人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

通貨管理体制に見る世界の変調・・・BRICS開発銀行の兆し

2012-04-23 15:47:00 | 時事/金融危機
 


■ 担保はSDR ■

あまり大した事では無いのですが、
日本が今回IMFに貸し付けた600億ドルには担保が設定されています。

SDR(IMFの特別引出権)です。

リーマンショック直後からサルコジ大統領とBRICs諸国が、
ドルの崩壊に備えて、SDRを新たな基軸通貨として活用しようと画策していました。
最近はあまりニュースでもSDRについて聞きませんので、
その手の話は立ち消えになったのかとも思っていましたが、
IMFへの貸付の担保として利用されていたとは・・・・。

■ SDRって何? ■

「ところで、SDRって何?」という方が大半では無いでしょうか?
実は私も良く分かりません。

IMFのページから引用します。
http://www.imf.org/external/np/exr/facts/jpn/sdrj.htm

<引用開始>

SDRの役割

SDRは1969年に、ブレトン・ウッズの固定為替相場制を支えるために、IMFが創設しました。この制度に参加している国は、為替相場を維持する義務に従い、世界の為替市場で自国通貨を購入するために使用できる準備資産―政府または中央銀行が保有する金及び広く受け入れられている外貨― を必要としていました。しかし、二大準備資産の金と米ドルの国際的供給は、世界貿易の拡大及び当時起こりつつあった金融発達を支えるには、不十分であることが判明しました。このことから、国際社会はIMFの監督の下、新たな国際準備資産を創設することを決めたのです。

しかし、それからわずか数年後、ブレトン・ウッズ体制は崩壊し、主要通貨は変動為替相場制に移行しました。さらに、国際資本市場の成長により、信用力のある国の借り入れが促進されました。これらを背景に、SDRの必要性は減少しました。

SDRは通貨ではなく、またIMFに対する請求権でもありません。むしろ、SDRは、IMF加盟国の自由利用可能通貨に対する潜在的な請求権だといえます。SDRの保有者は、二通りの方法で保有するSDRと引き換えに、自由利用可能通貨を入手することができます。ひとつは、加盟国間での自主的な交換取極めを通した方法、もうひとつは、IMFに指定された強固な対外ポジションを有する加盟国が、弱い対外ポジションの国からSDRを購入するというやり方です。また、SDRは補完的準備資産としての役割に加え、IMF及び他の一部の国際機関の会計単位としての側面も有しています。

SDRの価値を決める通貨バスケット

SDRの価値は当初、純金0.888671 グラムに相当し、また当時の1米ドルに相当すると決められていました。しかし、1973年のブレトン・ウッズ体制の崩壊に伴い、SDRは通貨バスケットとして再定義されました。現在通貨バスケットは、ユーロ、日本円、 スターリング・ポンド、及び米ドルから構成されています。SDRの米ドルでの価値は、毎日IMFのウェブサイトに掲載されます。これは、毎日ロンドン市場の正午の為替相場を基に、上記の4通貨の特定の額の合計を米ドルに換算したものです。

SDR金利

SDR金利は、通常の(非譲許的な)IMF融資に伴い加盟国に課される利息や、保有するSDRに対し加盟国に支払われる利子、またSDR配分の際に課される金利、さらに各国のクォータ(出資割当額)出資額の一部に対し加盟国に払われる利子を計算する際の基礎となります。SDR金利は、SDRバスケットの構成通貨国・地域の、短期市場における代表的な短期借入金利の加重平均を基に毎週決定されます

IMF加盟国に対するSDR配分

IMF協定に基づき、IMFは加盟国に対し各国のクォータに比例したSDRを配分することができます。これによりIMF加盟国はコストのかからない資産を得ることができます。ただし、 加盟国が保有するSDRが配分を上回った場合、超過分に対し利子が支払われます。反対に、SDR保有額が配分を下回った場合は、不足分に対し金利を支払うことになります。

配分方法は次の二通りです

SDRの一般配分。一般配分は、既存の準備資産を補完するという長期的且つグローバルなニーズの下に行なわれなければなりません。SDR配分に関する決定は、これまで3回行われています。第一回目は1970年から1972年の間に年賦形式で、総額93億SDRが配分されました。 第二回目の配分もやはり年賦形式で1979年から1981年にかけて行なわれ、総額121億SDRが配分されました。

第三回目の一般配分は2009年8月7日に承認され、同年8月28日に1,612億SDRが配分されました。この配分により、加盟国のSDR保有額及びSDR累積配分額が、各国のクォータ比で74.13%増加しました。



SDRの特別配分。1997年9月、IMFの総務会は、IMF協定の第4次改正を行ないSDRの一回限りの特別配分を実施するとした案を承認しました。この配分の趣旨は、現在のIMFの加盟国の5分の1以上にあたる1981年以降にIMFに加盟した国が、SDR配分を一度も受けていないという状況を是正し、全てのIMFの加盟国が、公平にSDR制度に参加できるようにするというものでした。

第4次改正案は、改正に必要だった、少なくとも総議決権の85%にあたるIMF加盟国の5分の3(112カ国)の承認を得て、2009年8月10日に全加盟国を対象に発効となりました。2009年8月5日米国が同改正を承認する133カ国に加わり、2009年9月9日に特別配分が行われました。第4次改正案で示されたように共通のベンチマークを用いて行われたこの特別配分により、加盟国のSDR累積配分額が215億SDR増加しました。

SDRの売買

IMFに対する責務を遂行するため加盟国がSDRを購入する必要性がたびたび生じます。また準備金の構成を調整するために、IMF加盟国がSDRの売却を希望する場合もあるかもしれません。IMFは加盟国とSDRの規定保有機関との間の仲介者として、SDRが自由利用可能通貨と交換されることを確保します。20年以上に渡り、SDR市場は自主的な交換取極めの下で機能しています。この取極めの下、多くの加盟国とSDRの1規定保有機関が、各々の取極めで定められた限度内でSDRの売買を自主的に行なってきました。2009年のSDR配分の後、引き続きSDRの自主的交換の市場の流動性が確保されるよう、自主的取極めの数と規模が拡大されました。

自主的な交換取極めが十分に機能を発揮しない場合、IMFは指定制度を起動することができます。このメカニズムの下では、IMFに指定された十分に強固な対外ポジションを有する加盟国が、弱い対外ポジションを有する加盟国から、一定の額を限度に自由利用可能通貨でSDRを購入することになっています。この取極めは、流動性及びSDRの準備資産という性質を保証するバックネットとして機能します。

<引用終わり>


はっきり言って全然分かりません。

1) ドルと金の代替の準備資産として発足した
2) 実際には変動相場への移行で、あまり利用されていない
3) ドル、ユーロ、円、スターリング・ポンドで構成させる通過バスケットを基本とする
4) 通貨バスケットはバスケット内の通貨為替変動の影響を相殺できる。

ざっと、こんな制度なのですが、通貨とのレートも発表されているので、
通貨の一種と考える事も出起ます。

IMFがSDRを勝手に発効する訳には行かないので、
バスケットの指定されて通貨を準備通貨として保有する必要がありそうです。

■ BRICSの通貨はバスケットに含まれていない ■

古い制度なので、新興国通貨がバスケットに含まれていません。
これに対して、リーマンショック後、
新興国が自国通貨をバスケットに含める事で
SDRを機軸通貨として運用出来ないか模索しました。

リーマンショック直後には「ドル崩壊」の可能性も囁かれていたので、
SDRの話も現実味があったのですが、
その後、ドルが比較的安定しているので、SDR導入の気運は下火になりました。

■ BRICSが独自の通貨機構を模索している ■

現在世界にはIMFと世界銀行という通貨の安定を担う組織が存在しますが、
いずれも先進国の意向が強く反映した組織で、新興国の評価はかんばしくありません。

そこで「BRICS開発銀行」を設立する動きが顕在化してきています。
http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/201204/Wlof.htm

上の記事はアメリカの外交問題評議会CFRの発行するフォーリン・アフェアーズの記事です。
CFRは、一介のシンクタンクに過ぎませんが、
アメリカの外交問題を支配してきた組織です。

キッシンジャーやブレジンスキーやヒラリーを始め、
民主党、共和党問わず、有力議員達がその構成員となっています。
CFRこそがアメリカの外交の方向性を決定する機関だと言っても良いでしょう。

その機関紙とも言えるフォーリンアフェアーズが、
「BRICS開発銀行」に言及しているのですから、
現実性の全く無い話では無い様です。

■ IMF、世界銀行、BRICS開発銀行の三つ巴? ■

BRICsを最初に提唱したのはゴールドマン・サックスです。
新興国の台頭によって世界が多極化すると予測しました。

BRICS諸国がIMFのSDRに参加する方向から、
BRICS開発銀行の様に独自の通貨管理体制を模索し始めた事は注目に値します。

アジアに通貨危機では韓国を始めアジア各国に容赦無い改革要求を突きつけたIMFですが、
今回のIMFの動きを見ても、IMFはどうもヨーロッパに甘い様です。

BRICs諸国にSDR参加を働きかけていたのがサルコジ大統領である事から、
ヨーロッパ諸国は、BRICs諸国の経済力を背景に
IMFを拡大安定させ、その後ろ盾でユーロを救済しようとしたのでは無いでしょうか?

ところが、BRICs諸国はその動きには乗らず、
独自の通貨安定制度設立の動き始め、
アメリカのCFRはどうやらその動きを後押ししている用に見える・・・。

■ 統一が遠のく世界 ■

陰謀論的には2012年、「世界政府樹立」などという噂がありましたが、
最近の世界の動きを見ていると、新たな対立ブロックが生まれている様に見えます。

先日の石原都知事の尖閣発言なども、
明らかに日中を分断するアメリカの意思が透けて見えます。

アメリカは中東の利権を失う一方で、
どうやらミャンマーやベトナムの利権確保に動いています。
中国が思い通りにならない状況で、
中国から、東南アジア諸国にシフトしている様に見えます。

TPPの枠組みに中国が入らなければ、
アメリカの中国離れが明確化していくでしょう。

現在のアメリカは中国に頼りすぎています。
生産も中国ならば、消費も中国頼み。
さらには米国債も中国が大量に保有しています。

これは、アメリカと中国という覇権国同士の関係としては、好ましくありません。

■ 3極化する世界 ■

IMF、世界銀行、BRICS開発銀行という流れが明確化すれば、
世界は3極化が進行していく可能性があります。

日本は明治以来の関係で、IMF陣営にドップリ嵌っている様に見えますが、
アジア開発銀行などは世界銀行の流れを汲んでいます。

そもそも日本の近代化はイギリスによる所が大きく、
第二次大戦後に、アメリカが日本を支配する様になります。

その意味で日本はヨーロッパとアメリカに二重に支配された国であり、
政治や経済など、あらゆる分野でその力が拮抗した国だとも言えます。

もし世界が3極化するとして、TPPを足がかりにする環太平洋経済圏に属する道を選ぶなら、
日本は、徐々にヨーロッパの影響を離れていくことになります。

中東に依存していたエネルギーも、
アメリカやオーストラリアの天然ガスにシフトしてゆき、
またしてもエネルギーの命脈をアメリカに握られる事になります。

世界は依然として混沌としていますが、
少しずつ新しい姿も見え初めています。
しかし、この様な大きな世界の枠組みの変更は、
通常では20年、30年と言う長い時間を要します。

現在の世界に残された時間はそれ程長くはないと私は思います。
世界的な経済崩壊を契機に、過去の負債を一気にチャラにして、
世界が再編に動くと私は考えています。

その為の下準備がリーマンショック後に調整されたのでは・・・・。

通貨管理体制の最近の変化には、今後も注目する必要がある様です。

佐倉のチューリップは今が見収めです・・・新い自転車で佐倉へGO

2012-04-22 12:16:00 | 自転車/マラソン
 




■ 息子に自転車を買う ■

4月から高校を卒業した息子を自立させる為に、東京でアパート暮らしをさせました。
学校へは自転車で通うと言うので、入学記念にスポーツ自転車をプレゼントする事に。

スポーツ自転車は、外に出しておくと直ぐに盗まれます。
息子は自転車を盗まれる天才で、
中学時代に買ってあげたちょっとカッコイイ自転車も、2週間で盗まれ、
その翌日に、妹のスペシャライズドのマウンテンバイクを持ち出して、一発で盗まれ、
代替のママチャリも直ぐに盗まれ・・・・。

どうして盗まれるかと言えば、多分きちんとカギをしないから。
妹の方は、スポーツ自転車には必ず2重にチェーンロックをしますから、一回も盗まれない。

そんな特技を持つ息子ですから、お店で新品の自転車なんて勿体無い。
Yahooオークションで十分です。

という事で息子とオークションのデモノを一通りチェックします。
スポーツ自転車が良いと言うのですが、
アパートで外に置いておいたらサビだらけになるか、
サビる前に盗まれるかのどちらかです。

そこで、ミニベロ(小口径車)か、折りたたみを探します。
息子はGIOSのミニベロが気に入った様です、5万以下では無理そうです。
私はDAHONのボードウォーク(折りたたみ)が2万以下で良く走ると思うのですが、
どうも息子はデザインが気に入らないと言います。

そこでKHSのF20-Tというスポーツタイプの折りたたみに狙いを定めます。
2万4千円となっていたので3万円を突っ込んでみます。
これで皆さん、戦意を喪失してくれるかと思いきや、
終了間際にどんどん競りあがります・・・・。
結局、3万4千円で落札。
送料を考えると、安いのか高いのか分からない・・・。

届いたバイクはほぼ新品でサビも無い状態でした。
まあまあの買い物だったと思います。

ところで、息子は自転車で通学しているかと言えば・・・
何と電車通学をしている様です。
結局、スポーツ車はパンクし易いので、途中のパンクが恐くて電車にしたそうです。
それに、学校の近くに安全な自転車置き場も無い様です。

自転車はコインランドリーの行き帰り使うのみで、
部屋のインテリアになっているそうです。
・・・これなら盗難にも合いませんし、錆びる心配も無い。
ちょっと格好イイ自転車が部屋の飾り物になるのは良くある事です。

■ 間違って自分の自転車を落札してしまった ■

息子とオークションで遊んでいて、LemondのZurichという自転車を見つけてしまいました。
現在私が乗っているロードバイクはLemoneのmaillot jauneという古いカーボン車です。
最近、細身のクロモリフレームに乗ってみたいと思っていたので、
ちょっと興味をそそられます。
レイノルズ853のトリプルバテッド(パイプの肉厚を3段階に変化させて軽量化)という
ちょっと軽そうなクロモリ自転車です。

「最低落札価格」に達していないので、少し遊ぼうと思い10万円と入れたら・・・
エーエーエー!! 「あなたが最高落札者です」だって。
あわてて10万以下を入札しても、何とキャンセルできません。

残り時間は、後30分です。
でも、この車体で仕様ならば、きっともっと値段は上がるハズ・・・。
あれ、誰も入札して来ない・・・。
水曜日だから、きっとオークション参加者が少ないのでしょう・・・。

「おめでとうございます。あなたが落札者です」って出たよ・・・。
ヤバー、カミサンに怒られちゃうよ・・・・。

という事で、我が家に自転車が一台増えました。(息子とあわせると2台・・・)
家族4人に自転車が6台。これぞエコライフ・・・・。

■ 初めてビンディング・ペダルにしてみる ■

我が家に届いたZurichはカーボンと同等の軽さ。
とりあえず、打ち合わせ先の往復で足慣らししてみます。

サイズは、シートポストは丁度良いのですが、
フレームの前三角がすこし大きい感じです。
ハンドルが遠くて、取り回しが大変。
前の方はトライアスロンに使用されていたと仰っているので、
ハンドリングよりも、前傾姿勢が取り易い事を優先したセッティングの様です。

さて、レーノルズ853の乗り心地は・・・・
ウワー、クロモリなのに結構硬いよ。
踏み込んでも、車体がフニャフニャした感じは皆無。
むしろ、今乗っているカーボンの方が柔らかいかも・・・。

それと、重いペダルを踏んでも加速しない。
BBを中心に車体が捩れる様で、重たい方から3番目当たりは平地での加速が鈍い感じ。

ところが、中間ギアーの加速とスピード維持は結構イイ感じです。
私は足を早く回せないので、重たいギアーを踏むのが空きなのですが、
この自転車は足が速く廻ります。

実は、私は今までのカーボン車はノーマルペダルで乗っていました。
自転車で行った先で、結構歩き回るので、
靴の裏に取り付け金具(クリート)の付いた自転車用の靴は歩き難くて不便なのです。

ですから重たいギアーを踏み込んで走るクセが付いているのですが、
今度のバイクは重いギアーよりも軽いギアーが走り易い。
そうなると、ビンディング・ペダルが必要になります。

先日、マラソン仲間から、MTB用のシューズは歩き易いと聞いたので、
早速MTB用のシューズと、ビンディングペダルを購入します。

さて、ビンディングの効果やいかに??
あれ、何か加速しないぞ・・・・。
しばらく走ってみて、ようやく気付きました。

ノーマルペダルではつま先で漕いでいたので、
シートポジションが結構後ろになっています。
そこで、シートを3cm程、前に出してみました。

おおおおー、加速する加速する。
35Km/hで楽に走れるぞ・・・。

■ 足慣らしに佐倉のチューリップ祭りに行ってきた ■

という事で、足慣らしに佐倉のチューリップ祭りに行って来ました。



何だか分からないがユルキャラが出現。

昨年は花が小ぶりでしたが、今年の花は見事です。
デジカメの電池が無くなってしまたので、写真はユルキャラ1枚のみ。

http://green.ap.teacup.com/pekepon/50.html
一昨年の紹介記事ですが、今年も同じくらい見事に咲いています。

花は今週一杯が見ごろでしょうが、
チューリップ祭りが過ぎると、全部刈り取られてしまうので、
お出かけの際は、事前に確認してみて下さい。


大量被曝で皮がむけた・・・かすみがうらマラソン

2012-04-22 11:20:00 | 自転車/マラソン
 


■ 大量被曝で皮が剥けた ■

大量に被曝してしまいました。
DNAが破壊され、顔面の皮が剥けています・・・。
何に被曝したかと言えば・・・・紫外線。

先週の日曜日、「かすみがうらマラソン」を走ったのですが、
スタート前は少し曇っていて、肌寒いくらいでした。
しかし、途中から空は晴れ渡り、
容赦の無い紫外線が、私の表皮のDNAをズタズタに破壊しました。

結果、当日は皮膚が赤くなりヒリヒリ痛み、
3日後から細胞が死滅して表皮が剥けてきました。

多くの放射線は細胞内の水を活性酸素に変化させてDNAを攻撃しますが、
紫外線は直接DNAの結合を破壊する周波数の光です。
ですから、「効率的」にDNAを切断します。

真夏の紫外線のDNAの破壊力は、福島の外部被曝の1億倍程度ですから、
4月とは言え、フルマラソンで4時間も紫外線を被曝すれば、
表皮のDNAなぞ、ひとたまりもありません。

しかし、細胞がアポトーシス(死滅)するおかげで、
将来の皮膚がんの危険性は大幅に低減されます。

一部の方が主張する様に、細胞がDNA破壊に脆弱であれば、
きっとアウトドア派の私は、とうの昔に皮膚がんになっていはずですが、
実際には多少のシミが出来るくらいで、癌にはなりません。


■ 今年もお腹いっぱいでゴールしまました ■




マラソン人気で「かすみがうらマラソン」は今年も沢山の方が走られました。
スタート前に後ろを振り向くと、人人人でした。
皆さん、フルマラソンにエントリーされた方々です。

練習不足で68Kgという5Kgオーバーで挑んだ今年の「かすみがうらマラソン」。

4分40秒/1Kmという控えめなペースでハーフまで我慢して、
脚力を温存して後半もペース維持という、
中年らしい守りのレースに徹すれば大崩はしないハズ・・・・。

そこで、前半は時々写真を撮りながら、のんびりレース。



今年は仮装ランナーのベストはキリスト様。
なんと、足元は薄いサンダルでした。
・・・きっと、ゴールする頃は足はマメが潰れて血だらけでしょう・・・。
神への道は長く厳しい。
・・・でも、この人、こんな格好していて結構なスピードで走っていました。


■ 体重オーバーは破壊兵器 ■

体力温存でゴールを目指すハズでしたが、
25Km過ぎで両足ふくらはぎが攣ってレースは終了。

そこからは、歩いたり、走ったり、写真を撮ったり、私設エイドのご馳走に舌鼓を打ったり。
今年も「満腹」でゴールした「かすみがうらマラソン」でした。


いつもながらご馳走が並ぶ農家の庭先。ごちそうさまでした。



子供が犬と一緒に水を撒いてくれます。頭からかぶってクールダウンするランナーも居ます。



霞ヶ浦周辺は蓮根の産地です。収穫は胸まであるゴム長を履いて行います。



ようやくゴールゲートに到着。タイムは4時間2分。


後半、のんびり歩いているのですから、当然のタイムですが・・・。
いやはや、なんとも情けない結果です。

そういえば今シーズンは練習で一回も40Kmを走っていません。
68Kgの体重で、レースで膝を壊さなかっただけでも良しとします。

それにしても、昨年から体重が減りません。
年かな・・・・。





予想を裏切らない「坂道のアポロン」、予想を裏切る「謎の彼女X」

2012-04-21 02:43:00 | アニメ
 





■ あまりにも眩し過ぎる「坂道のアポロン」 ■


ここ何年か、本屋に行く度に思わず買いそうになるのが、
「小玉ユキ」原作の「坂道のアポロン」。

「坂道のアポロン」という昭和チックなネーミングもさることながら、
表紙に登場する少年少女達の雰囲気も、昭和チック。
強烈にノスタルジーをかき立てながら、それでいて現代的にも見える・・・。

好奇心ををビンビンに刺激して止まないのに、何故か買えなかったこの作品、
なぜかと言えば、それは「ネジレていない」から。
表紙に登場する少年少女達の視線は、あくまでも真っ直ぐで、
日頃、「陰謀論」などをブログに書き付ける中年オヤジには、
あまりに眩しすぎるのです。

■ カーボーイ・ビバップのコンビが贈る青春JAZZストーリー ■

「カーボーイ・ビーバップ」と言えば、一世を風靡したアニメですが、
その監督、渡辺信一郎と、音楽を担当した菅野よう子のコンビが、
「坂道のアポロン」のアニメ化で再現するという。
これが、面白く無いはずが無い。

という事で、「期待」に胸躍らせながら見てみました。

期待通りの出来です!!

■ 高校生・不良・秀才・JAZZ ■

ここからネタバレ

1966年、夏。

横須賀の高校から佐世保の高校に転校してきた「西見 薫」(にしみ かおる)は
秀才ながら、黒縁めがねの青びょうたんで、直ぐにイジメに合います。
彼は唯一自分と取り戻せる場所、屋上に向かいますが、
屋上のドアの前に誰か寝ている・・・
それが、札付きの不良と恐れられる「川渕 千太郎」(かわぶち せんたろう)

千太郎はあろう事か、薫の同級生。
そして、何故か千太郎は薫に興味がある様子。
上級生も一目恐れる不良の千太郎に振り回されるうちに、
薫はいつしか、他人の目が気にならなくなっている自分に気付きます。

千太郎には、迎 律子(むかえ りつこ)という幼馴染の同級生がいます。
髪を二つに結わえた、真面目な学級委員の律子は、
何かと千太郎の世話を焼き、新入生の薫の面倒も見てくれます。
律子は、無邪気に薫の事を褒めますが、薫はそんな律子に淡い恋心を抱き始めます。

クラシックピアノを弾く薫が、レコード店として連れていかれたのは律子の家。
その地下室には、立派な防音設備を備えたスタジオがあります。
そして、そこで一人、ドラムを叩いているのは、何と不良の千太郎。
それなりの腕前です。

お坊ちゃんの薫にJAZZなど弾けまいと、わざと薫に突っかかる千太郎。
ピアノでJAZZの一節をシングルトーンで弾いてみせます。
この曲なら弾けると、コード交えて弾いてみせた薫に千太郎はこう言い放ちます。

「ボンの弾いたのはジャズじゃない。スイングしとらん」

1Fのレコード店に戻った薫が買ったのは、「アートブレーキーのモーニン」
先程、千太郎が弾いた曲です。
・・そして、それは、モダンジャズの名曲中の名曲。

それから薫は千太郎への対抗意識から、モーニンを練習します。

「濁った和音、JAZZ独特のシンコペーション。」
「頭では分かっているけれど、再現するのが難しい・・・」

さて、薫はJAZZの世界に引き込まれてゆくのか、
薫と千太郎と律子の関係はどうなるのか、
家内と娘と一緒にワクワクしながら次回を待っています。

物語は2話目で千太郎の過去を少し匂わせます・・・。
これから、千太郎の秘密が明らかになるのでしょう。

■ まさに王道ラブストーリー ■

三角関係、不良、秀才、学級委員・・・そして1960年代の佐世保とJAZZ。
まさに昭和の「王道」です!!


オタクアニメや漫画が溢れる中で、
少女マンガは「オーソドックス」のスタイルを守っている保守的なジャンルです。

「ちはやふる」や「のだめカンタービレ」の様な意欲作も生まれますが、
かつての「竹宮恵子」や「萩尾望都」を生み出した時代のエネルギーは失われています。

そんな「少し古臭い少女マンガ」というジャンルの表現手法を逆手に取って
思い切り「ノスタルジー」を搔き立てる設定と絵柄で、
往年の漫画や日活映画の王道ストーリーに真正面から挑戦する「坂道のアポロン」。

意図的に「古い土俵の上」で勝負する事を選んだこの作品が、
どの様に現代的な飛躍を見せるのか、目が離せません。

まさに期待通りの「坂道のアポロン」でした。


ところで、2話を見る限り、菅野よう子は今回実に控えめです。
時代背景的にもJAZZは往年のフォービート、ハードバップの時代です。
バンドサウンドの演奏を引き立てる為に本編では音楽は控えめです。
喧嘩のシーンで、活きの良いJAZZが花を添えますが、
それ以外は、むしろピアノの短い曲が、シーンの転換に用いられる程度。

「その程度」と言っても、そこは菅野よう子。
ハード・バップ風の曲も凡そJAZZらしくないメロディーから導入して見せたり、
ピアノ小品風の短い曲を良く聞くと、とてもマニアックな事をしていたりします。
ここら辺はやはり、凡百の作曲家と一線を画する所。

ただ、カーボーイ・ビーバップの様に、
サウンドトラックがストーリーを引っ張る様な展開を期待すると肩透かしを喰います。

これは批判では無く、ドラマがじっくりと造りこまれている事への賛辞です。
音楽が表に出るにのは、あくまでも「JAZZの演奏シーン」と決め手いる様です。



■ 期待を裏切り続ける展開に唖然・・・「謎の彼女X」 ■



書店で爽やかさを振りまく「坂道のアポロン」の近くに平積みされて、
「異臭」を漂わせる作品があります。
「謎の彼女X」です。

こちらも、何度も手を伸ばしながらも、結局は買えないでいました。
「これを読んだら人生終わりだよ」的な危険な臭いが何故だか漂う作品です。
だから、何度もレジに持って行こうとして、本能的に売り場に戻してしまう・・・。

その「謎の彼女X」が何とアニメになるという。

「見ていいのだろうか・・・・」そう思いながら、娘と第一話をチェック!!
(てか、娘と見るなーーーとお叱りを受けそう・・・・)


期待を裏切る面白さ!!   最高です!!

■ 全く先の読めない展開・・・期待は全て裏切られる ■

椿明(つばき あきら)は、普通の高校2年男子。
性に対する興味も、健康な男子たるもの、あるのが当たり前。

そんな明のクラスに転入生が入ってきます。
前髪で目を隠した、暗い雰囲気を漂わすその女子の名前は卜部美琴(うらべ みこと)。

「宜しく」と一言、低い声でクールに挨拶したその転校生は、
休み時間は、「即寝」。
女子が「ウ~ラベさん。一緒にお弁当食べない?」と誘っても、
「ゴメン、わたし今、とても眠いの。」で瞬殺。

おまけに授業中にイスから転げ落ちる程の、一人大爆笑!!
「すみません、今、個人的にとても面白い事があって、
 でも、個人的だから言葉で言い表すことは出来ないのですが・・・。
 以後、気をつけます。・・・ウ・・プププ・・・」

完全にイカレテます。この転校生女子。

■ 「ヨダレを舐める」 ■

そんな誰もがやんわりと敬遠する卜部が、放課後の誰も居ない教室で眠り続けています。

忘れ物を取りに戻った明が彼女を揺り起すと・・・
・・・その口元にはヨダレがツーーと糸を引きます。

明は初めて見る卜部の素顔に一瞬ドッキとしますが、
さすがにヨダレに気付いて、醒めてしまいます。

卜部が去った教室の、彼女の机の上には、彼女のヨダレが溜まっています。

それをしばらく眺めた明は、おもむろに指で掬って・・・・

エーーー、あろう事か、卜部のヨダレを舐めてしまいます!!

「甘い」

直後、自分の行動に気付いて、慌てて教室を去ります。

■ アニメ・漫画暦40年で初めての衝撃!! ■

エー!!アニメを40年見続けてていますが、
ヨダレを舐めた主人公は初めてだ。
これは衝撃です。

ところが、明はその後、発熱してしばらく学校を休みます。

そんな明の部屋を、唐突に卜部が訪れます。

無防備に明のベットに座った卜部は・・

「あなた、舐めたでしょう」

エーエーエー、この女、いきなり何言い出すんだ!!!

と、次の瞬間、彼女の人差し指は目にも止まらぬ勢いで、明のマスクを下げています。

そしてもう片方の指を自分でチュバっと加えると、

ネットリとしたヨダレを指にからめて・・・・

「椿君、口を空けて」と言った途端・・・

エーエーエーエー、ユダレだらけの指を明の口につ込んだよ、この女!!

「椿君、舐めて」

・・・・終わった・・・私の40年のアニメ人生が終わった・・・・。
こんな作品を、よりによって娘と見てしまった・・・・

でも、何だろう、この、とてつもない面白さは?!
「エイリアン」と「プレデター」と「サルトビえっちゃん」に
同時に出会ってしまった様な衝撃は・・。



「椿君の熱は、私のヨダレの禁断症状よ」

明は卜部のユダレにウィルスか化学的中毒性があるのかと聞きます

「椿君の病気は、恋の病よ。じゅあ、また明日」

って、オイオイ。なんなんだこの女。


■ さらなる衝撃を脳天を直撃!! ■

翌日から放課後に卜部が自分のヨダレを明に舐めさせるのが日課になります。
高台の道に別れ際、「舐めて」といって差しださえっれるヨダレまみれの指を
パクッって咥えて、
「じゃあ、明日も、あさってもね」と爽やかに分かれる高校生男女。

って!!どこが爽やかなんだよ。ヨダレ舐めてるじゃん!!

こんな事を毎日やっていて、
さらに卜部は結構カワイイのだから、
健全な高校生男子が恋に落ちないわけが無い。(って、相手はヨダレ女だよ!!)

意を決した明の告白に、

卜部は突然口元を押さえ、

指の間から、何やら液体が漏れ出し・・・

っと、突然、ゲロを吐くかの様に、大量のヨダレを嘔吐した!!!!

「私、嬉しい事があると、大量のヨダレが出る体質なの。」

きっぱり言い放つ卜部。

エーエーエーエー、そんな体質って!!
それを、喜びの表現だって、男子に言い放ったぞコイツ!!

おいおい、そこの男子、このシチュエーションで喜ぶのってオカシクないか!!

そんなこんなで、爽やかな高校生カップルの未来はいかに!!。


・・・すみません。
あまりの衝撃に、今日の人力は少し壊れています・・・・。

■ 誰もが抱えるフェティシズムをこんな表現で見せられるとは・・・ ■

人は往々にしてフェティシズム的感覚を持っています。
女の子のシャンプーの臭いに、そそられたり、
「うなじ」や「足首」や「指先」などのパーツに妙にエロチックさを感じたりする人が居ます。

「謎の彼女X」で作者が提示したのは、「ヨダレ・フェチ」。

まあ「フェチ」にも色々あって、「男の汗臭さ」に感じる女子もいる位ですから、
決して「ヨダレ」に興奮を覚える男子が居てもおかしくは無いのですが、
それを映像で見せられると、結構引いてしまします。


しかし、自身のフェチだけで、一本の映画を撮ってしまった監督が居ます。
フランの巨匠、エリック・ロメールです。



フランスの避暑地で出会った美人姉妹の、
よりによって末っ子の、まだ年端もゆかない少女の
ヒザに触りたくて触りたくてどうしようもない映画監督の話です。

ドキメントタッチで避暑地での少女達との交流が描かれたラスト、
脚立の上ったクレールの膝を目の前にして、男の取った行動とは・・・
あれ、ラストを忘れてるぞ・・・・。
だって、私は膝なんてどうでも良いと思っている人間ですから。

この時代のエリック・ロメールの最高傑作は「緑の光線」でしょう。
「人と何か違う」と思い込んでいる、もう若くもない女性が、
夏の終わりに、心を通わす事の出来る男性に出会って、
二人で、日没直後に水平線に現れるという緑の光線を見るというお話。
実は、これも「緑の光線」フェチだけで成り立つ映画とも言えますが、
わざわざロメールは「緑の光線」が見えるといわれるカナリア諸島でそれをカメラに収めますが
実際に劇場のスクリーンで見ると、緑なのかどうなのか、
今ひとつ分からない映像がラストを飾ります。
この、なんだかトホホ感も、フェチシズムには付き物なのでしょう。

でも、ヨダレはね、ちょっとね・・・・。

■ 期待を裏切る面白さ ■

「謎の彼女X」の面白さは、「期待を裏切る」面白さです。

普通、性的背景を匂わせた映像で、高校生男女がする事と言えば、
キスとか、○○とか、○△■とかでしょう。

それが、さんざん思わせぶりをした挙句に、ヨダレをパクリ。
これはAの次にBが来たら、次はCだと思わせておいて、実はXだったという
予定調和に対する裏切りです。

これが、ほんのちょっとのズレだと、「がっかり」という感情を生み出します。
ところが、「あまりに予想外」の展開だと、人間の脳は「パニック」します。
パニックして、間違って「快感物質」を放出してしまうのでは無いでしょうか?

だから、「謎の彼女X」を見終わると、妙に清清しい気分になる。
「坂道のアポロン」を見終わった時よりも、スッキリした気分の自分の気付きます。

はっきり断言します。  今期のマストは、「謎の彼女X」です。


■ 今期は良作が多すぎる ■

さて、今期のアニメも出揃ったので、注目作をいくつか紹介します。(極私的な判断ですが)
はっきり言って、今期は良作が多すぎます。





先ずは「ヨルムンガンド」。漫画原作の作品です。

若き女性武器商人、ココ・ヘクマティアルと彼女の傭兵部隊の物語。
どうやらココは戦争を防ぐ為に武器を売っている様です。

戦争とは、パワーバランスが崩れた所で発生します。
だから平時でも、敵対国が武装を強化したら、
それに見合った武器を相手国に売り込んで、バランスを取る。

同業他社が、それに乗じて過剰な武器を提供しようとすれば、
その命を非情に排除する。

ココと個性的な彼女の部下達は、かつて戦場で多くの血の犠牲に上に生き延びて来た様ですが、
現在、彼らが流す血は、平和の為の代償という事の様です。

内容的には青年誌で、ガッチリと描く事も出来る社会派ですが、
それをキャラ立ち良く、テンポ良く見せるあたりは原作漫画の魅力なのでしょう。
男性が空きそうな内容ですが、
「犠牲の上の平和」という日本のメディアが隠蔽する現実を知る上でも、
是非とも、女性の方にもお勧めしたい作品です。




「宇宙兄弟」は説明は要らないでしょう。
宇宙飛行士の実際を知る上でも、最高の作品であり、
エンタテーメントとしても最高の出来栄えです。



「アクセルワールド」はラノベ原作のバーチャル・バトル物。
1話目、2話目の映像を見るだけでも鳥肌物です。
話の内容も緊張感に溢れています。
最近のサンライズはロボット物意外で良作をバンバン出して来ます。
頭でっかちのIGを尻目に、一皮も二皮も剥けた感じがします。

バーチャル世界とリアル世界のSF的ギミックも素晴らしく、
これならお子様と楽しみながら見る事が出来ます。




ダークホースを一作品。
「さんかれあ」。これも漫画原作です。

ゾンビしか興味の無い男子高校生が出会ったお嬢様は、
どうやら訳あってゾンビになってしまう様です。

今時なオタクアニメのテイストとキャラで、新鮮味には欠けますが、
異形の恋愛の展開には興味が沸きます。



・・・以上、本日は今期アニメの「極私的注目作」の紹介でした。

でも、もちろんダントツトップは「モーレツ宇宙海賊」には変わりありませんが・・・・。
「輪廻のラグランジェ」が2期連続であったら、「モーパイ」の首位は危なかったかも・・・。

IMFの政策に日本は深く関わっている・・・日本は一方的被害者では無い

2012-04-19 13:12:00 | 時事/金融危機
 
 


 
財務省の篠原尚之IMF副専務理事と、ゼーリック前世界銀行総裁


■ IMFへの600億ドルは「貸し出し」 ■

昨日の記事の解説になります。

IMFへの600億ドルは、出資では無く、「貸し出し」でした。
同様にリーマンショック後に1000億ドル、故中川財務大臣から貸し出されていますが、
この内の半額は返済されているそうです。

今回の600億ドルはそれを、「再貸し出し」したという事の様です。
出所は外国為替特別会計。
ドルの外貨預金から手当する方法と、
政府が短期債を発行して日銀が買い受ける方法とがあります。

前者ならば、米国債を売却する必要もあるかと思われ、
多分、後者の様に為替介入同様、短期債を発効したと思われます。

■ 日本はリスクを負っている ■

5兆円とはもの凄い金額の様に思えますが、
政府と日銀は、同様の手法で兆円単位の為替介入を繰り返しています。

結果的に、ドルが手元に残りますが、
ドルにしても、米国債にしても、リスクがゼロではありません。

今回の5兆円の貸付も、「ドル建て」である事から、
世界の金融システムの安定の為に、日本がリスクを負ったと言えます。

「ドル崩壊」など決して考えてはいけないマスコミには、
これを「リスク」と書く事は許されません。
むしろ、「日本の対外資産が増大した」と書くでしょう。

■ IMFの副専務理事は代々日本人のポスト ■

・・・リスクの見返りが何なのか?
IMFの福理事は歴代、日本の財務省出身者が勤めており、
財務省の職員が多数出向しているそうです。

それだけ、日本も、日本円も世界の通貨システムに
ガッチリと組み込まれた存在です。

■ ユーロッパのIMF、アメリカの世界銀行 ■

IMFはブレトンウッズ会議の後、世界銀行と共に補足します。
専務理事は代々ヨーロッパ人が努めています。

一方、世界銀行の総裁は代々アメリカ人でしたが、
ゼーリックが辞任した後任に、
韓国系アメリカ人のキム・ヨン氏が就任しています。

IMFの専務理事や、世界銀行の総裁が欧米人に限られてういる事への
途上国や新興国からの不満は、以前から多かったので、
韓国系のキム氏の就任は、その不満を逸らす目的があるのかも知れません。

■ クリスティーヌ・ラガルドのIMF専務理事昇格は、ストロンカーン逮捕で成立 ■

IMFの全専務理事はストロンカーン氏でしたが、
アメリカのホテルで、客室係の黒人女性に暴行を働いたとして昨年逮捕されました。
しかし、これは客室係りの女性の狂言であったと裁判で判明しています。

ストロンカーン氏が逮捕されてしまったので、
IMFはクリスティーヌ・ラガルド氏を専務理事に昇格させます。

日本ではあまり報道させれる事の無かったこの事件ですが、
IMFを巡るスキャンダルには陰謀の臭いが立ち込めています。

さらに、ゼーリック世界銀行総裁も任期満了前に「辞任」しています。

IMFと世界銀行で何が起きているのか?
この問題を考えてただけでも、夜も寝れません。(しっかり寝てるけど)

■ 欧米の世界支配のシステムとしてのIMF ■

IMFも世界銀行も、通貨システムの安定を目的に掲げていますが、
IMFは途上国には「恐怖の存在」です。
国家財政が破綻した国に、IMFは資金を貸し出しますが、
タダではお金は貸しません。

その国の内政に徹底的に干渉し、
欧米の都合の良い国に、徹底的に改造されます。
農地改革や農業の近代化の名目で、伝統農業は破壊され、
モンサントやカーギルなどが支配する体制に組み込まれます。

アジア通貨危機で国家破綻に瀕した韓国では、
財閥が解体され、外国人資本家が韓国企業を支配する様になりました。
その結果、サムソンや現代が世界的に大躍進をしますが、
利益は国外に流出して、韓国の地方経済は崩壊寸前の状態です。

■ IMFの目的はユーロ防衛? ■

今回、日本のみならず北欧諸国もIMFへの出資を表明しています。
IMFが資金を厚くするのは、ユーロ危機への対応が主な理由でしょう。

ギリシャを発端にしたユーロ危機は、スペインに飛び火する事で、
いよいよユーロを根本から揺るがし兼ねない問題に発展し始めました。

スペインはギリシャ程酷い状態ではありませんが、
失業率が20%を超える状況で、国民の不満も高まっており、
ギリシャの様なノラリクラリとした対応では、本当にユーロが崩壊する可能性があります。
ですから、IMFも資金を厚くして、ユーロ防衛にそろそろ本腰を入れるのでしょう。

■ クリスティーヌには気をつけろ ■

ストロンカーン氏はいかにも悪者という顔つきでしたので、
クリスティーヌ・ラガルド氏の笑顔には、ついつい警戒心を解いてしまいます。

しかし、クリスティーヌのソフィスケートされた笑顔に鼻の下を伸ばしていると、
尻の毛まで抜かれるのがIMFだという事を忘れてはいけません。

そして、日本は財務省を通して、IMFの運営に深く絡んでいる事も、
絶対に忘れてはならないのです。