アンサンブル・ド・ミューズ バレエ

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

『粋な色野暮な色 江戸彩り見立て帖』…♪

2023-09-08 10:59:55 | Weblog
シリーズ3作目、前作『朱に交われば』に引き続き、呉服屋塚田屋の右近さんと色見立て役のお彩さんは流行り色を生み出そうと奔走しています。

              

『粋な色野暮な色 江戸彩り見立て帖 坂井希久子著 文春文庫
流行り色と言っても、もとからある湊鼠深川鼠と銘打って売り出そうというところまでは決まっているのですが、それをどうやって当代の人気色・流行り色にするかってっことなんですけど、まぁそのお話の顛末はさておき…。
呉服屋での色見立て役つまり今風にいえばカラーコーディネーターというのは目新しいし、お話自体はまぁ面白いんですけど、何といえばいいんでしょうかねぇ、主人公お彩さんが今一つ食い足りないというか感情移入しづらいというか…
同じく主人公である右近さんもね、まぁ悪くはないんだけどって程度で贔屓するまでには至らない…
んじゃ、何故読んでるのかというと、たまぁ~に登場する塚田屋江戸店の主である苅安さんがちょいと気になるから…。
苅安さんは右近さんの異母兄で京都に本店のある塚田屋の次男として江戸店を任されているんですけど、店の事はすべて右近さんに丸投げして自分は吉原に入りびたり、散財の尻ぬぐいは内儀にさせるというとんでもない奴で…、この苅安さんがここぞ!というときになぜかお彩さんの側に現れるの、そして無理難題を吹っ掛けるんだけど、これが逆にお彩さんにとって功を奏することになるんですよね。
こう、偽悪的に振舞っているし斜に構えてもいるんだけど、実は一番才があってみる目もあるのはこの人なんじゃないかって気がするのよね。
苅安さんの放蕩は思うところあってのことなんじゃないかって思いますが…。
コメント
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