■ 2年で自転車はこんなにもボロボロになるものなのか・・・ ■
上の写真は2年前に息子の就職祝に買ってあげた自転車です。通勤で毎日乗るので究極のママチャリを作ろうと、FELTのシングルスピードのDispatchという車種に、28Cのタイヤを無理やり履かせ、前後泥除けも付けました。
何故ギアー無しを選んだかと言えば、息子が自転車の整備などするとは思えないから。雨ざらしになるであろう自転車にギアーが付いていても故障が増えるだけですから。
スポーツ車はママチャリとは違いデリケートなので、1年に1回は自転車屋さんに点検整備してもらえと厳命しましたが、結局は故障した時に持ち込んで直してもらっていた様です。
先日、息子のアパートを久ぶりに尋ねると、玄関に見るも無残な姿になった自転車が駐めてありました。片側のペダルは踏面が半分無くなっており、チェーンも伸び伸びで垂れ下がっています。普通は外れる事の無いシングル車のチェーンが、たまに外れるというのですから相当なものです。
試しに乗ってみると、ギコ!ガコ!ガコとあらゆる所からヤバーーーイ音しています。さらにブレーキのゴム(シュー)は硬化しています。
あわてて自転車屋さんに持ちこんで整備出来るか聞いてみましたが・・・・「お客さん、これ直したら新しいのが1台買えちゃいますよ」と言われた。だよねーーー。
「じゃあ、5万円位で丈夫なスポーツ車ってあるかな、出来ればシングルギアーで?」と聞いてみたところ、店員はボロボロの自転車を悲しそうに見つめながら。「整備しない方はスポーツ車には乗られない方がいいですよ。ママチャリが一番ですよ。あれ、本当に丈夫ですから。」と言われちゃいました。
結局、壊れたペダルを交換して、チェーン引を調整して息子の下宿を後にしました。しかし・・・寝ていても、仕事をしていても「もし、あんなボロ自転車で事故でも起こしたらどうしよう」と思うと気になって仕方ありません。
とうとう耐えきれずに、新しい自転車を勝手に購入して、古い自転車と交換してきまいした。本来、息子が自分でやるべき事とは思いつつ・・・。(親バカです)
■ あまりに自転車がカワイソウだ・・・・ ■
家に持ち帰ったボロボロの自転車ですが、このまま捨ててしまうには、あまりに不憫です。そこで整備出来ないかチャレンジしてみました。
と言っても、後輪はハブがガタガタで手で分解出来てしまう始末。前輪はどこかにぶつけたのかグニャグニャ。結局、そのまま使えたパーツはフレームとBB,クランク、フロントフォークとヘッドセットのみでした。
中古やヤフオクも活用しながらパーツを集めるものの、結局新品パーツを多く使ってしまったので、レストアに6万円を掛けてしまいまいした・・・。(バカだ!!)
■ 復活!!■
これこそが、FELTのDispatchの本来の姿です。オリジナルはドロップハンドルの真面目なスポーツ車なのです。
ブラック&クロームで統一してみました。街乗りチャリのナンパなイメージを払しょくする為です。
リアホイール ダイアコンペのGRAN COMPE (新品)
フロントホイール カンパニョーロ ZONDA (流用)
タイヤ ミシュラン PRO4 (流用)
チェーンリング スギノ messenger 46T (中古)
チェリングボルト&スペーサー 新品
チェーン 新品
フリーコグ シマノ 16T (新品)
ビンディング・ペダル シマノ両踏 (流用)
前ブレーキ ケーンクリーク SCR-3L (ヤフオク・新品)
後ブレーキ カンパニョーロ CHORUS (ヤフオク・新品)
ブレーキレバー テクトロ R320 (新品)
ステム ニットー UI-5BX (中古)
ハンドル サルサ MotoAce (中古)
サドル チャージ (新品)
ボトルケージ ボントレガー (新品)
サドルバック (中古)
自転車はパソコンと同様にパーツの寄せ集めで出来ています。そして不思議な事に、パーツをバラバラに買うと、市販の完成品の値段を軽々と越えてしまいます。FELTのDispatchは確か9万円程度の定価だったはず。尤も、パーツのグレードが全然違いますが・・・。
一番こだわったのはブレーキ。シマノの新105(5800)を試してみようかとも思ったのですが、やはりカンパのジンワリ効くブレーキに慣れているとシマノは怖い。そこで、私の自転車に将来流用する予定で思い切ってコーラスにしてみました。
ところが・・・何とこのフレームはロングアーチ用だった。リアはどうにかなったものの、フロントのアーチが1mm程足りずシューがタイヤに擦れてしまいます。
色々調べたら、ロングアーチはシマノのRB-R650が評判が良いのですが、色がシルバーしかない。後はダイアコンペかケーンクリークとなりますが(TEKTROは元々付いていたので)、デザインでケーンクリークに決めました。ヤフオクで新品が5000円だったので。
ネットの噂ではケーンクリークの純正のシューは効きが悪いらしい。確かに少し柔らかい手触りです。そこで、定番のシマノのデュラ用のシュに交換しました。しかし、試走してみてビックリ。最初は効きが悪いのに、途中からグーーーと効いてしまいます。これは怖い。
良く見ると右側のシューのトーイン(シューの前側をホイルに近づけるセッティング)が強すぎる様です。そこで、トーインを弱めにセッティングしますが・・・何度やっても角度が強く付いてしまいます。試しにトーイン無しでボルトを締めてみたところ・・・何とアームの強度が弱すぎてブレーキを引いた状態でボルトを締めると勝手にトーインが付いてしまいます。ブレーキアーチがよじれているのです。そこで、逆にトーインを付けてみた所、普通のトーインの角度になりました。
これで試走した所・・・・オーーーカンパと同じフィーリングになっている。違いは、グーーと引いた時の「芯」でしょうか。カンパはしっかり芯が有りますが、それが少し弱い感じ。ただ、フルブレーキは引いた事が無いので問題有りません。
■ 46T - 16T というギアーで山は登れるのか? ■
シングルギーア自転車を組む時に一番悩むのがギアー比。元々は39t-18tが付いていましたが、軽すぎて私にはスカスカでした。
私は「53T - 15T 縛り」で一日中走る遊びをしていますので、このギアー比にしようかとも思いましたが、鴨川の前に立ちはだかる300m級の山をギアー比3.53で超える事は競輪の選手で無ければ無理でしょう。
色々調べるとギアー比2.8が競輪の選手がリハビリに使うものらしい。LSDトレーニングに最適で、時速35Km/hで丁度良い負荷になるのだとか。
そこで、中古のチェーンリングが46Tしか無かったので、リアは16Tにしました。ギアー比は2.87。山登りにはちょっと「男のギアー比」です。
早速、鴨川まで鹿野山のヒルクライムを入れて、100kmの試走を試みます。
■ ギブ ミー ア ギアー !! ■
浦安から君津まではほぼ無風。70Kmをメータ読みでAV27.7Km/hはギア付とほとんど変わらない数字です。普段よりは軽いギーアーなので、懸命にペダルを回しました。これはペダリングの良い練習になります。
さて、問題の山道ですが、斜度7%まではシッティングで対応出来ます。かなりペダルは重いので、前に踏み出す様な感じでジンワリとペダルを回します。
斜度7%以上はダンシングで対応しますが、これまた体重をペダルに乗せてゆっくりと踏みしめる感じ。なるべく膝に負担が掛らない様に気を付けます。
しかし、これを続けていたら、左足のスネの前側が攣り出しました。踏み台昇降を延々と続けている感じなのでジンワリと疲労が溜まるのでしょう。騙しだましペダリングを続けて、最後の10%超えの難所までに足攣りを回復させます。
さて、問題の10%超えの坂は・・・・これはもう気合いしかありません。上半身の筋力も動員して強引に登りますが・・・蛇行しないと止まってしまいそうです。私は心の底から叫びたい!!「ギブ ミー ア ギアー!!」
結局、宝竜寺口から山頂のバス停まで24分掛りました。ギア付で21分なので、やはりシングルギアーは登りが苦手の様です。
と言うか・・・死にました。マジ、無理。
シングルでヒルクライムにチャレンジというブログを幾つか見かけましたが・・・どんだけMなんだよ。もうドMの世界。
■ 両太ももが攣りっぱなし ■
鹿野山を秋元口に下りますが、後輪がペイントリムでロックし易いので慎重に下ります。
鴨川までは君鴨トンネルを抜けて行こうかと思いましたが・・・両足の太腿の裏が完全に攣てしまいました。これでトンネル手前の登りは辛い。
引き返そうと自転車を止めて田圃をふと見ると・・・サルです。
農家の庭先にも沢山居ます。電気柵で囲った畑の中にも・・・・。何とこのサル達、ビニールハウスの屋根を踏み台にして電気柵を乗り越えています。人慣れしていてなかなか逃げませんが、近づいていったら蜘蛛の子を散らす様に逃げて行きました。
足の痙攣はだいぶ治まったので、引き返して房総スカイラインで鴨川を目指します。ここも登り坂が続きますが、脚が攣らない様に慎重にペダルを回してどうにかクリアー。
もっとも、少々ハンガーロック気味で力が入りません。キャラメルを口のほおばって、鴨川有料までのイヤラシイ登りを乗り切って、そこからは鴨川市内までは一気の下り。いつもはペダルを回す所ですが・・・シングルギアーでは40Km/h以上では、ペダルが周り切ってしまします。
■ 例年よりも早い菜の花 ■
娘のアパートに行く前にちょっと寄り道をします。鴨川市役所の近くの「菜の花ロード」です。昨年は3月の下旬に来て少し遅かったので、今が見頃かと・・・。
今年は12月までが暖たかだったので、菜の花はかなり咲き上がっていました。2月の中旬頃までで見頃が終ってしまいそうです。
一面の菜の花は、黄色の絨毯みたいで、とても綺麗です。
■ 海も見せてやろう ■
最後は前原海岸で自転車に海を見せてあげました。渋谷・原宿界隈しか走った事の無い街乗り自転車でしたから・・・。
しかし、シングルギアーは楽しい。坂の緩いコースを選べば200Kmは問題無く走れそうです。元々、平地ではほとんどギアを変えないので、いつもと何か違うの・・・と問われると???では有りますが。
そうそう、この車体、アルミ+カーボンフォークですが、リアに25Cのタイヤを履かせたら不快な振動は有りませんでした。私のレモン1君(トレクOCLV)と大差有りません。
フレーム強度が少し低い感じもしますが、平地はクルクルと軽いギアーを回すので、それもあまり気になりませんでした。むしろ、ダブルバテットの車体はソフトで体に優しい気もします。
ただ、斜度のきつい坂道をヒルクライムすると一気に足が売り切れます。売り切れるというよりも筋肉が破壊される感じがします。まあ、これが醍醐味なのですが。
さて、生まれ変わった自転車ですが、実は私にはサイズが小さすぎます。シートポストを思いきり伸ばしてどうにか乗っていますが、息子の誕生日まで乗り回したら息子にプレゼントしようかと思います。
ただ・・・・雨ざらしにされるのは忍びない。大事にしてくれる人が居るならばヤフオクで売られた方が自転車には幸せかも知れません・・・。
<結論>
今回の実験で分かった事は、10万円のアルミバイクも40万円のカーボンバイクも素人うが乗る分には大差無いという事。(時速32Km/hで巡航)
さらには、平地を走る分にはギアーもほとんど必要有りません。
それでも・・・「クランクをスギノに変えちゃうかな」などと思っている自分が居ます・・。