Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

期待のローカルな意匠

2023-02-26 | 文化一般
予報通りに寒くなった。週明け水曜日ぐらいまでは最低気温が摂氏零下となる。花冷えである。既にちらちら咲き出していたが、またやり直しだ。ミュンヘンなどでは雪が降っているらしい。来週末もそこでも氷点下となっているが、それ程は冷えないようだ。当日の様子で少しだけでも不凍液を必要とするかどうか。しかし二桁を睨むような純液は要らないので途上のスタンドで購入可能である。粘度の低いエンジンオイルをどれぐらい足すかの方が重要である。

一泊するので帰りにダルマイヤーに寄るつもりだ。スーパーでの安売りプロドーモは一週間早く底が尽きたので久しぶりにハムブルクのアイレスのものを購入した。煎りが強く濃いのが特徴で、その分香りは落ちる。以前はミュンヘンの歌劇場の広場の前にあったのだが最近は見ないので、閉店したのだろう。なにか復活祭向きの商品があるのかどうか、シュトッツガルトならばマウルタッシェなどシーズン向きの食料品があるが、ミュンヘンではあまり知らない。あそこのサーモンも一度試したい。この時期にはペトレンコ体制では出かけたことがない筈だ。

日曜日午前中に新制作「戦争と平和」初日の紹介の催し物が開かれたようであるが、HPの情報が充実してきた。演出家チェルニコフについての記述が詳しい。マリーナ・ダヴィドワという来年からザルツブルク音楽祭の演劇を率いるバク―生まれのモスクワの演劇評論家の人が書いている。16歳からモスクワの劇場で照明などのアシスタントをする傍ら、未だ当時ペレストロイカ直後でまだまだ西側世界に繋がっていなかった時代から情報を収集して研究していたらしい。それによって、今まで続くコスモポリタンな姿勢が出来上がる様であるが、同時にロシアの社会歴史的なものへと繋がりと視点がその演出の重要な要素になっているという事らしい。

確かバイロイトでも協調したリニヴがが語っていたように、ロシア物に対するその手腕は特筆されるものだとある。若き演出家としてペテルスブルクのマリンスキー劇場でのリムスキーコルサコフ作「見えない町キーテージと聖女フェヴローナの物語」の今世紀最初の数週間での成功について詳解してある。

重要なのはメルヘンの部分を削除して、こうした古いロシアのオペラを神聖化から救い、更にソヴィエト時代のそれを重ねることで、新たな息吹を吹き込むことに成功したとある。興味深い木に吊るした配水装置の事があって、日本でも嘗て田舎に行くと特に汲み取りの雪隠などにはその様な手洗いが吊るしてあったことを思い出す。そうした意匠は経験している人たちにしか感情的にも訴えかけないものなのかもしれないが、そうしたとてもローカルな面がコスモポリタン志向にもあってとなる。

なるほど、ミュンヘンでの「魔弾の射手」などではそのローカルな面が欠けていて、その時の指揮と共に些か退屈な制作となっていた。バイロイトでの「オランダ人」においてもそうした風合いが欠けていたのは当然であろう。復活祭には「マゼッパ」を演出る予定であったが生憎コロナ禍で流れてしまってその真価を知らず儘である。今回はその面でもとても期待している。



参照:
賞味期限を早める試み 2022-11-03 | 文化一般
もう一晩ぐっすりと 2022-01-23 | 料理
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