Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

友人ゲルギーエフへ

2023-02-11 | 雑感
文化欄に指揮者のエサペッカサロネンへのパリでのインタヴューが載っている。作曲家としての其れらしいが、小見出しに友人ゲルギーエフへのと書いてあったので、目を通さずにはいられない。

友好関係があって、その才能も尊重している関係らしいが、一人の大人として、プーティンを擁護したならばロシアに留まり今後とも西側に出てくると事は不可能だと、その責任を明白にすると同時に、若い才能ある人々が叩かれるのが嫌で出て来れない状況は決して良くないとして警告している。正論を吐いている。

その作曲に関しては、オヴァートンの重要視での調性へと何ら目新しいことは語ってはいない。ただ想定していたよりも多作傾向は加速しているようで、結構売れっ子になっているのが分かる。その中で興味深いのは、嘗ての曲との似かよりを辞さずの態度で、所謂独創的な作曲として将来へという事を考えていないのだろう。もう一つサンフランシスコの交響楽団と来月の欧州ツアーがあるのだが、そこのシリコンヴァレーで電子音楽関係者との共同プロジェクトがあり、その中の作品を持ってくるというのだ。早速最寄りの座席などを調べたが、安いところは出て仕舞っていて残念だった。こちらも知らない作曲家のその様な作品にまでは目が届かなかった。

そのサロネンが指揮者として大成果を上げたのがロスアンジェルスの管弦楽団で、その作曲が示すようにハリウッドのよく似合う指揮者であった。現在はボルヴィア人のデュダメルがシェフであるが、ニューヨークと同時にそこを退任して2026年からニューヨークの管弦楽団に変わることになった。世界で最も歴史のある交響管弦楽団であるが、ここ暫くはまともな指揮者がその任についていなかった。そこで将来的にもアメリカの音楽文化をの担い手としての管弦楽団を再興するためにもの人事となった。確かに現職や前職に比較すれば可能性はある。コロナ期間の欧州ツアーが取り止めとなったので、昨今の実力は知らないのだが、頂点に至る楽団であるだけに気になる。

その一方西海岸の方では後任人事へと動く。世界で最も高給取りの楽団でありながら芸術的には到底ビッグファイヴには届かないとされているのだが、同じラテン系でオロスコを推薦しておいた。斎藤流の指揮技術で、ヴィーンでは交響楽団とぶつかりサドンデスの関係解消となっているのだが、先日のボストンでのデビューは手応えがあった。欧州で学んだとしても決して欧州風ではないのだが、腕のある奏者を集めた交響楽団で建設的に仕事を据えば嘗てのメーター時代には至らなくても、サロネン指揮の時代の栄光は再び取り返されるのではなかろうか。

恐らく両管弦楽団も新体制になる前に再び欧州公演がある筈だ。特にニューヨークフィルの方は誰かいい指揮者が代わって指揮して呉れれば喜ばしい。ズビンメーターが健在な内に両方ともその指揮で聴くのも悪くはないだろう。



参照:
Der Klassik-Mann fürs Silicon Valley, MARC ZITZMANN, FAZ vom 9.2.2023
2G規制になったバーデン州 2021-11-18 | 雑感
老朽化したイェーテボリ 2019-10-06 | 女

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