■ 突然の解散? ■
野田首相がいきなり16日解散を発表して世間を驚かせています。
しかし、「陰謀論」或いは、「共同謀議論」を肯定するならば、
この時期の解散は、計画されたものだと考えられます。
一般のメディアは、第三勢力の台頭前に選挙を行う事で、
自公民の議席の減少を最小限に防ぐ為だとか、
小沢一郎氏の高裁の無罪判決を受けて解散せざるを得なかったなどと評論しています。
しかし、竹島、尖閣問題からの流れを見ていると、
これが突然の解散であるとは、どうしても思えません。
石原新党と維新の会の共闘が既成事実の様に伝えられていますが、
彼らが政権を取る事があるならば、日本の自主防衛に道が開かれるはずです。
自民党は従来通り対米従属を望む政党です。
一方。民主党は本来、アメリカと距離を取っていました。
その民主党から、小沢グループが離脱する事で、
党内に残るのは松下政経塾出身の対米従属派と、
旧、社会党、民社党系の従来の対米強硬派です。
尤も、左翼のイデオロギーは利害でコロコロと変化するので、
民主党執行部は、概ね対米従属はに支配されているのでしょう。
ですから、小沢氏の同調するグループが民主党から抜けると次の様な勢力図が出現します。
1)自民と民主という対米従属政党
2)石原新党と維新の会という、アメリカに操られる政党
3)小沢新党(国民の生活が第一)というアメリカと距離を置いている様に見える政党
4)公明という政局によてコロコロと政治的立ち位置を変える政党
日本の政治地図の変革が何を目的にしているのかを読む事によって、
今回の解散も目的も自ずと明確化してきます。
■ アメリカの利害で考えれば良いだけ ■
今回の突然の解散を、アメリカの利害で考察すれば、
だいたい、今後の政治の流れが読めるでしょう。
1)解散発表に先駆けて、野田首相はTPPへの協議参加を明確にしている
2)自公民は消費税増税を推進したので選挙には不利である
上記2点を有権者が重視したならば、票は第三極と呼ばれだした勢力に流れます。
小沢氏は民主党を割っていますので、民主党に小沢集票マシンの効果は期待出来ません。
一方、「国民の生活が第一」は、小沢チルドレンと呼ばれる実績の無い議員ばかりですから、
労組の集票力無くしては、当選はままならないでしょう。
今回、民主党への反発で自民党はそこそこ勢力も盛り返すと思われます。
自民党は対米従属の甚だしい政党ですが、
結党時の目的は、自主憲法の成立と、防衛的な日本の自立です。
この目的は、維新の会や、石原新党と実は共通しています。
結局、この時期に選挙を行った結果は、
民主党の票が、自民党と第三勢力に流れる事を意味します。
彼らは、日本の自主防衛において、それ程意見を違えてはいません。
■ 軍事費が財政を圧迫する米国 ■
財政難の米国では、米軍の海外駐留が維持出来なくなっています。
一方で、アメリカの軍事産業は米軍の縮小の穴埋めを模索しています。
そうして目をつけたのが日本だったのでしょいう。
日中の緊張が高まる中で、在日米軍が縮小されれば、
日本は一気に自主防衛に舵を切らざるを得ません。
自民党が民主党では無く、第3勢力を手を結ぶ事があるならば、
日本の防衛の枠組みは、大きく変化する可能性があります。
そう考えると、今回の解散は、民主党の自滅戦略と捉える事も出来ます。
「歴史が作られるもの」であるならば、野田総理による今回の解散も
必ずしも民主党の為の解散では無い可能性があります。
どうも、民主党内の圧力を押し切って野田首相が解散を発表した裏には、
アメリカの姿が、チラチラと見え隠れします。
■ イスラエルとガザ地区の緊張激化 ■
一方世界に目を転じれば、
やはり年末を前にしてイスラエルとハマスの緊張が高まっています。
イスラエルは国益に反して、ハマスの軍事的指導者を暗殺しました。
これにより、イスラエルとハマスの対立が激化する事は回避不可能となるでしょう。
これが有事のドル買いの圧力になって、
来年年明けまで、ドルを支援するのか、
それとも、本当にイスラエルがドンパチ始めるのかは、
もう少し経過を見る必要があります。
■ 世界のタガが意図的に外れてきている ■
いずれにしても、世界のタガが意図的に外されてきている様です。
歴史が「作られる物」とするならば、
まさに現在、次の歴史の仕込みが進んでいるのかも知れません。