夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

山狭之朝 寺崎廣業筆 大正7年(1918年)頃

2019-05-25 00:01:00 | 掛け軸
本日紹介する作品はまだ投稿していかった寺崎廣業の作品であったため投稿する作品です。寺崎廣業の最晩年の佳作と言えましょう。

山狭之朝 寺崎廣業筆 大正7年(1918年)頃 その4
紙本水墨軸装 軸先象牙 共箱 
全体サイズ:横560*縦2220 画サイズ:横410*縦1250

 

寺崎廣業の作品できちんとした共箱で二重箱に収納されている作品は意外に少ないようです。

 

落款と印章から亡くなる前年頃の大正7年の作と推定しています。作品中の印章はこの頃の僅かの作品に押印されています。

 

この当時は横山大観と寺崎廣業は日本画を代表する双璧と評されていました。1912年(大正元年)の文展には「瀟湘八景」を出して同名の大観の作品とならび評判作となったことは有名です。



横山大観と寺崎廣業は同じような山水を描きながら、雰囲気違う両者の作品の趣ですが、本作品は寺崎廣業の目指した山水画の趣を確実に漂わせる佳作です。



市場にたくさんある寺崎廣業の作品ですが、このような最晩年の佳作は滅多にないでしょう。さらに希少な亡くなる直前頃の作です。



福田豊四郎、平福百穂・穂庵父子、伊勢正義、倉田松涛、蓑虫山人、そして寺崎廣業ら郷里に関連する画家の作品の蒐集については、今まで蒐集してきてようやく全体にひとランクアップしたように思います。本ブログがその蒐集の遍歴そのものになっているように思います。逆にある一定のレベル以下の作品には蒐集の食指は動かなくなったということにもなります。


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