Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

復活祭上演への工程表

2022-01-05 | 文化一般
年末最終週に舞台装置が組み立てられた。復活祭の新制作「スペードの女王」の舞台である。偶々リンクが入っていたのでざっと内容を見た。そして今そのリンクは全て観覧不可になっている。そうなるとこちらは好奇心に満ち溢れる。一体何が都合が悪かったのだろう。

確かにそこへのリンクを張りながら私は呟いた。演出家の二人はとても興味深い二人だと。つまり平常の劇場の舞台裏は悪い意味のルーティンになっていて、舞台を制作していく真剣味がないというようなことを二人組の演出家の一人不二雄Cさんが話していた。

これは結構興味も引いた。一つには音楽劇場制作自体が劇場の日常の中で回るものではないという考え方もあり、もう一つには公立劇場などのその在り方に対して明らかに挑戦状的に捉えられるからだ。

真意はよく分からないが、少なくとも舞台を組み立ててみて、全座席からの死角等を洗い直したようである。しかしそのように技術的に不可欠な話よりも、もっと興味深いことがそこで語られていた。

つまり幾ら舞台練習をしても最後に指揮者のペトレンコがピアノではなくメゾフォルテにして仕舞えば、それで苦労は水の泡になってしまうというのである。要するに、音楽と演出は強く連携しているので、最初から指揮者が舞台稽古に付き合うべきだと話している。

今迄のバーデンバーデンでの復活祭は素人オペラ指揮者ラトルにしても、準備最後の一週間は土曜日に楽団員と前後してバーデンバーデン入りしていたと思っていたが、ベルリンで稽古してからラトルが到着するまでのラグが大きかったようだ。

そこで思い出すのが「パルジファル」での前宣伝のデジタルコンサートホールの番組だ。そこで歌手たちがバーデンバーデン入りしていて、指揮者のラトルがベルリンでインタヴューとなっていた。その時の日程を確認すると2018年3月24日初日だから17日に楽団がバーデンバーデン入りした筈だ。しかしこの番組は3月9日に生中継されたようで、歌手たちは既に祝祭劇場入りしている。つまり初日二週間前には既に入っている。
Sir Simon Rattle on the Berliner Philharmoniker Live Lounge

Cast "Parsifal": Gralsglocken vokal


それでも幻となった2020年の新制作「フィデリオ」の時も当然ながら2021年の「マゼッパ」の時も最後の一週間前まではベルリンでみっちりと練習をつけていたとされる。そして、今回演出家が求めているのは二週間前から指揮者もバーデンバーデンに入って練習しろということらしい。

今年の4月9日初日「スペードの女王」の日程にこれらを当て嵌めると3月26日から歌手も指揮者もアシスタントもバーデンバーデン入りするということになるのだろう。ラトルは何もできなかったがペトレンコは当然ながらドレスリハーサル以前からそこにいる価値があるのは当然で、ミュンヘンでやっていたやり方に近くなるに違いない。

昨年6月に出ていたページをキャッシュで再確認すると、組み立て模型の写真があった。祝祭劇場のホームページは広報の専門家が担当しているのかもしれないが、こうした出したり隠したりのやり方は下手過ぎる。もう少しSNSなどで重要なことを学ぶべきで、情報管理なども洗練されておらず、寧ろ素人っぽい感じがある。



参照:
We're going to Baden-Baden 2018-03-11 | 文化一般
初買の気持ちは如何に 2022-01-03 | 生活
コメント
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