昨日に続いて雑感
国民は増税に反対するので財務省は取り易い所から税金を取ります。
マイナス金利の導入によって10年国債まで金利がゼロを切っているので、政府は国債発行益が得られてしまう異常な事態になっています。あたかも現代の錬金術の様なマイナス金利ですが、市中の金利も同時に低下する事で、私達が預金などの資産運用によて得られる金利が奪われていると考える事が出来ます。
金利が極端に低下した状態では、投資によって得られる金利収益がリスクに見合わなくなります。その為金融機関は金融市場で資金運用をして手っ取り早く金利を確保しようとしたり、担保が確実に取れる物件にしか融資をしなくなり、結果的に経済のファンダメンタルが冷え込んで行きます。
一方で金利機会を失った資金は金利を求めて株式市場や不動産市場に流れ込んで来ます。個別の不動産投資や株式投資をしていなくとも、不動産や株式REITの発展により資金が集まる仕組みが出来上がっています。こうして、極端な低金利下ではバブルを生成しやすくなり、これが、金利の上昇によって金融抑圧政策の障害となります。
財務省は消費税増税を適当なタイミングで行う事で、このバブルを牽制する事が出来ます。同時に景気を冷却する事で金利上昇も抑制できるので、異次元緩和やマイナス金利をズルズルと引き伸ばす事が出来ます。これは税収によって財政が支えられなくなった日本においては苦肉の策としては悪く有りません。
又、マイナス金利は資産を多く持つ高齢者から主に「見えない徴税」を行い、住宅ローンを組む若い世代の金利負担を軽減するという所得移転の役割も果たしています。その点は、あながち悪い政策では無いのかも知れません。
尤も、極端に低下した金利は資産市場でバブルを生み易く、この崩壊に私達の資産の一部が誰かのポケットに収まって行く事は無視されがちです。
実は私達は「見えない税金」を二重に納めているのです。一つは「国家」に、そしてもう一つは「世界の経営者」に。