Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ブルーレイROM三枚目

2022-01-09 | 文化一般
三枚目のブルーレイROMを焼いた。一つだけ余っていたタンホイザーの生BR版で5.5GBのMP4ファイルを併給保存。一度、カメラ切り替え別のカステルッチ演出「タンホイザー」の映像批評をしなければいけないと思うぐらいだ。流石に観慣れて落ち着いて音楽を聴けるようにはなったのだが、矢張り演出家カステルッチは変態だと感じる。ヌーディティーへの彼の視線が矢張りおかしい。まるで自分の趣味の為に無理矢理に理論づけしているようなところがあって不自然過ぎるのである。なにかホテルのバスで水死するような人にしか思えない。

同時にそのROMに記録したのは、先ずは「死の街」の流出ヴィデオと初日のBRラディオ生中継音声である。その時に劇場にいたのだがタイマー録音が成功していた。流出の方も45分の総稽古のカットが入っているので、ブルーレイ化されたものと合わせて部分的に三種類の演奏が聴ける。生中継のものは未だに聴いていないのだが、印象からすると初日にかけてまた製品化に向けてとその間に二回の大跳躍がありそうだ。初日にはそれなりの緊張感があって、全てを出しているのだが、矢張り比較すれば荒いところを思い起こした。オペラの初日はその意味からすると永久保存版には矢張り為り難いものがあるだろう。

カールセン演出「アリアドネ」は、舞台上でバレーの練習をしているところから始まっていて、聴衆は劇場に入るなり何をやっているのかなと不思議に思う演出である。ケントナガノ音楽監督時代の新制作であった。作品が楽屋落ちになっているので、それをもう一つ前に引き延ばした形になる。映像が中継されたその前後に劇場にいたのだが、こうしてみると劇場ごとが芝居になっているのがよくわかる。この公演の後でカウフマンが歌ってパリのシャンゼリゼ劇場でコンサート形式で行われた。バレーリーナの中心にいる人は日本にも「タンホイザー」で帯同した人だと初めて気が付いた。しかしそれを知っていて同じROMに入れた訳ではない。

更に序にニューヨークメトでのペトレンコ指揮の「アリアドネ」を入れた。そしてフランクフルトでの新制作「トスカ」のトレイラーなどもだ。これらを合わせて20GBを超えた。復活祭で2024年に「アリアドネ」はありえないので、この作品をペトレンコが再び指揮するのはいつのことになるだろうか。ザルツブルク音楽祭ぐらいだろうか。

こうしてハード化して流すのはNASから取り出す感じとはまた違う。読み取り伝送もそれ程悪くないので、頻繁に中断したりはしない。映像を観ながらでは回転音も邪魔にならない程度である。以前はこうした生で観たり聴いたりした制作は改めて流す気も起らなかったのだが、今数年経って過去になっていることを実感する。その分より客観的に鑑賞できるので面白い。記憶に上書きされるのが嫌だったのが、今は再生を切っ掛けに思い出すことがあって助かる。

客観視によって先ず何よりも明白になるのはバッハラー支配人時代の演出を含むその舞台の雰囲気である。新支配人になって二回も出かけたので、恐らく親近性も感じて既にドロニー体制の雰囲気に慣れてしまっているのかもしれない。バッハラーの劇場は役者出身からかもしれないがやはりギリシャ劇や古典的な劇場のある意味ネオバロック的な劇場を作っていたかもしれない。演出家では嘗てはポネロとか前世紀中盤以降に活躍した人の演出などに相当するだろうか。別な言葉で表現するとミュンヘンを「大劇場」として支配した人だったかもしれない。



参照:
とても贅沢なお話し 2022-01-06 | 料理
山の向こうに越していく 2021-08-08 | マスメディア批評
ペトレンコ教授のナクソス島 2015-10-22 | 音
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする