アンサンブル・ド・ミューズ バレエ

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

理屈…♪

2014-08-25 11:47:25 | Weblog
《アンチエイジング・レッスン》のクラスに参加するといって出かけました、とミクちゃんのママからメールがあった。
それと入れ違いになるようにミスターМからも、仕事のためお休みするというメールが入った。
ってぇことは、ミクちゃんのためのパーソナル・レッスンができるじゃな~い
バー・レッスンからセンター・レッスンへというスタンダードなレッスンではない、現在の彼女に必要なレッスンをしてあげよう
「こんにちはぁ
相変わらず好い笑顔だねぇ。
一緒にレッスンするのは2か月ぶりだね。
では仰向けになって腹式呼吸、腿や腰回りのストレッチ。
片脚をターン・アウトしてもう片脚の膝にかけ、腿を引き上げるストレッチ。
ちちち…
ん?どした?
「おしりが、ぴきぴきする…」
あぁ、なるほど。ちょっと固くなってるのね。
もともと柔軟性の高い身体であってもオーヴァーユースになってたり、長い間クールダウンが不十分なままだと疲労の蓄積で固くなるよ。
つぎ。仰向けに寝たままでバットマン・タンジュ。爪先ポイントとフレックスを交互に。
こなふうに仰向けに寝て練習するときは、動作脚と骨盤の関係、お腹とくに腹筋にもしっかり注意を向けられる。
では、デヴロッペ。
まず両膝を曲げて爪先を伸ばしたら膝を左右に開く。
そのポジシオンから片脚ずつデヴロッペ→ドゥミ・ロン・ドゥ・アン・ドゥダーン→アン・ドゥオール→もとのポジシオン。
動作脚の動きにつられて骨盤が動作脚の方に傾いてこないように気を付けましょう。
立った状態でデヴロッペなど高く脚を上げる動きをすると、動作脚の高さに関係なく骨盤が傾いたり背骨が捻じれたりすることがある。だから仰向けに寝てトルソーを動かせない状態のときに、骨盤と脚の関係をきちんと理解しておくといいのよ。
さて、腹斜筋強化のエクササイズをしましょう。
近頃よく《体幹》ていう言葉を聞くでしょう。
体幹、つまり腕・脚・頭を除いた胴体のことね。
その体幹がしっかりしていないと美しい動きを構成出来ないだけでなく、腰に負担を掛ける原因にもなる。
「ねぇ、トルソーの上の部分は肋骨が覆って守ってるわよね。下の部分には骨盤があって支えてる。じゃ、その中間の部分は?」
「…あ、何もない…」
「そうね、だからその部分は腹筋で支えて守るの。とくに腹斜筋が大事」
ではいきますよぉ。
まずしっかりお腹を窪ませたら両膝を上げて腿は床に対して垂直に、膝下は床に対して水平に。
4カウントで左に倒す→4カウント静止→4カウントで息を吸って元の位置に→4カウントで右に→4カウント静止→4カウントで息を吸ってもとの位置に
脚の重さをしっかりお腹で支えましょう。
脚の動きにつられてころん と落ちないように気を付けましょう。
腹斜筋のエクササイズのあとは腹横筋強化のエクササイズ、体幹のバランス力強化のエクササイズ。
じゃ、バーに掴まって、脚と体幹の関係をチェックしてみよう。
まず1番ポジシオンで立ちます(このときのトルソーの形をよく覚えておいてね)→右脚ポワン・タンジュ・ア・ラ・スゴンド。ここからゆっくりルルヴェ・ラン、脚を上げていきます。
脚が上がるにつれて、軸脚側に骨盤が逃げていない?
「…ふっ…
「ほら、こんな風に…。まず90度でしっかり骨盤を支えて脚を支える…」
と見本を見せる。
「…ん~…
お、ちょっとずつ真っ直ぐに整ってきてるわよ
あのね、《椎間板》っていうとどうしても腰のことだけイメージしがちだけど、実際には脊柱を形成する骨の間には全部、《椎間板》が挟まってるの。だからそれぞれの椎間板に無理な圧力、不自然な圧力がかからないようにコントロールすることが大事なのよ。
90度以上に脚を上げていくと必然的に骨盤は傾斜するんだけど、だからこそ、腰椎以外の骨や椎間板が安定しているように気をつけないとね
「はい
では最後に、プリエで“バネを貯める”ってどういうことか、それを感じる練習をしましょう
右脚にトンベ→2→3→ →2→3→ 左脚にトンベ→2→3→ →2→3→…………
トンベしたら片脚でドゥミ・プリエ。
次のトンベをする前に大きくトルソーを引き上げる。
この動きで大事なのはトンベからドゥミ・プリエにはいるときに1カウントでポン とドゥミ・プリエすること、そして脱力しないこと。
さらに、プリエを下に押しても上に向かって押し返す力を感じること。
もう一つ、トルソーは常に真っ直ぐな状態に支えておくこと。
一つ一つ声を掛けながら繰り返していくうちに、ミクちゃんの動きに“ふわっと浮くものが見えるようになった。
うん、よしよし
「ねぇ、私たちはグラン・ジャンプを跳ばなければらないでしょう?そのために大事なのがプリエだけど、ただ下向きに押さえるだけがプリエじゃないの。抑えるのと同時に押し返してくる力を持ってないとね。そうでないと無理に脚だけ広げようとして腰に負担をかけることになるの。押し返す力があれば、プリエでバネを貯める力と押し返す力が最高点に達したときにその反発力でう と跳べる」
「はい
普段のレッスンではなかなか時間をとって説明してあげられないようなポイントをピックアップしたレッスンになりました。
ひたすらにアンシェヌマンを繰り返すことも大事だけれど、こういう理屈を理解することも大事だと思うのです
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする