アンサンブル・ド・ミューズ ニュースレター

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

点を面に…♪

2014-08-07 08:40:46 | Weblog
書店の入り口近くには新刊等紹介の棚がある。片側は単行本、もう一方が文庫本。
文庫本の人気ランキング1位~10位、今週の新刊、映画&ドラマの原作等々という具合にスペースを区切って展示されている。
待ってましたぁ
文庫になるのを待っていたのよね。
『ローマ亡き後の地中海世界』(一、二)塩野七生著 新潮文庫
一目で塩野七生の本だと分かるカバーは、新潮文庫のこれまでの塩野作品と同じスタイル
さて、それでは…。
ローマ帝国が崩壊した後、ヨーロッパ世界は蛮族が跋扈し、ビザンチン帝国は弱体化。
そんな中イスラムの教えを掲げたアラブ人がもの凄い勢いで台頭してくる。
侵略と暴力、殺戮と強奪、破壊と不信、不調和とローマ教会の無力。それが暗黒の中世なのね。
読み進めながらふと気づいたことがある。
この辺りのこと(古代ローマから中世)は高校の世界史の時間に一通り習ったよな。
……紀元前27年 オクタヴィアヌスが初代ローマ皇帝となりました。
…ほぉ、そぉですか…。
……紀元476年 ローマ帝国が滅亡しました。
…ほぉ、そりゃ残念な…。
……紀元570年 メッカにマホメットが生まれました。
…へぇ、イスラムのもとになる人ね…。
……紀元800年 フランク王国のシャルルが神聖ローマ帝国皇帝となりました。
…ふぅん、神聖ローマ帝国、ドラマティックな名前…。
…………………………
そんな風に、主な出来事と人物名をきっちり頭に詰め込んでもらった。
『こんなことがありました、こんな人物がいました』
『あぁ、そうですか』
そしてテストで100点採ればそれで一丁上がりである。
当時、我が母校はギンギラギンの受験校だったから、まぁそんなモンだろ、と今は思う。
歴史を教わっていたわけではなく、試験問題の答えとなるネタを覚えさせてもらった、というだけだ。
そんな風に詰め込んだものは、点でしかない。
どんなに大量に詰め込もうが点は点でしかない。
点でしかないものは早晩見つからなくなる、つまり忘れていく。
だが、まれにピカリ…と光る点がある。気になる。知りたいと思うようになる。
それならばとそれについて書かれた物を読む。歴史書であったり、物語であったり、いろいろ読んでみる。
そうすると、点であったものの景色が見えるようになる。
景色が見えるようになると、散らばっていたほかの点の一つと繋がったりする。
次第に点が面になっていく。面はさらに新たな点と繋がって広がっていき、頭の中に残るようになる。
頭の中にきちんと残るものが知識なのかもしれない。
さらに歴史って深いなぁ、広いなぁ、大きいなぁ、面白いなぁと思うようになる。
そんな風に、点を面に広げることで私は歴史物好きになったのだと思う。
コメント
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