人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

雑感・・・ファンタジーが支配し始めた世界

2018-05-09 12:42:00 | 時事/金融危機


「ひろのひとりごと」さんにコメントしようとしましたが、散漫な内容なので、メモとしてブログに残しておきます。

■ 「仕方ない選択」が政治の本質 ■

農業人口の将来的な減少を考えると、日本の食料自給率は確実に下がります。これを国内で賄おうとすると、受給関係によって国民はかなり高い食費を負担する事になり、エンゲル係数が増大して低所得層の生活は困窮します。

現在、畜産農家の減少が社会問題化していますが、飼料を輸入する日本において、国産の畜産物の輸入に対する価格競争力は弱く、経営が安定しない為に後継者は当然減少します。他の作物も同業ですが、政治の世界では「現役の農家」が存在する限り、彼らを無視する事が出来ない。ごく一部の捕鯨で生活を立てる人達を保護する為に、国際世論を敵にまわす事を不合理としないのが現実の政治。

「TPPで日本の農家がダメージを被らない」というのは全くの「妄想」で、経営努力の足りない農家や、経営規模の小さい農家は中期的には淘汰されます。これが悪い事かと言えば、足りない労働力を生長産業に振り向けたり、農家の株式会社化の為の土地の集約と労働力の供給だと考えれば、合理的だとも言えます。但し、現在の農村のコミュニティーの維持は難しく、文化や伝統の継承といった無形の価値を犠牲にします。

TPPで問題になる「食の安心安全」の問題は、「安心や安全はお金で買う」事で解決します。縮小を続ける日本の経済で、全ての人に「安心・安全」を保障する事は不可能です。低所得者は現状でも「安全」よりは「安さ」を優先しています。国家は国民を飢え死にさせる事は出来ませんから、多少安全性に疑問があっても、安い食料を国民に確保する義務を負っています。

という訳で、何が言いたいかと言えば、TPP支持者の方や、自民党支持者(安倍支持者)の方が多くが「良い点」を強調するのが「ウソくさく」感じるだけで、「現実」というスケールに当てはめれば「仕方ない選択」である事が世の中にはとても多い。

働き方改革にしても、雇用の確保の前に、企業間の国際競争を勝ち抜かなければ雇用はもっと大きく失われます。AIやロボットなどの「自動化」の時代に、企業は日本企業が国内に留まるインセンティブは低い。だから減税や様々な優遇策で企業の海外流出を阻止しなければなりませんが、その分の負担は消費税増税の様な形で労働者が負う事になります。それでも「雇用」が確保される事で実はオツリが来ます。これも「仕方ない事」で片づけるのは容易ですが、それを国民に納得させる事は難しい。


■ 民主主愚を支えていたソサエティーの変質 ■

『BEATLESS』の原作は、とても示唆に富んだ事が書かれているのですが、「企業」や「会社」というものが「奴隷制度」の延長にあると看過しています。ただ、「奴隷」よりは「賃金労働者」は幸せです。

民主主義とは、本来「不公平である社会」を「公平」に見せる欺瞞ですが、それ故に国民は政治に「不正」を許しません。ところが、現状は公然と「不正」がまかり通て、国会で「嘘」が垂れ流されています。

これが許される社会というのは「公平の幻想」が消失した事を意味するのでは無いか。「公平」の概念を裏打ちしているのは「利益を共有する集団」ですが、それは従来は「村」であり「近代国民国家」でり、「企業」であった。しかし、資本主義が長期継続する中で格差はこれらのソサエティーの中でも拡大し、最早「公平」という幻想を支える事が出来ない。

一方でネット社会の主具現は、「ソサエティー」という枠を跳躍して直接人々が関係する世界を生み出しています。例えばSNSなどのネットコミュニティで人々は同じ趣味などで繋がっていますが、実際のソサエティーを共有しません。

陰謀論やネトウヨ言論に顕著ですが、ネットでの繋がりは、現実を無視する事で「ソコダケノファンタジー」を形成し易い。ネットの黎明期には「2ちゃんねる」などの閉じたコニュニティーの閉じ込められていた「ファンタジー」は、ネット利用者の拡大と共に現実の社会に「流失」します。これは現在無視できない規模にまで拡大しています。

「陰謀論」がトランプ大統領を生み出し、「ネトウヨのファンタジー」が安倍政権を支えています。トランプや安倍氏を支える(使う)人達は、この現象に自覚的で、意図的に彼らを誘導する発言をさせています。要は「煽って」いる。


政治に対する国民の変化は(世界的な現象)は、「ファンタジーの拡大」とは無縁では有りません。日本に限らず世界中で「現実」と「ファンタジー」がせめぎ合っている・・・それが現代の世界の政治的背景なのかも知れません。




モワモワとした妄想ですが・・・・個人的には意外に的を得ているかなと思ったりして・・・。


「憲法改正」という亡霊の正体・・・形に惑わされる国民

2018-05-09 11:27:00 | 時事/金融危機
 
 
■ 自民党をまとめているのは「自主憲法の制定」という亡霊なのか? ■

バラバラに見える自民党ですが「自主憲法の制定」「改憲」になると結束する様です。これが安倍首相の求心力の源でしょう。「安倍さんなら改憲が出来る」という希望が自民党を繋いでいる。

ところが、自民党の各議員の思い描く「改憲」には大きな隔たりが様に思えます。

本来の自民党の「改憲」「自主憲法の制定」という立党の理念は、「日本が戦後のアメリカの支配体制を脱して、真の独立国家になる」というものでした。当然、「対等な日米安保条約」を前提としていますし、「核武装」も自衛の為なら議論を厭わない。

ところが、対米従属が長引き、「政治利権」もそれを支える事によって生まれる現在においては、「対米独立」を本気で試みた政権は鳩山内閣ぐらいでは無いでしょうか。

安倍首相は日本会議やネトウヨ対策として「独立国日本」的なイメージをばら撒いていますが、安倍政権の規制緩和路線は対米従属の結果ですし、憲法改正で得をするのも、世界の戦場で自衛隊を支援に使える事でアメリカにメリットが有ります。さらに、自衛隊への武器輸出で米国兵器産業ウホウホです。

石破氏が「改憲」に拘るのも、「自衛隊をあるべき形にする」という軍事オタクの無意味な美学の様なもので、日米関係を対等にするなどとい理想は持っていないでしょう。(妄想ですが)


結局、自民党は結党以来の「改憲」という亡霊に支配されていますが、その後ろにはアメリカの影がチラホラと見える。

ネトウヨは「形」しか重視していないので「実」の所で日本が不利益になる事に無自覚です。その点、お花畑左翼の方が「本能的」に「不利益」を嗅ぎ分ける力が強い様に感じます。もっとも彼らにその先の「現実的なビジョン」は有りませんが・・・。

 


国会は何故幼稚園になったのか?・・・原因は自公政権にある

2018-05-09 10:27:00 | 時事/金融危機
 

■ 国民は飽き易い ■

良い、悪いは別にして、「国民は飽き易い」。

モリカケ問題にしても、ゴールデンウィーク前と後では、ニュースとしての鮮度が全く落ちています。その間に南北朝鮮の首脳会談や、TOKIOの山口の事件などが世間の注目を集め、国民の関心は政治から離れ初めています。

■ 本来は決定打が連発しているのに延命している政権 ■

安倍政権支持者の多くが、「野党は証拠を出せ」と発言していますが、証拠を残さないのが政治の世界。それでも、本来隠蔽されていたハズの様々な文書が、チョロリ、チョロリとリークされ、この問題に幕引きを許しません。

状況証拠的には限りなく「黒」だと多くの国民が考えていますが、 本来であれば財務省の隠蔽が発覚した時点で普通の内閣ならば総辞職しています。その他にも愛媛県が公開した内部文書も「内閣の嘘」を証明するものなので、真実を隠し続けて国会を1年以上も空転させている安倍政権の責任こそ問われど、それを追及する野党を批判するのは見当違いも甚だしい。

■ 「野党はダメ」という刷り込み ■

疑惑のデパートとなっている安倍政権を延命させている最大の理由は、「野党はダメ」という国民の思い込み。

1) 野党に背後には中韓や在日勢力が居る。野党の議員は売国政治家だ
2) 野党に政権担当能力が無い事は民主党政権で実証済み

野党を批判する方の意見を大別すると、上の二つに大別されます。ネトウヨなど思い込みが激しく単純な方達は1)を強く主張し、普通の自民党支持者は2)の理由を挙げるでしょう。

「野党は中韓や在日勢力の手先」というのは陰謀論的には否定はしませんが、これを大っぴらに言うのは社会的には恥ずかしい。そもそも、証拠が無い事に関しては、安倍政権の疑惑の証明と似たり寄ったりです。

一方、民主党政権がダメだったというのは、半ば本当で、半ば誤解です。

1)民主党政権(小沢代表)は官邸主導を導入して官僚と対立
2)官僚は民主党政権を本気でサポートする気が無かった

3)リーマンショック後の世界経済の低迷と、東日本大震災のダブルショックで国内景気も低迷
4)当然、失業率は底を這っていた

5)鳩山政権は沖縄米軍基地問題など、アメリカに反抗的な政策を打ち出したので
  マスコミを使って政権が攻撃された

6)民主党が反自民党の寄せ集めの集団で、明確なビジョンを持たなかった

7)野田氏や前原氏は、むしろ自民党に近いポリシーを持っていた

8)経団連など経済界は民主党とは距離を置いていた

こう列挙すると、確かに良い所がほとんど無い民主党政権でしたが、1)~5)などは、一概に「民主党がダメ」というレッテルを貼る理由にはならないかと思います。

官邸主導などは民主党政権の反省を踏まえ、安倍政権ではさらに官僚の人事権を掌握する形で進化し、結果的にモリカケ問題に繋がっています。

■ 国会が機能しないのは公明党の責任が重い ■

現在の国会が「幼稚な誹謗合戦」に終始する原因は、野党が幼稚なのでは無く、国会で野党が全く力を持たない事に問題が有ります。

もし、与野党の議席が伯仲していたならば、モリカケ問題で早々に安倍政権は退陣しており、自民党は新たな内閣で国会に臨んでいたハズです。これならば、国会が下らない問題で紛糾する事も無く、重要法案の審議も真剣に行われたハズです。

しかし、与党が圧倒的な多数を占める国会で、与党にも真剣に審議する気持ちなど毛頭有りません。最期は数の力で押し通せば良いのですから。だから野党は、「印象操作」で世論を反自民党に誘導するしか戦略を持ちえない。

こんな国会に誰がしたかと言えば公明党です。公明党が「平和の党」としての党是を捨ててまで、安倍政権を支えているのは異様な光景ですが、それだけ甘い汁が吸えるのか、或いは陰謀論的に公明党が宗教の姿を借りた自民党に補完勢力に過ぎないのかは・・・神のみぞ知るですが。

■ 自民党も民主党同様に寄せ集め勢力 ■

日本の政治を分かり難くしている最大の原因が、民主党自体が寄せ集め勢力と言う点です。

世界の先進国の政治は「小さな政府」を支持する勢力と「大きな政府」を支持する勢力の対立で成り立っています。

「小さな政府」は企業経営者や富裕層が支持し、規制緩和や減税を要求します。そして、税金が国民に不用意にばら撒かれる事が無い様に監視します。

「多きな政府」は労働者や弱者が支持し、富裕な人や企業に搾取された労働を、所得の再分配で取り返そうとします。

ところが、自民党は「小さな政府」や「グローバリズムの推進」を目指すアメリカ寄りの「清和会」と、地方への利益誘導で結果的に「大きな政府」的な政策を取る「旧経政会」系の勢力と、「官僚主導」で「国家社会主義」的なベストミックスを目指す「旧宏池会」系の勢力が相乗りしています。

そして「グローバリズム」や「アメリカ」の手先と思われる安倍首相を操る経産省は「国家社会主義」的な思想を引きずっているので、さらに分かり難さを増しています。

この様に、自民党内の複雑な政治力学が、野党との政策的違いを不明確にし、結果的に野党の存在感を消失させています。