Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

最終戦とされるもの

2023-02-27 | 雑感
「戦争と平和」の録音を少し流した。探した中で先ずは演奏の良さそうなガリ・ベルティーニ指揮のパリでの上演のヴィデオを流した。先にその原点板や縮小更に作曲家のプロコフィエフが亡くなるままでの改定の必要があった作品であって、ここでも最初の合唱が切られていて、ボスコフスキー候のモノローグから始まっている。しかしペテルスブルクのマリエン劇場などは盛んな合唱から始まっているので、所謂国威発揚の民衆の歌から始まっている様で手元の楽譜もそれである。恐らくそれが改訂版なのだろう。

指揮者ベルティーニはルーマニア出身のイスラエル人であるが、一時はフランクフルトの市立歌劇場の音楽監督であったのだがそのオペラ指揮は聴いたことがなかった。それもロシアものを指揮している。パリの座付き楽団にしてはまともに鳴っているようで、流石に名トレイナーの片鱗を見せている。

音楽に関しては当時の作風としては如何にも上手にやっていて、ストラヴィンスキー以降の音楽乍プロレタリア独裁の音楽になっているのだろう。しかし流石に気が利いている。同じロシア語歌唱でも、チャイコフスキーのそれに慣れていたら如何にも風通しが良くて分かり易い。その分可也精妙な演奏が為されると高い効果を生じるような気がする。

ヴィ―スバーデンの劇場の五月のフェストが揉め続けているようだ。バイロイトに続く最も古いフェスティヴァルらしい。原因は辞める支配人が無理にネトレブコラの問題のある者を出して、自らの主張としていることにある。コロナ期間中にも逸早く催し物を開いた前科がある。そのこと自体は、劇場内の扱いも整っていて全く問題はなかった。しかし、支配人のイデオロギー的な主張と本来の芸術表現の自由とかとは些か異なると思った。その演出家としてのバイロイトでの「パルジファル」演出もそうした自己主張ばかりが先に立つ程度の低いものだった。

その記事にネトレブコのギャラが百万ユーロと書いてあるので、一晩で高級車が買える額になる。全くその価値はないと思うが、有名なので出せば売れるようだ。そういう市場は世界中にどこにでもある。三大テノールの市場即ちエンタメ市場である。

同じようにバイロイトの最後の戦いとして、そこでの状況も報じられている。大きな声は最も保守的な友の会から出てきているようで、失敗することが分かっている今夏のユダヤ人女性指揮者などの登場への不満や同じく成功しないことが確証されているインキネン指揮も問題になる。その勢力に対して、連邦共和国の文化相ロート女史の意向がぶつかることになっている。いづれにしても結論はそう遠くない内に出るのである。

予報通り明け方は冷えたようであるが暖房も効いて、そこに洗濯前のベットカヴァーを掛けて就寝したものだから寒くはなかった。放射冷却が二三日続いて、月明けからはまた開花となりそうだ。余分にエンジンオイルも発注しておいたので、なんとかミュンヘン行きもなるだろうか。あとは夏タイヤへの交換の日程を調整しておかないといけない。



参照:
延期になったバイロイトの声 2020-05-19 | 音
最高峰から削ぎ落された祭 2022-04-01 | 文化一般
コメント
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