「やあ、アンジー、元気かい」
「マリオ・・・最悪よ」
「どうしたんだい?」
「アメリカがドイツの金を返してくれないのよ」
「それは難しいだろう、アメリカだって金は手放したくない」
「3年もかけて150トンしか返さないって言うのよ、やつら・・。」
「そりゃ酷い」
「でも、還えってきた金だって安心は出来ないわ。ニセモノかも知れないし」
「それは、1本1本調べる以外方法は無いな。最近は巷の金もタングステンに金メッキだし」
「噛んだりしたら、歯が折れるわね・・。」
「ところでマリオ、次のギリシャ救済はいつ?」
「もうそろそろかな?」
「早くしてね。ウチもだんだん厳しくなってるから」
「ああ、催促しとくよ」
「まったくウチの議会は頭が固いのよ。緊縮財政なんて。」
「それを君が言ったらオシマイじゃないか」
「でも、銀行はそろそろ腹を空かせて倒れそうよ」
「じゃあ、そろそろギリシャにユーロを蒔きに行くとするか」
「助かるわ。ギリシャに蒔いたユーロは、必ずドイツに流れてくるから」
「まったくだ。ユーロは便利だよ」
「そういえばアンジー、ベンがそろそろ辞めたいって言っているらしいね」
「量的緩和もそろそろ限界かしらね」
「ボクは楽で好きだけどね。適当に焦らせておいて、後はユーロをばら撒くだけ。実に簡単さ」
「でも、そろそろ皆んなカラクリに気付くはずよ。お金は銀行に滞留したままだもの」
「だからインフレが防げるんじゃないか」
「そう簡単じゃないわ。市場も不安定になっているわ」
「イタリアじゃ普通だよ」
「でも、ドイツは違うわ。国民は金を取り返せてって騒いでるわ」
「金ならギリシャにどっさり埋まっているじゃないか・・・」
「まあ、借金の形には、最適だわ」