■ 憲法9条は日本側の発案で加えられた ■
1) 日本国憲法は第二次世界大戦後に日米合作で作られた
2) 憲法9条(非武装宣言)は当時の総理大臣、幣原 喜重郎の発案で付け加えられた
3) 「日本は軍隊を持てなくなるが良いか?」と聞かれ、幣原は「良い」と答えた
4) 幣原はマッカーサーに「憲法はアメリカが押し付けた」という形を取らせた
「憲法9条はアメリカの押し付けである」と考えている人は多いと思いますが、9条は日本側が付け加えた条項です。幣原は後の記者とのオフレコの取材でこの経緯を明らかにし、その録音テープが残っています。
武装宣言が正気の沙汰か。それこそ狂気の沙汰だという結論は、考えに考え抜いた結果もう出ている。要するに世界は今一人の狂人を必要としているということである。何人かが自ら買って出て狂人とならない限り、世界は軍拡競争の蟻地獄から抜け出すことができないのである。これは素晴らしい狂人である。世界史の扉を開く狂人である。その歴史的使命を日本が果たすのだ。
幣原は取材の中でこう語っています。彼は「非武装宣言」が「狂気の沙汰」だと認識していましたが、世界がこれに同調するという夢を抱いていました。・・・ただ、夢は夢でしか無い。現実は違いました。
■ 「非武装宣言の夢」が憲法9条の改正を拒んだ ■
「先の戦争が日本の侵略戦争だったのか?」という問いはひとまず保留したとして、戦後の日本人が「二度と戦争はしたく無い」と考えた事は多くの人が認める所でしょう。
「二度と戦争を起こさない」という国民の決意が憲法9条であり、それ故に憲法9条は不可侵のものとなります。
一方、現実的には朝鮮戦争の勃発や、東西冷戦のエスカレートなどにより日本の再軍備は不可欠となり、警察予備隊から自衛隊が出来ます。
1) 憲法で「非武装宣言」をしながら「軍隊(自衛隊)」を持つ事は法学的には「違憲」
2) 「軍隊」を「自衛隊」と称し、「軍隊では無い」とする事で法の矛盾を回避
3) 本来なら「改憲」して「非武装宣言」を撤廃する事が法学的には正しい
「法学」的には「憲法改正」が正しい選択ですが、当時の日本人は「非武装宣言の夢」に浸っていました。一般的には「戦争の反省」と言われますが、戦争を知らない世代にとっては世界に類を見ない「憲法9条(平和主義)」は、日本人の誇りであり、アイデンティティーになってしまった。
■ 憲法9条が有ると何が困るのか? ■
1) 憲法9条(非武装宣言)が有ると自衛隊は違憲となる
2) 憲法9条の存在は、有事を前提とした法律と「法学的な矛盾」を生み出す
3) 「矛盾」を回避する為に「有事法制」や「自衛隊法」に曖昧さが残る
4) 憲法9条が有る限り、「先制攻撃」を前提とした法整備が出来ない
5) 憲法9条があるので、「有事」を想定した法整備に制約が掛かる
6) 有事に際し「特例」や「解釈」の乱発で法体系が乱れる
7) 「特例」や「解釈」を巡り国家で無駄な時間が費やされ、「即応性」が失われる
8) 有事に際し、現在の自衛隊法では「現実的な戦闘」が不可能
9) 戦闘に際し現場の指揮官が「違法の決定」を下す必要があり、現場の負担が大きい
「北朝鮮の脅威」云々の前に、「自衛隊=軍隊」を持った時点で憲法9条は廃止するのが「法学」的には正しい。そうしないと有事に「特例」や「解釈」が横行する事になり「法治国家」の根本が崩れてしまいます。さらに「特例」や「解釈」を巡り国会紛糾し、「現場指揮官の違法の判断」と言う負担が戦闘に影響を与えます。
まあ、小泉首相ぐらいになると「自衛隊が居る所が非戦闘地域です」なんて方便もシャラリと言ってのける訳ですが、これも毎回は通用しません・・・てか、これでは法律なんて有っても無くても同じになってしまいます。
■ 「専守防衛」は不要 ■
1) 武装は最大の戦争の抑止力である
2)「先制攻撃される危険性」は、相手の先制攻撃を抑止する
安全保障の大原則は「やられたらやり返せ」と「やられる前にやれ」です。
平和ボケした日本人には分かり難いかと思いますが、「力の均衡」こそが戦争を抑止します。
戦争とはいつでも「力の均衡の破綻」から起きます。相手が反撃して来ないと分かっていれば武力行使のハードルが下がるからです。
■ 「集団的自衛権」は不可欠 ■
1) 国連は集団的自衛権を認めている(むしろ推奨している)
2) 武力の均衡を保つ為に集団的自衛権は不可欠である
安倍政権は閣議で集団的自衛権を認めていますが、これは世界の常識です。これを認めなければ「日米安保条約」も憲法違反になってしまいます。
■ 「安全保障のタダ乗り」は国際的には許されない ■
1) 「いざとなったらアメリカが守ってくれる」は「安全保障のタダ乗り」である
2) 「安全保障」と「集団的自衛」の基本は相互の負担
「日本は憲法によって戦争が出来ないが、いざとなれば日米安全保障条約でアメリカが守ってくれる」という考え方は利己的であり、アメリカ人から見れば「ハァー、ファッキン ジャップ!!」となる訳です。
戦闘となればアメリカの若者の命が失われ、アメリカ人の税金が使われるのですから当然です。
■ 「アメリカの戦争に駆り出される」は本当 ■
1) アメリカは戦争における自国の負担を軽減したい(人的被害と経済負担)
2) アメリカの同盟国はアメリカの戦争に付き合ってきた(NATOや韓国やオーストラリア)
3) 「アメリカの利益=自国の利益」であるとき同盟国は戦争への参加を躊躇しない
現実の世界のNATO加盟国やその他のアメリカの同盟国は、アメリカの戦争に日常的に付き合っています。その理由は「アメリカの圧力」だけで無く「利害が共通」するからです。
例えば、中東での欧米の影響力が低下した場合、中国やロシアがそれを奪うかも知れません。
■ 「アメリカに武器を買わされる」のは本当だが、今も大して変わらない ■
1) アメリカの輸出品で競争力を持つのは武器(と戦争)
2) 米軍と共同作戦を取る時、データリンクなどの点で米国製武器だと便利
3) 日本は対米輸出の見返りに米国債か米国製品を買うのが当然だとアメリカは考えている
4) 日本の主権者はアメリカなので逆らえない(現実的に)
・・・異論も多くあろうかと思いますが、現実を直視すれば、今でもそうなっています。
■ 戦争は経済的理由で、いつでも、どこでも起こされて来た ■
1) 戦争は経済の大きな危機や失敗を誤魔化す手段として古来より常用されて来た
2) 世界の構造を変革する時、戦争は有効な手段として利用されて来た(特に近代)
日本人が好むと好まざるに関わらず、東アジアで戦争が起きる可能性がゼロではありません。むしろ、リーマンショック以上の金融崩壊や経済システムの崩壊が起きれば、戦争で誤魔化される可能性が高い。
■ 憲法9条を堅持していても日本は東アジアの戦争に巻き込まれる ■
1) 北朝鮮に限らず、中国もロシアも憲法9条があろうが、無かろうが、
彼らが戦争を欲した時に、躊躇無く日本に武力行使する。
2) 往々に戦争は「偶発的な仕掛け」で始まる。
「盧溝橋事件」や「トンキン湾事件」など、戦争はいつでも「ヤラセ」で戦争は始まる。
3) 国内の政治的混乱の解決策として戦争は良く使われる
「憲法9条が有るから」「日本は平和主義」だからと言っても侵略の意思の有る者には何の意味も持ちません。彼らは「侵略のメリット」と国際的な経済制裁などの「デメリット」を秤に掛けて、戦争をするかどうかを決めます。
平和の時には戦争のデメリットが大きく、有事には戦争のメリットが大きいと判断するだけ。
■ 民進党には安倍政権を打倒する意思は無い ■
仮に民進党が憲法改正を断固阻止するのであれば、加計問題を国民に分かり易く説明し、国会で安倍政権を追い詰めれば出来た。
しかし、民進党は加計学園の建築費水増しと補助金詐欺という決定打を敢えて封印してしまった。何故なら・・・民進党は憲法改正を否定しないから・・。
表向きは支持母体の労働組合の顔色を伺っていますが、前原氏や野田氏などは過去の言動からも何故民進党に居るのか理解に苦しむ人達です。彼らは自民党の別動隊に過ぎない。だから「失敗」を繰り返して、民進党を中から瓦解させている様にしか見えない。
■ 改憲を餌に漁夫の利を得るアメリカ ■
北朝鮮が挑発を繰り返す中で、世論はいつに無く憲法改正に前向きです。(その為にいくら払ったか・・・ゲフン、ゲフン・・・)
麻生副総理は早期解散に積極的と言われていますが、多分、麻生氏は憲法改正など選挙のエサに過ぎないと考えている・・・。私は森友、加計問題は、解散総選挙後に新事実が出て、再び安倍政権がピンチになると予想します。そして憲法改正も出来ない・・・。
後は漁夫の利を誰が得るのか・・・そこに興味が在ります。陰謀論者としては・・・。
私は憲法9条などさっさと捨ててしまえと考えていますが、しかし、アメリカはそれを認めないと妄想しています。だって、それを餌に安倍政権から色々なものが引き出せるのですから・・・。
そして、憲法9条が有ろうが、無かろうが、東アジアで戦争が始まれば、日本は否応なく巻き込まれるしか選択肢は無いのですから・・・。