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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

日本初、女性首相誕生!?・・・政治の風向きは変わりやすい

2012-11-29 17:19:00 | 時事/金融危機
 





選挙で重要な点は「有権者の半分が女性である」事です。





「おい、選挙行くぞ」

「あら、私、どこに入れるか決めて無いわ」

「今回の選挙は大事だから、じっくりと考えて投票しろ。」

「そうね、原発問題は大事だわよね。」

「オイ、お前まさか、未来の党なんて言うんじゃないだろうな」

「あら、だって原発を無くしてくれるのよ。あなただって原発は要らないって言ってるじゃない」

「そりゃそうだが、あそこは小沢の党だぞ・・・・。」

「でも、嘉田さんってステキじゃない。女性議員も多いし」

「そんな事で投票するのか?」

「お隣の奥さんだって、未来の党がいいって言ってたわよ。」

「しかし、反原発で寄り集まっただけだろう、あそこは」

「いいえ、TPPにも反対だし、消費税にも反対だわ」

「何にでも反対って言えば良い訳ないだろう。無責任だ!!」

「でも、あなただってTPPはケシカラン! 消費税増税なんてもっての他って言ってたじゃない」

「それは原則論であって、それよりも日本の経済の方が大事だろう」

「じゃあ、自民党だったら経済は回復するの?」

「ああ、多分な・・・」

「でも、赤字がふえちゃうんでしょう?赤字ってダメなんでしょう?」

「そりゃ、赤字は少ない方がいい・・・。だけど・・・・」

「それに、自衛隊を軍隊だなんて、何だか戦争になりそうでイヤだわ。」

「それは、呼び方だけの問題だろう」

「でも、中国が攻めてきたら怖いわ。だって人がイッパイ居るから、日本人じゃ敵わないわよ。」

「自衛隊の近代装備に比べたら、中国軍なんてポンコツさ」

「あら、この間、空母から戦闘機が飛び立つ所をTVでやってたわよ。空母なんて日本持ってないじゃない」

「あんなハリボテ・・・。」

「それにね、私、韓国のドラマが少なくなって昼間ツマラナイのよ。」

「当たり前だろう。日本のTVに韓国人ばっか出てくる方がオカシイだろう!!」

「でも、日本のドラマより全然面白いのよ。日本のドラマって若い人向けでしょう。」

「だからって韓流を見る事ないだろう。水戸黄門でも見てればいい」

「あら、あれ終わっちゃったわよ」

「ほら、あれだ、渡る世間は何とかってやつもあるじゃないか」

「いやよ、だっていつも同じで飽きちゃったわ。泉ピン子嫌いだし」

「だいたいTVばっか見てるから、まともに政治も分からないんだ」

「ワイドショーで毎日見てるわよ!!」

「じゃあ、未来の党が小沢新党だってことぐらい分かるだろう」

「でも、もしかしたら日本初の女性首相誕生かもしれないわ。私、応援しちゃう」

「・・・・」




「日本未来の党」なるものが突然出現して驚きました。
小沢さんは、本当に選挙が上手い。

「国民の生活が第一」って小沢さんのダーティーなイメージをひきずっていたし、
民主党の小沢派以外の何ものでも無い感じでイマイチでした。
だいいち、名前が悪かった。センス0。

そこに行くと、党首を女性にして、
「日本未来の党」というシンプルだけどスマートな党名にしたのは大正解。

「土井社会党」の新鮮さと、「日本新党」の合わせ技は、
新し物好きの日本人には意外に受けが良いかもしれません。

まして、「反原発」「反消費税」「反TPP]というのは女性にも分かり易く、
まさに大衆迎合を地で行く政党です。


小沢氏は、政治家が国民を先導する時代が終わり、
国民がTVに扇動されて、政党を選んでしまう時代になった事に自覚的です。
だから、TVに嫌われる自分が看板では選挙を戦えないと判断したのでしょう。

結果的に出来上がったのは、何か勢いのある時の社会党を彷彿とさせる政党。

松下政経塾にジャックされて、すっかり自民党よりもアメリカの犬になってしまった民主党よりも
労働組合もシンパシーを感じるのでは無いでしょうか?

今後、民主党のリベラル勢力が「日本未来の党」に合流する事になれば、
沈没する船から逃げ出すネズミの様に民主党から離党する議員が増えるかも知れません。

民主党の右派の議員は、政策的には自民党と差が無いので、
選挙の結果如何では、自民・公明・民主の連立内閣もありえます。

一方で、「日本未来の党」が”何かの間違い”で大躍進した場合、
政策的には公明党と協調し易く、民主がここにくっ付けば、
初の女性首相の誕生も有り得なくは無いでしょう。


選挙の風は、一瞬で方向が変わります。

安倍氏の威勢の良い発言で自民党に向いていた今回の風ですが、
「反原発」「反消費税」は女性から絶大な支持を受けそうです。

「原発即刻廃止」の明確なビジョンが示せれば、風が一気に変わるかも知れません。



世の中、「正しい事」が評価される訳ではありません。
「間違った事」が支持を受ける事の方がむしろ多いのかもしれません。

今回は男性票が「自民」に流れ、女性票が「日本未来の党」に流れそうです。

「日本未来の党」は、選挙組織を持っていませんから、
草の根的な支持が高まらなければ、それ程票を伸ばさないかも知れませんが、
既に、「反原発」はある程度市民の間で組織化されており、
これをベースに選挙活動が繰り広げられることでしょう。

お母さん達の「反原発」への思いは強いものがあり、
手弁当で、選挙活動を支えた時には、奇跡が起きるかも知れません。



有権者の半分が女性である事を、既存政党の政治家たちは、あなどってはいけないのです。



・・・ただ、女性看板の後ろに蠢くのは、小沢氏、亀井氏・・これに鳩山氏が加われば、
あれ、これって看板を付け替えただけの民主党じゃない?


「子供手当」ても飛び出して、はたして柳の下に2匹目のドジョウは居るのでしょうか?



<追記>

拍手コメント欄で教えていただきましたが、
嘉田さんっては衆議院に立候補されないみたいなので、
直ぐに首相になる事は出来ないみたいですね。

今回の選挙後に又ゴタゴタがあって、
自民、民主ともに集散離合をある程度繰り返した後、
不信任案可決、総選挙、日本未来の党の大躍進から、
連立、首相へという目論みなのかなとも・・・。まあ、いつもの妄想です。

何れにしても、今回の突然の解散は野田さんの完全な作戦勝ちですね。
いわゆる第三局は完全に体性が整う前に選挙になってしまいました。

自民は組織がしっかりしているので、
安倍発言もあってかなり浮遊票も取り込むのではないでしょうか。

個人的には、ダラダラとした延命も好きでは無いので、
自民がパーーーーと国債を大増刷するのも有りかなと思っています。
経済論争の結論というのを見てみたいですし・・・。

はたして、市場はどう反応するのか、興味津々ではありますが、
日銀もそれなりに手ごわいので、
政府と日銀の大論争などいというのも見てみたい。

「お前は、もう死んでいる」・・・そう言われなければ気付かない世界

2012-11-29 09:54:00 | 時事/金融危機
 





■ 正反対の勢力が相乗りするリフレ論 ■

安倍総裁の発言があってから、リフレ派が勢いを取り戻しています。

しかし、リフレ派とひと括りにされがちですが、
正反対の勢力が相乗りしている事に注意が必要です。

1)高橋洋一を筆頭にする、構造改革派/上げ潮派
2)三橋貴明を筆頭にする、日本型社会主義派

この二者の目的は正反対ですが、何故かリフレ政策で相乗りしています。

■ 構造改革派/上げ潮派は、小泉改革の総仕上げを目指す ■

高橋洋一氏の主張は次の通りです。

1)政府紙幣50兆円を国民に配れ
2)40兆円の需給ギャップが存在するのだからハイパーインフレにはならない
3)構造改革を推進しろ

民間の資金需要が極端に不足する状況での日銀の資金供給は、
「流動性の罠」によって、景気を刺激する事が出来ません。
この点を理解している高橋氏は、直接国民にお金を配れと主張しています。

日銀がこの様な政策に合意する訳が無いので、
彼は「政府紙幣」を発行して政府が直接配れば良いと主張しています。

需給GAPは40兆円あるのだから、50兆円くらいばら撒いて
強引に景気を刺激すれば、デフレなんてたちどころに解決すると主張しています。

ここでミソなんが、バラマクのが円では無く、政府紙幣だという事。
政府紙幣は国際的信用は皆無なので、国内でしか流通しません。
ですから、資産の海外流出が起こり難いと考えられ、
効率的に景気刺激が可能となる訳です。

■ 財政出動に主眼を置く三橋貴明氏 ■

一方、三橋貴明氏の主張は、財政出動に主眼を置いています。

1)誰かの借金は、誰かの資産
2)国の借金(国債)は、国民の資産
3)民間の資金需要が不足する時は、政府部門が借金をして資金需要を生むべき
4)国債を増刷して公共事業を拡大しても、景気回復による税収増で財政バランスは保たれる

概ね、この様な主張をしています。
安倍総裁の発表した景気刺激策は、三橋氏の主張とほぼ合致します。
自民党支持者の多くが、三橋氏の主張に共感します。

■ 池田信夫の主張 ■

この両者を批判するのが池田信夫氏です。
逆に両者の批判の槍玉にあげられています。

本日の池田氏のブログでは、「潜在GDP」という言葉が出てきました。

需給ギャップ = 潜在GDP - 現実のGDP

GDPギャップとは、「需要と供給力の差」と解釈されてる方も多いでしょう。
供給力に対して、需要が少ないからデフレになる。
だから、需要を作り出してあげればGDPは拡大し、デフレは解消する。

これが、高橋洋一氏と三橋貴明氏に共通する論点です。

ところがデフレの原因は「需給ギャップ」では無く「GDPギャップ」だとするのが
ニューケイジアンの常識なんだという事です。

1)財政出動や通貨増刷でどんなに需要を喚起しても需要は潜在GDP以上には拡大しない

2)過剰に需要を喚起しても、結局潜在GDPのレベルまで、需要はいずれ縮小する。


実際にバブル崩壊以降、日銀は世界で始めての量的緩和に踏み切りましたし、
自民党政権は度重なる公共事業の拡大を行いました。

しかし、景気は一時上昇する気配を見せましたが、
緩和量を縮小したり、財政支出が減ると、一気に経済は縮小してしまいました。

高橋氏や三橋氏の主張は、これらの緩和や財政出動の規模が小さすぎたという事になります。

■ アメリカや中国が回答を与えてくれる ■

この論争の決着はアメリカや中国が回答を与えてくれるはずです。

アメリカの政策は、ドルの大量発行です。
高橋洋一氏は、バーナンキに師事していましたから
バーナンキの政策の結果が、高橋氏の主張の結果となります。

アメリカは財政の上限が議会で決められていますから、
無節操に公共事業を拡大する事が出来ません。
ですから、通貨政策で景気を刺激しています。

これは、規模こそ異なりますが、日銀が歩んできた道です。
日本では流動性の罠で失敗しましたが、
金融市場で資産運用をするアメリカ人にとって、
金融市場の回復は実体経済の回復に大きく寄与します。
だから、バーナンキはQEでドルを気前良く金融市場に供給しつづけています。

1)アメリカはどうやら無限にQEを繰り返すしか生き残れない
2)住宅市場に回復の兆しがあるというが、低金利を利用し投資目的の集合住宅が増えているだけ


あれあれ、何だか上手くいっていません。
何故なら、金融市場の抱える負債が天文学的な規模な為、
QEによって供給された資金は、借金の返済に消えてしまうのです。
結局、安い金利で借り換えを繰り返すだけで、負債が消滅するわけではありません。

資金供給が途絶えた途端に、米国債金利に上昇圧力が掛かり、
さらには株価が下がり始めます。
その度に、FRBがドルを刷りまくります。

QE2までは、上限を決めていましたが、
とうとうQE3は景気回復まで無期限にドルを刷り続けてMBSを買い続ける事になりました。
さらに、米国債の金利が上がり始めれば、ツイストオペも復活して、
FRBが市場から長期国債を買上げて、長期金利を強引に押し下げ、住宅市場の回復を図るでしょう。

これで、アメリカの住宅市場が回復しなれば、アウトです。

■ 中国は自民党の政策の未来の姿 ■

一方中国は、リーマンショック以降、元を大増刷して景気を支えました。

国内の金融機関から、企業に大量に資金を供給し続けました。
この弊害は、住宅バブルとなって現れます。

地方政府も大規模開発を、日本の第三セクターの様な方式で進めました。
需要を無視して、地方政府が郊外に新しい都市を作ったのです。
この資金は、借金によって賄われました。

現在、中国の地方ではほぼゴーストタウンの様な新市街が出現しています。
人の住んでいない高層住宅群や人気の無い大型ショッピングモールが話題となっています。

さらに、世界的な不景気による需要低下が中国の製造業を襲っています。
温州は沿岸部の軽工業都市ですが、工場に閉鎖に歯止めが掛かりません。
経営者の夜逃げや自殺が多発し、不払いの給与を求めて1000人規模のデモが発生しています。

中国はヨーロッパ向けの輸出が多かったので、
ユーロ危機によるヨーロッパの需要の低下が、ダイレクトに中国経済に影響を与えています。

中国の企業の多くは国営企業ですから、
銀行は政府の信用力をあてにして無謀な融資を繰り返しました。
採算性が無視された投資は、公共事業そのものです。

中国のインフラ整備は、高度成長期の国家では再生産に大きく寄与します。
しかし、需要を無視した民間投資は、巨大な負債しか生み出していません。

自民党と安倍総裁が目指す、200兆円の公共投資は、
地方の土建業者の圧力で、単なるバラマキに終わるでしょう。
これらの公共事業は、一過性の経済効果を生み出しますが、
再生産によって、日本の潜在GDPを押し上げる事は出来ません。

日本全国の海岸で、異様にそそり立った防波堤は、
いつ来るとも知れる津波を待っていますが、をれが100年後か300年後かは分かりません。
コンクリートの構造物の寿命が50年だとすると、
それらの防波堤は、役目を果た事無く、寿命を迎えて朽ち果てます。

あるいは、山間の集落は続く舗装道路は、
人口減少によって破棄された集落に永遠に繋がっている事でしょう。

■ 人口減少で潜在GDPが縮小しないはずが無い ■

三橋貴明氏は、公共事業で需要を喚起すれば、
人口が減少する社会でもGDPは増大すると主張します。

一人当たりの消費が拡大すれば、GDPの総量は増えるのは確かです。

しかし、一家に一台どころか一部屋に1台のTVとエアコンを備え、
地方では、大人は一人1台の自動車を所有しています。
この上、どうやって需要を増やせばよいのでしょうか?

むしろ、「物を持たない事」がスマートと考えられる、
成熟した消費社会に突入した日本では、
ディスカウントストアーですら潰れる時代です。

特に、不景気の時代に生まれた現代の若者は、消費を美徳とは考えていません。
彼らは「もったいない」がDNAに刷り込まれたような世代です。

「車なんて要らない、電車で行けばいいもん。」
「オーディオなんていらない、iPotの方が便利だもん。」
「高い自転車なんて要らない、ママチャリの方がカゴがあって便利。」
「バイト代、ちゃんと貯金しているよ。」
「この服、古着屋で買ったの。安かったよ。」

こいったデフレの申し子の様な現代の若者達は、
消費社会の申し子の我々とは、別の生き物です。

■ 拡大から縮小を前提に政策を立てるべき ■

私は三橋氏とその支持者達の気持は良く分かります。

10年後の事を議論していても、明日の生活が成り立たなければどうしようもないじゃないか。
仕事もお金も今必要なのに、10年後の財政危機を心配してもしょうがないじゃないか。


これは全くもって正論です。

一方、上げ潮派が、三橋派に相乗りするのは恐ろしい。

彼らは明らかに、構造改革の推進によって、
日本の企業を、外資に売り飛ばそうとする勢力です。

言っている事は理解出来ますが、
やり方を間違えると、韓国の二の舞になります。

今まで、官僚と日銀が日本が狩場になる事を阻止してきました。
しかし、自民党が政権を取って、国債を大増刷した瞬間、
外資が国債を売り浴びせて、日本経済崩壊などという事になれば、
IMFが乗り込んできて、韓国が味わったのと同じ苦渋を味わう事になります。

■ 世界は既に死んでいる ■

拡大し過ぎた債券金融システムの負債によって、
「世界は既に死んでいる」というのは、金融業界に居る方の共通した認識でしょう。

現在、世界は中央銀行の無制限の金融緩和で、
人工心臓に繋がれた状態です。

しかし、体の末端から壊死は進行しています。

ヨーロッパはギシシャを筆頭とする南欧諸国から、

アジアは日本で老衰性の緩慢な死が進行し、
韓国は悶死寸前。
中国はいつ発作を起すか分かりません。

オーストラリアやアルゼンチン、ブラジルなどの資源国は急激に経済が悪化し、
アルゼンチンがデフォルト寸前、ブラジルが後を追うかも知れません。

アメリカは「住宅市場の回復」というウソがバレタラ、一気に崩壊します。

そう、世界経済は既に死んでいるのです。
私達に残されているのは、「緩慢な死」か「即死」かの選択肢だけです。


■ 崩壊を前提に資産保全を考える資産家 ■

庶民は、月々の月給が入ってくれば、
その元が会社の銀行からの借り入れだろうが、問題としません。

中小企業の多くが、既に経営破綻していますが、
政府の補助政策によって延命しています。

自民党が政権を取って、財政を拡大すれば一時日本経済は活性化します。
しかし、税収の延びが鈍い事が直ぐに明らかになりますから、
財政の拡大政策は、1年もすれば縮小を余儀なくされます。

それ以前に、自民党が政権を取った時点で、IMFは財政拡大に警鐘を鳴らし、
市場は日本売りで圧力を掛けて来るのは必至です。

そうして、国内の混乱に注意を引かれている間に、
世界的に経済がメルトダウンに向うのが2013年の前半でしょう。

日本でも資産家と呼ばれる人達は、資産保全を済ませています。
いつも、何も知らずに全てを失うのは庶民です。

危機に際しては、「勇ましい事」を言う人が支持されます。
しかし、それは危機の高まりを象徴しているだけであって、
平時に彼らの言動を聞いたらどう思うのか、
もう一度立ち止まる必要があるでしょう。

私は安倍氏の発言に、世間がこれだけ共感する事に、危機感を禁じ得ません。




・・・・ウワー、何か凄くイヤな記事になってしまった・・・。