2012.01.26の記事の再録となります。
■ HARRPは太陽風を観測するアンテナ ■
ネットには「HARRPは地震兵器」という記事が目立ちますが、
私はHARRPの観測波形が地震に先だって大きく揺れるのは、
地震を発生させているのでは無く、地震の原因現象を観測した結果だと思います。
HARRPは強力な電磁波を大気に照射して、電離状態を作り出し、
人工的なオーロラを作り出す装置と私は解釈します。
その人工的なオーロラを観測する事で、
大気や地磁気の変化などを観測しているのだと思います。
言わば巨大な電子レンジで大気を電離化し、
高精度のアンテナで大気や磁気を観測するのはHARRPです。
地震の直前にHARRPの観測波形に大きな変化が現れる事が知られています。
これはHARRPが作動しているのでは無く、
HARRPのアンテナが、磁気の変化を捉えていると考えるべきです。
ではHARRPは何を観測しているのでしょうか?
世間では「太陽風」を観測しているのだと言われています。
「太陽風」は文字通り太陽から吹きつける電荷を帯びた粒子の風です。
太陽内の爆発が、太陽表面に噴出するフレアーの出現に伴って増えます。
地球は大きな磁石ですから、電荷を持った粒子の流れである太陽風と
電磁気的に相互作用を及ぼし合います。
太陽風の質量は毎秒100万tとWikipediaには書かれています。
■ 太陽風が地震の原因になるのか? ■
HARRPが地震の前兆、あるいは原因を捉えているのであれば、
太陽風で地震が発生する可能性を検討する必要があります。
宇宙は広いので、その内のどの位が地球周辺に吹き寄せるかは不明ですが、
在る程度、密度があるとすれば、地球との間に反発力や斥力を生み出します。
実は地球には太陽風よりも強い力が働いています。
それは月の引力です。
月の引力は海水を引っ張り、潮汐力を生み出します。
引力ですから海水だけが引っ張られる訳では無く、
地球全体が月に引っ張られる訳で、潮位の変化を考えるに、
月の引力が地殻に与える力は小さくはありません。
それに比べて、太陽風の電磁気的力は月の引力に比べ小さな物と思われます。
■ 月の引力は地震の原因となるのか? ■
月の引力と、太陽風と地震の関係を調べたブログを見つけたので紹介します。
http://blog.livedoor.jp/hardthink/archives/51832100.html
「世の中の不思議をHardThinkします」
月齢と地震、太陽風と地震の相関をグラフ化されていたので拝借いたします。
上のグラフは月齢と茨城以北の東北地方の
2011年3月1日から4月28日までに発生した地震の相関をグラフ化されています。
ブログ主様は月齢ゼロが新月ですので、
月の引力が最大になるのは新月と満月ですから
月齢がゼロと14の日になります。
本来ならば月例ゼロと月例14にピークを持つ
サインカーブで月の引力の強弱を示した方が、
地震との相関が分かり易くなります。
3月11日の東北大震災は「月齢6」
4月11日の大きな余震は「月齢7」
4月30日の大きな余震は「月齢26」
今年1月1日の大きな余震は「月齢6」
「月齢0」と「月齢14」が月の引力が最大となります。
「月齢7」と「月齢21」が月の引力が最小となります。
(月の引力が変化するのでは無く、太陽と月の位置によって合算引力が変化します)
東北地震の大きな余震は、1カ月周期で発生している事が報道されていますので
月の引力と地震の間には何らかの相関がある事が予測されます。
(但し4月30日は例外です)
このグラフのデータは東北の1011年3月と4月だけなので、
世界的規模のデータが無ければ、相関があるかどうかはっきりしませんが、
このグラフだけ見れば、月の引力が最小になる時期に
東北では大きな地震が発生していた事になります。
ここで注意が必要なのは、月の引力は一日の2回の周期で変異する事です。
満潮と干潮が一日に2回つずある事を思い出して下さい。
これは地球の自転によて発生する現象です。
何れにしても、このデータからは、
太陽と月の引力で、地球が大きく揺さぶれる時期よりも、
その振幅が小さい時期に大きな地震が発生し易い傾向が現れています。
本来、大きな地震が発生するすれば、
地殻に溜まった歪が、地球が月と太陽の引力で
大きく揺さぶられる時にこそ開放されそうなので
このデータをして、地震と月と太陽の引力の関係が
成立しているとも言い難いものがあります。
■ 太陽風は地震の原因となるのか? ■
上のグラフは同じブログから拝借した、
太陽風の強さと東北の地震の相関です。
こちらは、強い相関がある様にも見えます。
そこで、先日の1月23日の午後8時45分に福島沖で発生した、
マグニチュード5.1の地震の前後のHARRPのデータを検証します。
http://www.haarp.alaska.edu/cgi-bin/magnetometer/gak-mag.cgi
上のURLはHARRPのホームページにあるオンラインデータです。
赤い▼印が1月23日の地震の発生時刻です。
アラスカとの時差のがある事に注意が必要です。
HARRPの観測波形と、地震との相関は以前から指摘されています。
3月11日にも同様の傾向が見られましたが、
やはり1月23日の地震もHARRPの観測アンテナが
太陽風の高い影響を受信している時期に発生しています。
しかし、HARRPが大きな振幅を観測していても
大きな地震が発生しない事も多いので、
HARRPのデータからは、
「太陽風の影響で地震が発生する確率が若干高くなる」くらいしか言えません。
地震の震度の強弱は、地殻に溜まっている歪の大きさに左右されますから、
太陽風と地震の相関が判明しても、地震の規模までは予測出来ません。
いずれにしても「HARRPが地震兵器」などというのは風説だと思います。
■ 森谷教授のFM波の観測は地震の規模を予測出来る? ■
北海道大学の森谷教授のFM波の受信状態で地震を予知する方法は、
地震の規模と時期をある程度予測出来る意味で
現在行われている地震予知の中では、ある程度の実績を上げている
数少ない予知方法です。
1) 地震の発生する前の一時期に、本来受信されない地域のFM放送が受信される
2) 受信できる時期が長い方が、地震の規模が大きくなる
3) 受信が終了してから、数日を置いて、地震が発生する
森谷教授は三角測量の原理で、震源地在る程度予測しています。
森谷氏の予測では1月下旬に東北から千葉県東方沖での
規模の大きな地震に注意を呼び掛けています。
それが、先日1月23日の地震ではマグニチュードが小さすぎます。
森谷氏の観測網は北海道中心なので、
東北や関東の地震予知は不可能とも思われ、
森谷氏情報の信憑性を疑う人もいらっしゃるようです。
■ 予知は発生確率なので、外れて当たり前 ■
地震予知に決定打が無い事は事実ですが、
予知という行為自体が、発生確率を占うようなものですから、
在る程度の目安として、信憑性の高そうな地震予知を参照するのは無駄ではありません。
「備えあれば憂い無し」。
地震国日本に暮らす私達には、
「巨大地震はいつでもやって来る」くらいの気構えが必要なのでしょう。
<追記 2011.01.08>
太陽風が地震の発生に影響するとすれば、
それは太陽風の速度の影響が大きいかも知れません。
太陽風の質量は、月などに比べてそれ程大きくかりませんが、
地球との相対速度は、高速です。
そこで、地球は太陽風の運動エネルギーを
電磁気的力として受け取ります。
一瞬で大きな力が働くので、
月の引力で地震が起きやすくなっている時などに、
最後のひと押しをするのかも知れません。
単なる妄想ではありますが・・・。
<追記>
上は日本時間26日にHARRPの波形。
23日に太陽表面では2005年依頼最大のフレアーが観測されており
それに伴う放射線や荷電粒子が太陽風となって地球に吹き付けているそうです。
アメリカの航空会社は航空機の計器の誤作動を警戒して
飛行ルートを変更している様です。
数日間は地震にも注意が必要かもしれませんが、
携帯電話など通信設備への影響も心配されています。
昨日発生したDOCOMOの通信障害は、
多分スマートフォンの利用増加が原因でないかと私は勝手に思っています。
そろそろパケット通信の定額制も限界に近付いているのでは?
未だにガラケーの私には関係無いか・・・。