
選挙で重要な点は「有権者の半分が女性である」事です。
「おい、選挙行くぞ」
「あら、私、どこに入れるか決めて無いわ」
「今回の選挙は大事だから、じっくりと考えて投票しろ。」
「そうね、原発問題は大事だわよね。」
「オイ、お前まさか、未来の党なんて言うんじゃないだろうな」
「あら、だって原発を無くしてくれるのよ。あなただって原発は要らないって言ってるじゃない」
「そりゃそうだが、あそこは小沢の党だぞ・・・・。」
「でも、嘉田さんってステキじゃない。女性議員も多いし」
「そんな事で投票するのか?」
「お隣の奥さんだって、未来の党がいいって言ってたわよ。」
「しかし、反原発で寄り集まっただけだろう、あそこは」
「いいえ、TPPにも反対だし、消費税にも反対だわ」
「何にでも反対って言えば良い訳ないだろう。無責任だ!!」
「でも、あなただってTPPはケシカラン! 消費税増税なんてもっての他って言ってたじゃない」
「それは原則論であって、それよりも日本の経済の方が大事だろう」
「じゃあ、自民党だったら経済は回復するの?」
「ああ、多分な・・・」
「でも、赤字がふえちゃうんでしょう?赤字ってダメなんでしょう?」
「そりゃ、赤字は少ない方がいい・・・。だけど・・・・」
「それに、自衛隊を軍隊だなんて、何だか戦争になりそうでイヤだわ。」
「それは、呼び方だけの問題だろう」
「でも、中国が攻めてきたら怖いわ。だって人がイッパイ居るから、日本人じゃ敵わないわよ。」
「自衛隊の近代装備に比べたら、中国軍なんてポンコツさ」
「あら、この間、空母から戦闘機が飛び立つ所をTVでやってたわよ。空母なんて日本持ってないじゃない」
「あんなハリボテ・・・。」
「それにね、私、韓国のドラマが少なくなって昼間ツマラナイのよ。」
「当たり前だろう。日本のTVに韓国人ばっか出てくる方がオカシイだろう!!」
「でも、日本のドラマより全然面白いのよ。日本のドラマって若い人向けでしょう。」
「だからって韓流を見る事ないだろう。水戸黄門でも見てればいい」
「あら、あれ終わっちゃったわよ」
「ほら、あれだ、渡る世間は何とかってやつもあるじゃないか」
「いやよ、だっていつも同じで飽きちゃったわ。泉ピン子嫌いだし」
「だいたいTVばっか見てるから、まともに政治も分からないんだ」
「ワイドショーで毎日見てるわよ!!」
「じゃあ、未来の党が小沢新党だってことぐらい分かるだろう」
「でも、もしかしたら日本初の女性首相誕生かもしれないわ。私、応援しちゃう」
「・・・・」
「日本未来の党」なるものが突然出現して驚きました。
小沢さんは、本当に選挙が上手い。
「国民の生活が第一」って小沢さんのダーティーなイメージをひきずっていたし、
民主党の小沢派以外の何ものでも無い感じでイマイチでした。
だいいち、名前が悪かった。センス0。
そこに行くと、党首を女性にして、
「日本未来の党」というシンプルだけどスマートな党名にしたのは大正解。
「土井社会党」の新鮮さと、「日本新党」の合わせ技は、
新し物好きの日本人には意外に受けが良いかもしれません。
まして、「反原発」「反消費税」「反TPP]というのは女性にも分かり易く、
まさに大衆迎合を地で行く政党です。
小沢氏は、政治家が国民を先導する時代が終わり、
国民がTVに扇動されて、政党を選んでしまう時代になった事に自覚的です。
だから、TVに嫌われる自分が看板では選挙を戦えないと判断したのでしょう。
結果的に出来上がったのは、何か勢いのある時の社会党を彷彿とさせる政党。
松下政経塾にジャックされて、すっかり自民党よりもアメリカの犬になってしまった民主党よりも
労働組合もシンパシーを感じるのでは無いでしょうか?
今後、民主党のリベラル勢力が「日本未来の党」に合流する事になれば、
沈没する船から逃げ出すネズミの様に民主党から離党する議員が増えるかも知れません。
民主党の右派の議員は、政策的には自民党と差が無いので、
選挙の結果如何では、自民・公明・民主の連立内閣もありえます。
一方で、「日本未来の党」が”何かの間違い”で大躍進した場合、
政策的には公明党と協調し易く、民主がここにくっ付けば、
初の女性首相の誕生も有り得なくは無いでしょう。
選挙の風は、一瞬で方向が変わります。
安倍氏の威勢の良い発言で自民党に向いていた今回の風ですが、
「反原発」「反消費税」は女性から絶大な支持を受けそうです。
「原発即刻廃止」の明確なビジョンが示せれば、風が一気に変わるかも知れません。
世の中、「正しい事」が評価される訳ではありません。
「間違った事」が支持を受ける事の方がむしろ多いのかもしれません。
今回は男性票が「自民」に流れ、女性票が「日本未来の党」に流れそうです。
「日本未来の党」は、選挙組織を持っていませんから、
草の根的な支持が高まらなければ、それ程票を伸ばさないかも知れませんが、
既に、「反原発」はある程度市民の間で組織化されており、
これをベースに選挙活動が繰り広げられることでしょう。
お母さん達の「反原発」への思いは強いものがあり、
手弁当で、選挙活動を支えた時には、奇跡が起きるかも知れません。
有権者の半分が女性である事を、既存政党の政治家たちは、あなどってはいけないのです。
・・・ただ、女性看板の後ろに蠢くのは、小沢氏、亀井氏・・これに鳩山氏が加われば、
あれ、これって看板を付け替えただけの民主党じゃない?
「子供手当」ても飛び出して、はたして柳の下に2匹目のドジョウは居るのでしょうか?
<追記>
拍手コメント欄で教えていただきましたが、
嘉田さんっては衆議院に立候補されないみたいなので、
直ぐに首相になる事は出来ないみたいですね。
今回の選挙後に又ゴタゴタがあって、
自民、民主ともに集散離合をある程度繰り返した後、
不信任案可決、総選挙、日本未来の党の大躍進から、
連立、首相へという目論みなのかなとも・・・。まあ、いつもの妄想です。
何れにしても、今回の突然の解散は野田さんの完全な作戦勝ちですね。
いわゆる第三局は完全に体性が整う前に選挙になってしまいました。
自民は組織がしっかりしているので、
安倍発言もあってかなり浮遊票も取り込むのではないでしょうか。
個人的には、ダラダラとした延命も好きでは無いので、
自民がパーーーーと国債を大増刷するのも有りかなと思っています。
経済論争の結論というのを見てみたいですし・・・。
はたして、市場はどう反応するのか、興味津々ではありますが、
日銀もそれなりに手ごわいので、
政府と日銀の大論争などいというのも見てみたい。