉、鉄絵、緑釉などが幅広く作られ、東南アジアでは圧倒的な規模を誇った。

その後14世紀後半になると、中国の景徳鎮に倣い青花磁器が作られるようになった。しかしその色は景徳鎮に比べるとやや暗くくすんでいる。これは中国がイスラム圏から輸入した質の高い呉須を使っていたのに対し、安南は国産の質の低い呉須を使っていたからである。また絵付けの線は土と釉薬のせいでそのほとんどが滲んでいる。ベトナムでは良質のカオリンが取れず、これでは青花の色が映えないために、生地に白土を化粧がけしていたのである。しかしその白土は粒子が粗く、いくら繊細な絵付けを施しても呉須がすぐに白土に吸収されてしまう。また釉薬は不純物を多く含んでいるため、透明度が低く結果的に絵付けがぼやけてしまう。

絵柄は蓮の花びらを簡略化したものがほとんどで、これが安南焼の青花かどうかを見極める決め手のひとつとなっている。

15世紀になると、赤や緑や黄色の顔料を用いた赤絵が作られるようになったが、中国に比べ低い温度で焼き付けるために釉薬が剥がれやすく、すぐに色が褪せてしまう。
しかし室町時代の茶人たちは、その素朴さの中に詫び茶に通じる簡素な美を見出した。なかでも呉須が滲んで流れるような景色になった青花は、藍染の絞りに似ていることから絞手と呼ばれ珍重されている。
*******************************
色絵については上記の記述にあるように「15世紀になると、赤や緑や黄色の顔料を用いた赤絵が作られるようになったが、中国に比べ低い温度で焼き付けるために釉薬が剥がれやすく、すぐに色が褪せてしまう。」という特徴があり、赤絵の安南焼(紅安南)は非常に釉薬が剥離しやすい焼き物のようです。

安南焼の特徴はまず内部は見込に大きく蛇の目をつくり、重ね焼きのための見込み内の円形跡であることです。

また安南焼は高台内に渋釉があるのが約束事になっています。高台が大きく高いのは諸説がありますが、丸い竹敷きの上でも転がらないように安定した大きさ、取りやすい大きさになっていると云わっています。
ただ茶人に重宝された赤絵の安南茶碗は後にたくさんの陶工によって模倣され、数多く約束事を備えた作品が出回っています。しかしながら「素朴さの中に詫び茶に通じる簡素な美」までは再現できていません。残念ながら後世の紅赤絵茶碗にはいいものは皆無と言っていいでしょう。それは染杖安南茶碗も同じです。これはやはり「その脆さゆえの危うさ」が表現できず、真新しさが全面に出てしまうからかと思います。

当時は日本と異なり箱に入れて保存する風習がなく、現在では赤い部分が剥落してほとんど残っていないそうで、後世になって絵をなぞって赤を乗せる、いわゆる“後絵”が多いため400年前の赤が残っているのは非常に貴重らしいです。たしかにネットオークションに出品されている作品には後絵の作品が出回っています。後絵の作品でも非常に珍しいのですが、これはいやらしさがあり贋作の分類されますので入手は控えたほうがいいと思います。
本ブログで紹介された染付の安南茶碗には下記のものがあります。
安南染付鳥草花文様茶碗
合箱杉製
口径110*高さ78*高台径60

本日紹介する作品と並べてみました。大きさの違いが思いのほかあることをお分かりいただけると思います。

高台内の渋釉などの特徴は同じですが、安南の約束事などは後世作品でも模倣していますので、約束事=時代とはならないことは忘れてはいけません。

見込みは下記の写真のとおりです。香合、皿など安南には数々の面白い作品がありますし、廉価で入手できますが、残念ながら東南アジアの陶磁器は、現代作のものもあり、時代の見極めは非常に難しいようです。

さらに参考として、紅安南茶碗としての参考作品は代表的な作品として下記の作品が挙げられます。「へうげもの 20巻」にも登場している重要美術品として指定されている作品です。
草花文紅安南茶碗
「へうげもの 20巻」に登場 財団法人徳川黎明会 徳川美術館蔵
16-17世紀 高8.9 口径13.3 重美

完品は非常に数が少なく茶碗は希少価値が高いでしょう。

他には下記の作例があります。
紅安南茶碗
(磐城平 安藤家所蔵)

皿などの生活雑器には色絵がしっかりした作品は数多くあります。
なんでも鑑定団出品作
安南赤絵の皿

「現存する安南赤絵で、色が残っているものは極めて珍しい。数も少なく同時に焼かれた安南染付が100枚あると、絵の具が高価なため赤絵はその内の1枚。」と「なんでも鑑定団」においての説明がありましたが、相変わらず250万は法外な価格だと思います。

色絵がここまでの残っていればかなり上等な方です。推察するに皿や鉢には赤絵が残っている作品は多いのですが、茶碗では残っており数が極端に少ないように思います。
それでもやはり紅安南の真骨頂はやはり茶碗です。皿や鉢の作品は品格が格段に落ちます。そのために茶碗には後絵の作品が多く、また後世の陶工が挑戦して作っていますが、上記で述べたように時代のある紅安南には遠く足元にも及びません。

本日紹介した作品はどれほどの価値があるか分かりませんが、剥離を食い止める処置をするのは考えどころです。

剥離した部分が多いので、処置すると興ざめしそうですし、補修しても茶碗として使えるかどうかは疑問です。よほどの似合った蒔絵でも施さないと似つかわしくないと思われます。

きちんとした箱を誂えて、実用より資料的価値を重んじてこのまま保存しておくのよさそうだと思っています。修理好きの小生もさすがに手を出さないほうが賢明と思わざる得ませんね。

世話を焼かずに遺せるものは一番楽でいいのだが、ともかく遺すというのは手間のかかるものらしい。
経営者が学ぶべきひとりに後藤新平がいますが、後藤新平の名言のひとつに下記のものがあります。
金銭を残して死ぬ者は下だ。
仕事を残して死ぬ者は中だ。
人を残して死ぬ者は上だ。
企業も家もどこにおいても人を育てぬと滅ぶものです。家では息子を、会社では後継を・・・。察するに骨董のようなものを遺すものは下の下といったところか・・

さて本ブログでは以前の安南の染付についていくつかの作品が紹介されていますが、本日は色絵の安南の作品の紹介です。
蓮花文紅安南茶碗
合箱
口径125~135*高さ78*高台径

写真ではわかりにくいですが、茶碗としては大きい部類になり、形には品格があります。使えるものなら茶碗として使いたいものです。
打ち捨てられていたかのような状況での買い物でしたが、購入時は下手な用心箱に収められており、どこにどのようにして保存されていたのかは不明です。傷み具合から発掘品かもしれないとも推察しましたが、この手の作品は非常に脆いので通常の経年による痛みと判断しています。

安南焼と赤絵の安南焼(紅安南)について書かれた記事には下記のものがあります。
*******************************
安南焼とは、現在のベトナムで作られた焼物の総称である。その名は679年に中国の唐王朝がベトナム統治の為に、現在のハノイに置いた軍事期間・安南都御符に由来する。その為常に中国の影響を受けてきたが、大きな発展を遂げたのは12世紀頃のベトナム李王朝の時代であった。その形は唐や宋の陶磁器を模しており、白磁と青磁を中心に褐釉、鉄絵、緑釉などが幅広く作られ、東南アジアでは圧倒的な規模を誇った。

その後14世紀後半になると、中国の景徳鎮に倣い青花磁器が作られるようになった。しかしその色は景徳鎮に比べるとやや暗くくすんでいる。これは中国がイスラム圏から輸入した質の高い呉須を使っていたのに対し、安南は国産の質の低い呉須を使っていたからである。また絵付けの線は土と釉薬のせいでそのほとんどが滲んでいる。ベトナムでは良質のカオリンが取れず、これでは青花の色が映えないために、生地に白土を化粧がけしていたのである。しかしその白土は粒子が粗く、いくら繊細な絵付けを施しても呉須がすぐに白土に吸収されてしまう。また釉薬は不純物を多く含んでいるため、透明度が低く結果的に絵付けがぼやけてしまう。

絵柄は蓮の花びらを簡略化したものがほとんどで、これが安南焼の青花かどうかを見極める決め手のひとつとなっている。

15世紀になると、赤や緑や黄色の顔料を用いた赤絵が作られるようになったが、中国に比べ低い温度で焼き付けるために釉薬が剥がれやすく、すぐに色が褪せてしまう。
しかし室町時代の茶人たちは、その素朴さの中に詫び茶に通じる簡素な美を見出した。なかでも呉須が滲んで流れるような景色になった青花は、藍染の絞りに似ていることから絞手と呼ばれ珍重されている。
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色絵については上記の記述にあるように「15世紀になると、赤や緑や黄色の顔料を用いた赤絵が作られるようになったが、中国に比べ低い温度で焼き付けるために釉薬が剥がれやすく、すぐに色が褪せてしまう。」という特徴があり、赤絵の安南焼(紅安南)は非常に釉薬が剥離しやすい焼き物のようです。

安南焼の特徴はまず内部は見込に大きく蛇の目をつくり、重ね焼きのための見込み内の円形跡であることです。

また安南焼は高台内に渋釉があるのが約束事になっています。高台が大きく高いのは諸説がありますが、丸い竹敷きの上でも転がらないように安定した大きさ、取りやすい大きさになっていると云わっています。
ただ茶人に重宝された赤絵の安南茶碗は後にたくさんの陶工によって模倣され、数多く約束事を備えた作品が出回っています。しかしながら「素朴さの中に詫び茶に通じる簡素な美」までは再現できていません。残念ながら後世の紅赤絵茶碗にはいいものは皆無と言っていいでしょう。それは染杖安南茶碗も同じです。これはやはり「その脆さゆえの危うさ」が表現できず、真新しさが全面に出てしまうからかと思います。

当時は日本と異なり箱に入れて保存する風習がなく、現在では赤い部分が剥落してほとんど残っていないそうで、後世になって絵をなぞって赤を乗せる、いわゆる“後絵”が多いため400年前の赤が残っているのは非常に貴重らしいです。たしかにネットオークションに出品されている作品には後絵の作品が出回っています。後絵の作品でも非常に珍しいのですが、これはいやらしさがあり贋作の分類されますので入手は控えたほうがいいと思います。
本ブログで紹介された染付の安南茶碗には下記のものがあります。
安南染付鳥草花文様茶碗
合箱杉製
口径110*高さ78*高台径60

本日紹介する作品と並べてみました。大きさの違いが思いのほかあることをお分かりいただけると思います。

高台内の渋釉などの特徴は同じですが、安南の約束事などは後世作品でも模倣していますので、約束事=時代とはならないことは忘れてはいけません。

見込みは下記の写真のとおりです。香合、皿など安南には数々の面白い作品がありますし、廉価で入手できますが、残念ながら東南アジアの陶磁器は、現代作のものもあり、時代の見極めは非常に難しいようです。

さらに参考として、紅安南茶碗としての参考作品は代表的な作品として下記の作品が挙げられます。「へうげもの 20巻」にも登場している重要美術品として指定されている作品です。
草花文紅安南茶碗
「へうげもの 20巻」に登場 財団法人徳川黎明会 徳川美術館蔵
16-17世紀 高8.9 口径13.3 重美

完品は非常に数が少なく茶碗は希少価値が高いでしょう。

他には下記の作例があります。
紅安南茶碗
(磐城平 安藤家所蔵)

皿などの生活雑器には色絵がしっかりした作品は数多くあります。
なんでも鑑定団出品作
安南赤絵の皿

「現存する安南赤絵で、色が残っているものは極めて珍しい。数も少なく同時に焼かれた安南染付が100枚あると、絵の具が高価なため赤絵はその内の1枚。」と「なんでも鑑定団」においての説明がありましたが、相変わらず250万は法外な価格だと思います。

色絵がここまでの残っていればかなり上等な方です。推察するに皿や鉢には赤絵が残っている作品は多いのですが、茶碗では残っており数が極端に少ないように思います。
それでもやはり紅安南の真骨頂はやはり茶碗です。皿や鉢の作品は品格が格段に落ちます。そのために茶碗には後絵の作品が多く、また後世の陶工が挑戦して作っていますが、上記で述べたように時代のある紅安南には遠く足元にも及びません。

本日紹介した作品はどれほどの価値があるか分かりませんが、剥離を食い止める処置をするのは考えどころです。

剥離した部分が多いので、処置すると興ざめしそうですし、補修しても茶碗として使えるかどうかは疑問です。よほどの似合った蒔絵でも施さないと似つかわしくないと思われます。

きちんとした箱を誂えて、実用より資料的価値を重んじてこのまま保存しておくのよさそうだと思っています。修理好きの小生もさすがに手を出さないほうが賢明と思わざる得ませんね。

世話を焼かずに遺せるものは一番楽でいいのだが、ともかく遺すというのは手間のかかるものらしい。
私も、昔に紅安南の茶碗を購入しました。
絵付けは花唐草で、黄色、緑、も入っております。ただ、高台が欠損しており、自分で付け足しました。
絵も、安南にしては細かく、茶碗縁はそらずに内側に向いています。剥落もありません。
後日、ブログにて掲載しますので、見てください。
高台が欠損? 渋釉部分が残っているのか気になりますが、自分で高台を付け足したすのは難しそうですね。