夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

忘れ去られた画家 魚市之図 中村左洲筆 その4

2018-09-20 00:01:00 | 掛け軸
母の亡くなっ後、迷ったのですが高校の同級会に出席してきました。会場は同級生が手配してくれた神田学士会館。



いつものメンバー7人程度でしたが、皆元気で安心しました。会は個室でしたが、帰りがけに会館内を見学させてくれました。いい気分転換になりました。



さて本日紹介する作品は本ブログでは4作品目となる中村左洲の作品の紹介です。

魚市之図 中村左洲筆 その4
絹本水墨淡彩軸装 軸先塗 共箱 
全体サイズ:縦1970*横552 画サイズ:縦111144*横417



箱書には表に「魚市之図」とあり、「明治乙巳(1905年 明治38年)蝋月(陰暦12月)題画面 中村左洲筆 押印」とあります。中村左洲が32歳の時の作品と推察されます。まだ若い頃の作品となります。漁港の市場の様子が実に生き生きと描かれた佳作です。

  

シミなどがあり、痛んでいますが改装すれば見違えるようになるでしょう。



なぜにこのようなままで放置するのかは当方では理解に苦しむのですが、基本的に現在ではこの作品に価値を見出す人が少ないということなのかもしれません。



中村左洲の作品・・・、鯛が泳ぎ、鯛を獲り、海老を描く。そして市場で捌く。一通りのストーリーが出来上がりました。今までの三作品を整理してみました。

游鯛図 中村左洲筆
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 昭和19年共箱 
全体サイズ:縦1883*横540 画サイズ:縦1282*横423

(部分写真)



鯛を描いた作品には終生伊勢の海に親しみ、伊勢志摩の自然と一体化したかのような彼の特質を見ることができます。

鯛釣図 中村左洲筆 その2
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 共箱 
全体サイズ:縦2035*横540 画サイズ:縦1170*横420

(部分写真)



中村左洲といえば、 伊勢地方では 「鯛の左洲さん」 として広く親しまれている画家です。 左洲は明治 6年(1873)、現在の二見町の出身。昭和28年に81歳で没するまで、終生二見の地にあって鯛の絵をはじめとする多くの作品を残しました。

伊勢海老図 中村左洲筆 その3
絹本水墨淡彩軸装 軸先陶器 鑑定箱 
全体サイズ:縦2060*横540 画サイズ:縦1255*横417

「鯛の左洲さん」ですが、伊勢湾であれば、「伊勢海老」を欠かすことはできませんね。

(部分写真)



中村左洲の作品には美人画や風景画もありますが、なんといっても中村左洲は魚・・・・,ですがこの度の作品の「水揚げ」で完結!



三重県では桑名美術館で企画展を開催したこともあります。



展示室に飾って鑑賞しています。



魚市での水揚げの様子が生き生き描かれています。



「くたびれたし、船酔いしちまったよ~」



「その活きのよい鯛もらった!」



「じっちゃん、いい魚が手に入ったね。」「そうだな~」



「どれ、一服でもするかね。}



「今日は大漁でよかたね~」

なんとも会話が聞こえてきそうな作品です。画家本人が漁師でもあり、心情までも表現している作品となっているのでしょう。

*中村左洲の作品はいい出来とつまらない出来の作品が明確です。90%以上がつまらないので厳選して蒐集する必要のある画家ですね。ただ画力はただものではない・・ これで蒐集終了ではなく、これからも少しづつ蒐集したい画家の一人です。

ところで本ブログで紹介してきた「蓑虫山人」、「福田豊四郎」、「天龍道人」、「源内焼」などがインターネットオークション上にいい作品が出品されなくなりました。供給が途絶えた??? いい時期に買い漁ったようです。






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