週末に注文を纏めなければいけない。六、七月に開かれるミュンヘンのオペルンフェストシュピーレの予約である。基本的な構えは決まっているのだが、それでもそそられるものがあると迷う。
作品としては、新制作ペンデレツキ「ルドーンの悪魔」、再演「バラの騎士」、「賢い女狐」、「ピーターグライムス」などか並ぶ。地元にいれば初日に通っていたのかもそしれないが、敢えて出かけるとなると限られる。最後の考慮において急に話題に上ってきたのが日曜日に初日を迎える「賢い女狐」。
その理由は指揮のミルガ・グラズニーテティーラの妊娠報道と6月中旬のバーミンガムでのプログラムをキャンセルしたからである。彼女の指揮ではなかなか難しいと思っていたからそれ程関心はなかったのだが、7月も休むとなると代わりに誰かが入る ― 事実彼女が練習の為にバーミンガムで振った公演は彼女が最も関心を持つ「無常観」が描かれなかったとの悪評がガーディアン紙にあった。それが現在ミュンヘンでアシスタントもしている同じリトアニア出身のギエドル・シュレキーテが振る可能性があるからだ。日本でも昨年のフランクフルト新制作公演のあとにデビューしたようだが、今最も注目されている若手指揮者の一人の様だったので、フランクフルトに出かけようかと迷っていた。その時はコロナ規制で断念した。
大注目の新星指揮者、ギエドレ・シュレキーテが初来日!東京二期会オペラ劇場『魔笛』を振る!
しかし今週のミュンヘンのフィルハーモニカーデビュー公演やらその前のインタヴュー記事などを読んでYouTubeで観ると、やはり三つ上の先輩よりも遙かに大きな可能性がありそうだと感じた。将来性は体験してみないと確信は持てないが、少なくともヤナーチェックではベルリンでも大成功していて、彼女以上の適任者はいなと感じた。要するに彼女が振るなら是非出かけたいと思った。
日曜日の初日も総稽古に続いて本来のティーラが振ることは分かっているのだが、中継は二回目の上演の三日にしかない。それも急遽決まった生中継のストリーミングがあるようで7月にパブリックヴューイングで流されるものがあるのに不自然なことになっている。要するに7月には彼女が振らない可能性が強まった。締め切りの月曜日までに更なる情報が出るかどうか。
本来のキャストでは出かける予定はなくて代役を心待ちにした経験は、カラヤン指揮でのサントリーホールのこけら落とし公演での小澤征爾指揮、2019年復活祭でのMeToo指揮者に代わったメータ指揮などがあるが、今回もそれに近い。但し、シュレキーテがアシスタントとして活躍した昨年の「鼻」での下拵えはもう一つ甘かったと思う。指揮は先輩のペトレンコのアシスタントだったオクサーナ・リニヴよりは上手いかもしれないが、またそれとは違うことだろう。
日曜日の初日に続いて「グライムス」の準備も進行する。こちらも指揮を英国のガードナーが受け持つ。その他エンゲルなど多彩な話題性の高い指揮者が続々登場するのもペトレンコという巨星が音楽監督を務めていた時とは変わって、地元の常連さんには興味が尽きないと思う。
参照:
Präzise Eleganz, Klaus Kalchschmid, SZ vom 19.1.2022
州立歌劇場でアニメ鑑賞 2019-01-29 | 文化一般
細い筆先のエアーポケット 2017-11-03 | 音
作品としては、新制作ペンデレツキ「ルドーンの悪魔」、再演「バラの騎士」、「賢い女狐」、「ピーターグライムス」などか並ぶ。地元にいれば初日に通っていたのかもそしれないが、敢えて出かけるとなると限られる。最後の考慮において急に話題に上ってきたのが日曜日に初日を迎える「賢い女狐」。
その理由は指揮のミルガ・グラズニーテティーラの妊娠報道と6月中旬のバーミンガムでのプログラムをキャンセルしたからである。彼女の指揮ではなかなか難しいと思っていたからそれ程関心はなかったのだが、7月も休むとなると代わりに誰かが入る ― 事実彼女が練習の為にバーミンガムで振った公演は彼女が最も関心を持つ「無常観」が描かれなかったとの悪評がガーディアン紙にあった。それが現在ミュンヘンでアシスタントもしている同じリトアニア出身のギエドル・シュレキーテが振る可能性があるからだ。日本でも昨年のフランクフルト新制作公演のあとにデビューしたようだが、今最も注目されている若手指揮者の一人の様だったので、フランクフルトに出かけようかと迷っていた。その時はコロナ規制で断念した。
大注目の新星指揮者、ギエドレ・シュレキーテが初来日!東京二期会オペラ劇場『魔笛』を振る!
しかし今週のミュンヘンのフィルハーモニカーデビュー公演やらその前のインタヴュー記事などを読んでYouTubeで観ると、やはり三つ上の先輩よりも遙かに大きな可能性がありそうだと感じた。将来性は体験してみないと確信は持てないが、少なくともヤナーチェックではベルリンでも大成功していて、彼女以上の適任者はいなと感じた。要するに彼女が振るなら是非出かけたいと思った。
日曜日の初日も総稽古に続いて本来のティーラが振ることは分かっているのだが、中継は二回目の上演の三日にしかない。それも急遽決まった生中継のストリーミングがあるようで7月にパブリックヴューイングで流されるものがあるのに不自然なことになっている。要するに7月には彼女が振らない可能性が強まった。締め切りの月曜日までに更なる情報が出るかどうか。
本来のキャストでは出かける予定はなくて代役を心待ちにした経験は、カラヤン指揮でのサントリーホールのこけら落とし公演での小澤征爾指揮、2019年復活祭でのMeToo指揮者に代わったメータ指揮などがあるが、今回もそれに近い。但し、シュレキーテがアシスタントとして活躍した昨年の「鼻」での下拵えはもう一つ甘かったと思う。指揮は先輩のペトレンコのアシスタントだったオクサーナ・リニヴよりは上手いかもしれないが、またそれとは違うことだろう。
日曜日の初日に続いて「グライムス」の準備も進行する。こちらも指揮を英国のガードナーが受け持つ。その他エンゲルなど多彩な話題性の高い指揮者が続々登場するのもペトレンコという巨星が音楽監督を務めていた時とは変わって、地元の常連さんには興味が尽きないと思う。
参照:
Präzise Eleganz, Klaus Kalchschmid, SZ vom 19.1.2022
州立歌劇場でアニメ鑑賞 2019-01-29 | 文化一般
細い筆先のエアーポケット 2017-11-03 | 音