『本所おけら長屋 <19>』 畠山健二著 PHP文芸文庫
文庫本の新刊案内で9月28日に発売という情報を得てから、改めてシリーズ第1作目から読みなおし準備万端整えて待ってました
おけら長屋の面々、万造さんと松吉さんの万松コンビも島田鉄斎さんもお染さんも、みんな元気で騒々しく暮らしています
島田鉄斎さんもすっかりおけら長屋の住人らしくなって、頼まれずとも一役買ったり片棒を担いだりしていて、今回は女金貸しに扮したお染さんの用心棒役を演じたりもしてるんです、鉄斎&お染ペアって何をやってもサマになります…というかお染さんが役者なのかな。
まぁ万松コンビはいつでも大活躍ですが、今回はある鬼姑を懲らしめようと一芝居打つシーンがありまして、万造さんが閻魔大王役、松吉さんがその配下役、さらにはお染さんが弁天さまで加わるという、上手い落語の1シーンのような場面もありますよ
そしてこのシリーズ19作目の大目玉は松吉さん&お栄ちゃんカップルがついに祝言を上げる運びとなるってところでしょう
お栄ちゃんは、シリーズ6の第4話で八五郎&お里夫婦の一人娘お糸ちゃんが嫁ぐときにお染さんが縫い上げた振袖をお糸ちゃんから借りて着るんですが、そういうことならとちょっとお先っ走りの想像をしちゃいました…万造さん&お満さんが祝言をあげるときにはお満さんも同じ振袖を借りるのかなってね
今回は万松の悪友の一人、半次さんが主人公のちょいと切ないお話もありますし、左官の八五郎さんは相変わらずの向こう見ずでお先っ走りですけど、今回はそれが功を奏しての悲しいけれども暖かいお話もあります。
シリーズ20作目が楽しみですが、それは来年だねぇ