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「国難突破解散」の二つのトリック・・・「希望の党」と「大学審査会」

2017-09-26 06:35:00 | 時事/金融危機
 

■ 「希望の党」は自民党より「改憲」に積極的だろう ■

小池新党の名が「希望の党」と命名された様です。「希望」とは落選が予想される自民や民主党の現職議員の「希望」。「小池新党に行けば当選できる」という「希望」

ところで、中山恭子議員が小池新党に参加する事を表明していますが、彼女は「日本のこころ」という政党の代表で、日本維新の会の残党。

小池新党は維新の会に非常に似た政党で、小池氏や中山氏の思想は安倍氏と同様に「日本会議」的というか彼らは日本会議のメンバー。当然、「改憲にも積極的」です。

ここに民進党を離党した議員らが合流するというのですから・・・彼らの節操の無さにも呆れます。

■ 自民党が議席を減らしても、希望の党がそれ以上の議席を獲得しれば良い ■

自民党は小池新党をライバル視していますが、「改憲」に関して小池新党は自民党の別動隊として機能するはずです。

今まで自民党に投票してきた人も「今回はちょっと・・・」という方は高齢者を中心に多いのではないでしょうか?そういう方達が民主党や共産党に投票する事には抵抗が在りますから、その受け皿になるのが「小池新党=希望の党」

まあ、政治難民のゴキブリホイホイみたいな役割で、マスコミがここに誘導する。

これが今回の選挙の一つ目のトリック。

■ 大学審議会は加計学園の設置認可を10月末に出す必要がある ■

今回の突然の衆議院選挙解散の最大の理由は、加計学園の獣医学部が来年4月に開校する為には、10月中に大学設置審査会が認可を出す必要があるというスケジュール。

今の状態のまま臨時国会に突入すれば、森友・加計学園が再び注目されて、大学設置審議会は10月に加計学園の獣医学部の認可を出すどころでは無くなります。国民が絶対に許さないからです。

そこで、9月28日に解散を宣言すれば、10月22日が投票日になります。ここまで選挙報道一色になりますから大学設置審議会から世間の目を逸らす事が出来ませす。

そして選挙で自民・公明が過半数を獲得したら、安倍首相は「国民の信任が得られた」と表明し、その勢いに乗じて大学設置審議会は加計学園の認可を10月中に出すと予想されます。

当然、一部の国民は反発しますが、ニュースは組閣の話題と、大躍進した「希望の党」の話題で持ち切りのはずです。

ところで「自公で過半数」という勝敗ラインはかなり控えめです。これは「勝利」が約束された勝敗ライン。

■ ムサシが活躍するとしても「過半数確保」というひっそりとしたものだろう ■

仮に選挙結果にムサシが影響を与える様な事があったとしても、その効果は最小限に留められるでしょう。あからさまに自公で2/3以上の議席獲得となると、さすがに国民も違和感を覚えます。

ですから、自公と希望の党合わせて2/3確保。自公は過半数より少し多い程度というのが、議席数的には違和感が少ない。

これが私が妄想する今回の選挙の二つ目のトリック。



陰謀論的な妄想ですから、面白いに越した事は無い・・・。自民党大敗なんて「陰謀論的に面白く無い結果」にならない様に・・・・期待しています。


民主主義とポピュリズム・・・国民はお金に弱い

2017-09-26 05:55:00 | 時事/金融危機
 

■ 「国難突破解散」って、あんたが「国難」だよ安倍首相 ■

森友・加計問題を誤魔化す為という目的がミエミエの今回の衆議院解散。

ところが、安倍首相は「国難突破解散」と名打って、解散の理由をすり替えてしまいました。
尤も選挙の争点(餌)とするのは、憲法改正を連想する北朝鮮有事よりも、国民に実利のある教育の無償化の様です。

1)社会福祉の充実を全世代に拡大する
2)幼児教育の無償化や、貧困家庭の高等教育の無償化で若い世代への所得移転を図る
3)高等教育改革で社会人でも学びたい人が学べる環境を作る
4)財源としえは消費税10%増税分を充てる
5)消費税増税分は財政改善の為と国民と約束していたので、使途変更の是非を国民に問う解散

これぞ「衆愚政治=ポピュリズム」の真骨頂です。

古来、財政規律の緩んだ国家では、国民の人気取りの為に財政拡大の歯止めが利かなくなり、財政破綻や通貨の信用喪失を繰り返しています。

■ 国民は「バラマキ」に弱い ■

普段、安倍政権に批判的な人達も、一たび「お金が貰える」となれば目の色が変わります。

従来の「バラマキ」は土建業中心にメリットがあったので、メリットの無い国民を釣る事が出来ませんでした。ただ、「メリットの無い人達=選挙に行かない人達」なので、政治はこれらの人達を無視する傾向が強かった。

一方、今回の選挙では「安倍政治を許さない!!」と考える国民も多いので、従来選挙に行かない人達も自民党への反対票を野党に入れる可能性が高い。そこで、これらの人達にもメリットの有る「アメ」を用意する必要が有りました。

「減税」は「アメ」として良く使われる手法ですが、財政赤字が拡大する日本では難しい。それに既に先の衆議院選挙で「消費税増税延期」という「減税」をしてしまったので財務省の手前、「消費税減税再延期」を公約とする事は難しい。

そこで、「消費税の使途」を財政再建から教育補助に移す事で、「増税をバラマキの財源として有効利用」してしまった・・・・。

まさにポピュリズムの極みですが、メリットを享受する国民がこれを否定する事は無いでしょう。人々はお金に弱いのです。


■ 前川氏の指摘まで取り込んだ節操の無い教育改革 ■

安倍首相は高等教育の無償化を以前から主張していましたが、これに対して前川前文部科学事務次官は次の様に指摘していました。

1) 全ての学生に対する高等教育の無償化は必要無い
2) 学ぶ意欲の有る全世代、全ての人に対して、学ぶ機会を与える改革が必要

今回の安倍首相の方針では、「全ての高等教育の無償化」を「貧しくて高等教育を受けられない学生への奨学金の充実」など、前川氏の主張も取り入れるという・・・敵の良いと取りまでする節操の無さを見せています。

■ 幼児教育の無償化、或いは所得還元は必要 ■

今回の安倍首相の方針で評価する点は幼児教育の無償化でしょう。

1) 3歳から5歳までの幼稚園、保育園の無償化
2) 2歳児以下も何等かの補助を検討する

「教育にはお金が掛かる」というのは国民の多くの悩みであり、特に所得の低い若年層にとって幼児教育の家計への負担はバカになりません。「子供をもう一人欲しいけど、今の給料じゃ幼稚園の費用が捻出出来ない・・・」そう悩む家庭も多いでしょう。


「消費税を財源とする幼児教育の無償化」は「全世帯から子育て若年層への所得移転」として評価される政策です。


■ 高等教育の補助拡充は、資格審査が必要 ■

世の親を悩ませる「高等教育のコスト」ですが、安倍首相は貧困層の補助を拡充するとしています。

しかし、単純に低所得世帯の子弟に高等教育のコストを支援する事には問題があります。「まだ遊んでいたいから取り合えず専門学校に行っとくか」とか「オレも大学ぐらい行こうかな」なんんて子供達に、どうしいて我々の血税を使う必要があるのでしょうか?

加計学園の様なFランク大学の生き残りには必要な政策ですが、国家の為には全くなりません。むしろ大卒という意味の無いプライドが職業選択の幅を狭める事で、フリーターを増やす結果となります。(安い労働力の生産拡大にはなりますが・・・将来的な国家負担は増えます。)

高等教育の補助に関しては、必ず「資格審査」を設けるべきで、さらには「卒業」を前提とすべきでしょう。「中退」には必ずペナルティーを課し、支給金額を全額返還する義務を負わせるべきです。


■ 国家を滅ぼすのは政治家では無く、国民だ ■

まあ、安倍首相も自民党も色々と問題は在りますが、彼らは国民の鏡でしか無い。

結局は国家を生かすも殺すも国民次第で、「国難突破解散」の公約のあまりの「身勝手さ」に国民がNOを突きつけないならば、日本の将来に期待は持てません。だって、国家というのは国民の集合体なのだから・・・。

私は今回の選挙で、安倍政権が「憲法改正」を前面に押し出すのなら評価しようと思っていましたが、こんなミエミエの誤魔化しをして国民をバカにするのなら・・・・。

まあ、選挙に勝たなければ憲法改正も実現しない訳で、誤魔化しも戦略の内なのでしょうが。