紅露の写真日誌…北の大地・夢空間

小樽・札幌の風景、イベントが中心

返せ、北方領土!

2009-11-14 08:00:35 | 日記
突然過激な言葉が出てきましたが、これは、根室から納沙布岬に向かう国道のあちこちに立てられている看板に書かれている言葉です。

私は、平成6年3月から9年3月までの3年間、政府系金融機関の釧路支店に勤務しておりました。日本最東端の納沙布岬には公用、私用を問わず、何度も行く機会がありました。根室市内から納沙布岬までは22~23kmで、車で30分ほどの距離です。

この間、標題のような立て看板があちこちにで見られます。中には右翼の看板でしょうか、銃で武装した人物が「奪い返せ北方領土」と叫んでいる過激な図もありました。



上の画像は納沙布岬の灯台を撮ったものですが、水平線上の左手にかすかに、鼠色の灯台が見えます。画像が小さくてわかりにくいですが、納沙布の灯台の沖合約1600mのところに、旧日本陸軍が設置した灯台があるのです。これを望遠レンズで切り取ったのが下の画像です。



現在はロシアの管轄下にあります。補修もされず放置されたままで、今にも倒れそうになっております。僅かに海上に出ている岩礁にはカモメだけが自由に行き来しております。

この灯台と納沙布の灯台の中間、沖合い僅か800m先が、日本とロシアの中間ラインになります。赤いブイがロシアによって敷設されております。時おり、ロシア側の巡視船がパトロールしている姿が見られます。

かつて北方四島に居住されていた方々にとっては、近くて、遠い生まれ故郷なのです。直接北方四島に携わらない私達にとっても、この現状を目の前にすると、何ともいえない理不尽な感情が沸き起こってきます。



灯台の奥は貝殻島です。納沙布岬からは僅か3.7kmしか離れておりません。海岸には座礁船が放置されたままとなっております。天気のいい日には、双眼鏡を覗くと対岸がはっきり見えます。右手奥にかすかにですが建物があります。監視棟です。時おり、銃を持った歩哨兵が歩き回る姿も確認できます。

なお、不思議なことに、貝殻島から南の太平洋側の根室沖の島々は上の画像に見られるように、ナイフで削ったようにみな平らなのです。浜中町の霧多布が典型的です。

さて、次は根室から羅臼に移動してみましょう。下の画像は羅臼町の高台から撮影しました。数隻の漁船が羅臼港に戻るところです。防波堤の向こうには白い帯状のものが見えますが、これが流氷です。そして流氷の向こうには国後島が見えます。この中間ラインでも過去何度も銃撃、拿捕などの惨事が起こっています。



納沙布岬にしても、羅臼にしても、目の前にかつてのわが領土が見えるわけですから、いたたまれない感情になるのも理解できます。一日も早く、北方四島が戻ってくること願っています。

なお、11月13日午後7時30分から、NHKテレビで「北海道・クローズアップ現代」と題して、北方四島について取り上げられました。丁度、このブログを書き上げている最中でした。道民だけではなく、全国の人々に現状を知っていただきたく、全国放映をしていただきたいものです。