Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

「言葉も出ない」

2023-02-24 | 雑感
走りに出かけたら谷の入り口に新しい看板があった。大見出しに「喜ばれない自然の住人」と目に入って、先日山の中で見つけた獣の事かと思った。しかし近づいて写真をみると、放棄ごみの事だと分かった。

意外に早く生物学的に分解されるものと殆ど永遠に千年もその儘にあるゴミとが混合していて驚いた。余程高分子物質などを日頃から扱っていないとこの差を語れないであろう。要するにごみは持ち帰れという結論である。しかしその数字は結構衝撃的でさえある。

ミュンヘンの「戦争と平和」初日に向けてBRが音楽監督ユロウスキーにインタヴューしている。今回の上演にあたってウクライナ筋から文句が出ているようだ。それはプロコフィエフの対独戦争での創作に絡んで、ソヴィエト政府から愛国者的な要素を求められていたからである。しかしユロウスキーは、それどころか劇場内でも躊躇の声が出てきたので、先ずトルストイの原作を読んで貰いたいと、今これを制作する意味を理解していないと。

プロコフィエフは修正を迫られてスターリンも待っていたのだが、奇しくもその独裁者と同時に亡くなった。ショスタコーヴィッチの戦争交響曲とは異なり、戦時中には上演されなかった。そもそも全部を創作すると「指環」のような大作となってしまうので、一晩物として物語りは短くされた。

そしてこの一年の出来事を反映して、演出のチェルニコフとの協調で原典版の最後のコーラスを割愛したらしい。初演以来初めての試みだろうとしている。それは「言葉も出ない」というのを示すだろうとしていて、請うご期待となる。

人数の多いキャスティングから旧ソヴィエト連邦の歌手たちが一同集まり、不在はアゼルバイジャン、トルキスタン、ジョージアの三か国からだけ誰も来ていないらしい。よって、練習でもロシア語が使われているらしい。ロシア人の歌手の18歳の甥は棺桶で帰って来たとその様な話しが語られているらしい。

プロコフィエフの姿勢は、ショスタコーヴィッチとは異なり反体制を取らなかったが、丁度同時代のリヒャルトシュトラウスにも共通している矛盾を孕んでいるという。交響曲においては同時期に作曲されたあまりにも悲劇的な第六番を挙げている。

ロシア情報は、反体制のジャーナルで今はラトヴィアに移っているメデュザを情報源にしている。長いプティン体制でも自由であったがこの一年は全ての情報は政府が制御するようになって仕舞ったという。

散髪を無事済ませた。春の息吹カットにして貰えた。すっきりした。前回は待降節にミュンヘンに出かける前であったから、二月ぶりになる。気持ちがいい。髪結いのおばさんは、また来週寒くなるようだけどと気にしていたが、雪が降ろうがなんでもないよと答えた。実際週末に零下になるようだが陽射しがあって、昼間の室内は暖かくなると思う。

ミュンヘンの予報を見ると、最低気温が摂氏3度ほどなので不凍液は特別に要らない。陽射しがなくても気持ちよく旅行可能だと思う。



参照:
JUROWSKI DIRIGIERT KRIEGS-OPER VON PROKOFJEW, BR-Klassik vom 21.2.2023
期待される高度な表現 2023-02-22 | 音
胡散臭さを振り払う 2019-02-13 | 文化一般
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