Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

期待される高度な表現

2023-02-22 | 
一足早く啓蟄と相成った。篭り部屋撤収である。PCは週明け冒頭から階下に下してあったのだが、一日過ごしていると新たに設置したスピーカーの響きが恋しくなった。メインシステムが手の届くところにあるので、それがなくてもPCからも送信可能であり、そのようにも使っていたが、何も無理することはない。音楽となるとどうしてもとなる所を、BGM代わりならばなにも本格的な音響は要らない。

就寝前に酒の勢いもあってか設置していた篭り部屋の机の後ろから仕事机へと下して来てしまった。ボックス設置も定まって仕舞ていたので戻すのも難しくない。装置も携帯用DACと小さなデジタルアムプのみである。スピーカーケーブルも短くしてあって、バナナステッカーを使っているので、DC電源ボックス一つと繋がっているUSB、RCAケーブルの二本だけである。

取り除くと意外にこの短期間で埃っぽくなっていた。寝室のほこりが取れて喜ばしい。さて設置も電源ケーブルの引き直しをしたぐらいで、スピーカーケーブルは全く邪魔にならない。アムプはモニターの足の横に収まった。

ボックスの置き場所はそれ以前と変わらないのだが、今回はスパイクを前に履かしていて、耳に直対するように設置する。ステレオ三角形も可能となっている。実はネットでチャット中継のポップスサウンドが流れていて、位相をずらして三角形の外側から出てくる音が流れてきた。久しぶりに聞いて新鮮だった。このスピーカーでしばしば作られていたトラックダウンのヒットアルバムを思い起こさせる。

レヴューなどを読むと、このスピーカーからのその音は中低域に力のあるホラーサウンドと呼ばれていたようだが、どのような世界中のシステムで鳴らされても効果のあるサウンドをスピード感のあるミックスダウンで作り上げたのが、まさしくこのヴィンテージ物のオーラトーンらしい。殆どと言ってもいいぐらいポップスは耳にしないのであるが、確かにこうして鳴らすと面白いものは少なくない。

繰り返し繰り返し書いているが、就寝前に試してしまうというのが、間違えばオーディオ趣味に落ちり易いこの傾向で、本当にならなくて良かったと思う。一番高熱を出して倒れた時もパジャマでスピーカーの設置を直していたのを覚えている。

そして、夜も深まってから、そろそろ準備を始めないといけない復活祭や「戦争と平和」初日に向けて、プロコフィエフの協奏曲一番でトリフォノフにつけるペトレンコ指揮の映像を観て歓喜してしまった。見事に和声の流れで弾き別けるそのピアニズムは子供の時の自分自身の理想でしかなかったからだ。続けて、ルツェルンでのユジャワンの三番。ペトレンコの振るベルリナーフィルハーモニカーはトリフォノフに負けないような棘のある響きから引っ掛かり感のある和声の軋み迄を否応なく表現できるようになっている。

ユロウスキー指揮にそこ迄は期待しないのだが、音楽監督となってから今回四回目の新制作指揮にそうした味のあるサウンドまでは期待したい。徐々に世界最古の座付き管弦楽団からそうした高度な表現が可能になってきていると思う。



参照:
一寸乙に響きますが 2023-01-23 | ワイン
独FBIの方からの電話 2022-09-29 | 暦
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする