アンサンブル・ド・ミューズ ニュースレター

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

カッコいい若者…♪

2011-09-27 09:45:56 | Weblog
7月中旬からマンションの補修工事が進められています。
外壁の傷んだタイルを張りなおしたり、外壁全体を高圧洗浄したり、防水や塗装を新たにしたり…。
現在はバルコニーの防水のための作業をしています。
私の住んでいる部屋のバルコニーでも、先日2人の若者が表れて
「よいさっ」
っとエアコンの室外機を持ち上げて外周の足場の上に移し、一人がほうきを手に掃除を始めました。
室外機の下になっていて日頃、私の手が届かなかった所など丁寧にこすったりしながら掃いてくれているようでした。どうやら私のところを皮切りに隣へ、またその隣へと掃除をしていくらしい。
そして、10代の若者らしい軽いおしゃべりなどもしながら掃除をしていた若者にまた一人、若い声が加わりました。
携帯電話で彼女と話しているようです。
どうやら彼女がシートベルト不着用で“ねずみとり”にひっかかり切符を切られてしまったらしい。そのことについて若者はいろいろ彼女に説明したあと
「けどお前、事故だけは気をつけろよ
と一言。爽やかで優しい響きでした。
もちろん片手では携帯電話を持ちながら、片手では箒をもって掃き掃除の仕上げと点検をしているようです。
この若者は一人前の職人で、先に表れて掃除をした二人は新入りで彼の手下らしい。
つまり彼は現場で新入りに実地指導をしているということでしょう。
「お前ら…、お前らの掃除はやり方が甘ぇんだよ」
「泥とか固まっちゃって落ちねぇトコとかあって…」
「俺ぁ取れねぇものを取れつってんじゃねえよ、取れるものを取り残すなっつってんのっ」
(ごもっとも様でございます…=私の心のなか。
「うっす」
「いいかぁ、ちっちぇぇチリ一つだって残ってっと仕上がりがキレイじゃなくなんだよ 掃除が大事なんだ お前らは掃除が甘い
「っす」
レースのカーテン越しだから顔や姿ははっきり見えないんだけど、なぁんかカッコ好いなぁ。
そして昨日の朝9時過ぎ。キッチンで洗い物をしていたら窓をコツコツ叩く音がする。
そうか、外からは見えない加工がしてあるレースのカーテンだから、手下1には私が振り向いてることが見えないらしく叩き続けている。
用件はわかっている。バルコニーに洗濯物を干してあるから取り込んでくれっていうのね。
窓を開けると
「っす。作業するんで、洗濯物をよごしちゃうといけないんでぇ…」
「はい、すぐに入れるね」
「ありゃぁたぁす」
そこに、
「おはようございます
一斗缶を下げた職人の若者がやってきた。
前髪を金と黒に染め分けたボサボサ頭もなんとなく様になっている彼は、なかなかカッコ良く作業着を着こなしている。
私が洗濯物を取り込み窓を閉めカーテンを引いてしまうと、彼はバルコニーに塗料を塗り始めた。
塗りながら手下の二人に説明をし、また塗っては説明、塗っては説明を繰り返して私のところの作業を終えた。
次は隣である。どうやら手下1が塗るらしい。若者はバルコニーの手すりの上に座ってときどき指示を与えたり注意をしたりしている。
さらにその隣に移動していくとき、若者の足元が見えた。
なぁんとっ、白の地下足袋を履いているではないか
大工さんでも左官屋さんでも鳶職でも、地下足袋は大抵濃紺か黒である。汚れても目立たない色の地下足袋ってのが普通だ。
それが真っ白の地下足袋を履いてるなんてね。2~3人の手下を抱える1人前の職人としての、彼なりのおしゃれなんだろうなぁ。
そういえば彼ひとりだけ作務衣みたいな作業着を着ているのよね。
手下の若者たちは黒や紺の鳶職の作業着を着ていて、それがまだまだ板に付かないって感じだけど、職人の彼は作務衣に白足袋が板に付いている。
作業は素早いし身のこなしは軽快、そして説明は丁寧だが簡潔。
細ぉ~くした眉毛でニカっ と笑う10代の手下たちと20代の職人の彼。
それほど年齢差は無いだろうに、“一人前”“ペーペー”ではこんなに存在感に差があるんだなと感じた。
迫力の差なのか、自信の差なのか、腹の座り方が違うのか。
そして思った。
たいして頭が良いわけでもないのにガリ勉するしか能がなくて他者に対する思いやりも希薄でツブシの利かないヤツより、思いやりがあって爽やかで自信を持って自分の仕事をしている“ガテン”な若者のほうが遥かに素敵だよね。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« おに…? | トップ | きちんと食べていますよ…♪ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事