■ 「嘘の証明」が無意味な訳 ■
モリカケ問題の物証が日替わり定食の様にゾロゾロで出て来ます。野党はこれを元に安倍氏や秘書官らの「嘘」を証明しようと躍起ですが、国民のほとんどが「安倍首相はウソをついている」と確信しているので、野党の戦略は無意味です。
事の本質は、「ウソツキであっても安倍首相が野党や自民党の他の人よりマシ」という国民の本音にあります。
■ 安倍首相がマシな訳 ■
多くの国民が安倍政権を未だに支持する理由は、単純に「景気が良い」から。
ある程度社会の裏を知る人達(富裕層)は、世の中がキレイごとで成り立っている訳では無い事に自覚的ですから、モリカケ事件なんて「ちっぽけな問題」と考えています。
森友学園問題も、家計学園も、贈収賄事件としての追及では無く、「首相が便宜を図った」事の追及なので、「刑事事件でも無い問題で国家を空転させるのはケシカラン」というのが世論の大勢です。
むしろ、言葉尻をあげつらって首相を追及する野党議員が「幼稚」に見えてしまいます。
■ 野党は「なんでも賛成」に戦略を替えてみたら面白い ■
そこで野党は戦略を替えるべきだと私は考えます。私ならば「ほめ殺し」と「何でも賛成」戦略をお勧めします。
「首相は記憶力が宜しいので、1月20日前には加計学園の獣医学部の事は確かにご存じ無かったのでしょう」
「柳瀬氏は仮にも経産省のエリートですから、愛媛県職員の記憶違いという可能性の方が高い」
「テレ朝の女性記者は下心があって福田財務事務次官に会ったに違いない。きっと派手な香水の匂いをまき散らしていた事でしょう」
「裁量労働制の導入は、労働生産性の向上には欠かせない。わが党も自民党案に全面的に賛成である」
「種子法は古い法律で、輸入で豊富な食糧が調達できる現在の日本にはそぐわない。法改正は遅いぐらいだ」
…連日、野党がこんな質疑をして自民党案に賛成した日には・・・国会中継を見ている国民が不安になるに決まっています。
■ 安全な車のブレーキが突然効かなくなったら・・・ ■
現在、多くの日本国民が「野党なだらしない」「野党は時代遅れだ」と非難します。
しかし、野党には野党の存在意義が在ります。例えば車の運転手が多少問題の多い人物であっても、車のブレーキがしっかりしていれば容易に事故は起こりません。
ところが、ブレーキが無くなってしまったら、そんな車には怖くて乗れませんし、安心して道も歩けません。
自公が安定多数を占める現在の国会でも野党のブレーキは一応は効いています。本来は自公の賛成多数でどんな法案も通す事が出来ますが、国会の建前上、自民党は野党の言い分にも耳を傾けます。
裁量労働制の審議の時の様に、官僚の資料の間違いを見つけるというヒットを野党だってたまには放ちます。だから国民は野党をバカにしながらも、安心して国会の成り行きを見守る事が出来ます。
しかし、野党がその役割を放棄したら、国民は不安に苛まれる事は確実です。
■ 国会とは神輿にリアリティーを与えるシステム ■
日本の法案の多くが官僚が作成して、自民党が党内調整をし、閣議決定を経て国会に提出されます。この間に族議員の利害の調整が入りますし、場合によては野党との調整も入ります。
こうして、そのまま施行されても大きな問題を生じない法案が多い日本の国会において、国会は「民主主義の形を守る儀式」となっています。
「安倍首相はすばらしい」「安倍首相は良く働いている」と評価されますが、安倍首相は軽い神輿に過ぎず、神輿を担いでいる人達が有能であり、自公の安定多数が神輿の前の道を開けているに過ぎません。多分、軽い神輿ならば、誰が首相をやっても変わらない。
■ アメリカに絶対服従の神輿は長持ちする ■
日本の政治において重い神輿や、騒がしい神輿は長続きしません。基本的には宗主国のアメリカに逆らわない神輿が好まれます。安倍首相はその意味で、最良の乗り手の一人なのかも知れません。
ただ、対米従属が安倍首相や自民党の本心で無い可能性も有り、日本会議との繋がりなど、本心の所では対米従属を良しとしていないのかも知れません。憲法改正に拘るのも、これが原因かも知れません。
ただ・・・仮に日本の自主独立を勝ち取る為に憲法改正を行っても、国際間の力関係は非情です。日本はアメリカから距離を取る事は出来ませんし、自衛隊が中東の戦争に協力する未来も変わらないでしょう。
安倍政権になって、本来は国会を通過しなかったであろうTPP法案や、集団的自衛権の閣議決定も実行されました。異次元緩和によるプチバブルも達成され、円安で輸出企業も潤いました。
しかし、アベノミクスのマジックが解ける時期が近づいています。多分、アメリカ発のバブル崩壊で、安倍政権は終焉を迎えると思われます。
■ 憲法改正を急ぐ必要は無い ■
安倍政権の内に憲法改正を実現したいというのが、若い安倍政権支持者の本音だと思いますが、その理由は「中国・韓国・北朝鮮にバカにされたくない」とおう矮小な思想です。そんな小さな誇を満たす為に、自衛隊を中東の戦乱に投入させられる憲法改正を実施すべきなのか・・・。若い方には再考を望みたい。
集団的自衛権の閣議決定で、自衛隊の行動の自由動は圧倒的に高まっていますし、憲法を改正するのなら、日中の緊張が高まってからでも遅くはありません。法案の下地さえ事前に整え、「有事の際にはどうするのか」という国民議論を事前に済ませておけば良いだけでは?
■ 中韓との対立が緩和されつつある今、国会を冷静に眺めてみたら ■
安倍支持者の多くが、「中国や韓国はケシカラン」という歪んだコンプレックスの上の政権を指示して来ました。安倍首相もその事を十分に知っていて、中国、韓国、北朝鮮に強硬姿勢を貫く事で、支持率を維持していた。
ところが、安倍政権の頭越しに米朝が融和ムードになり、日中韓サミットを開催して3国の関係を改善せざるを得ない状況(多分、中東戦争の為に東アジアは緊張緩和にしておきたいアメリカ思惑)で、安倍政権は中韓北に強硬姿勢を保つ事は出来ません。(そもそも、裏でもは北緒戦とも仲が良いと私は妄想していますが)
こうした国際政治の潮目の変化は、安倍支持の人達にも影響を与えるハズです。中韓北の首脳らと談笑する安倍首相の姿が日夜TVニュースから流れ、「日本が北朝鮮に巨額の支援を決定」なんて報道に接したら彼らはどう思うのか。
そうした「ちょっとシラケた」気分で現在の国会を見た時に、「嘘を平気で垂れ流し続ける」安倍首相や、官僚達の姿はどう見えるのか・・・。
これを「異常」と感じないなら、あなたは「異常」なのかも知れません。
■ 国民は普通の政権を望むべきだ ■
安倍批判を強めてから、ブログの読者が半分以下に減りました。多分、世の中の半分程度の方が未だに安倍政権支持者なのだと思います。これは世論調査のパーセンテージとほぼ等しい。
私は現在の野党を支持はしませんが、少なくとも、もう少し誠実な政権を望みたい。これが普通感覚で無いのなら、普通とはいったい何なんだろうか?