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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

巨大な鉄火場の為替市場・・・賭けの対照としての通貨

2014-09-25 09:41:00 | 時事/金融危機
 

■ 為替市場は巨大な鉄火場 ■

急激な円安進行でFXの取引をしている方の中には大きな損失を出された方のいらっしゃるのではないでしょうか?

私達庶民には馴染みの薄い為替市場ですが、その規模は一日の取引が5兆ドル(約500兆円)を越える巨大市場です。日本のGDPに匹敵する金額が毎日売り買いされています。

為替市場の取引は目的によって幾つかのグループに分類出来ます。

1) 実需 ・・ 貿易決済など
2) リアルマネー ・・ 年金や生保など。巨額の資金を長期的視野で動かす
3) 政府系ファンド ・・ 中東や中国などの政府系のファンドで投機的な動きもする
4) ヘッジファンド ・・ レバレッジを掛けて短期的に相場を動かす
5) 個人投資家 ・・ FXなど個人の為替取引
6) オプション ・・ 本来は為替変動リスクを軽減する取引だが、近年は投機的

これらの様々な目的に資金が、日々取引されているのが為替市場です。「取引」と言えば聞こえが良いのですが、投機的な取引は「通貨をネタにした丁半博打の世界」以外の何物でもありません。為替市場とは巨大な鉄火場なのです。

■ 個人はFX取引で勝てるのか ■

為替市場の動きを予測する事はプロでも難しく、投資のプロは決してFXなどには手を出さないと言われています。

例えば、日銀の為替介入などが良い例ですが、突然、数兆円規模の円売りが行われれば、短期的に円相場が1円や2円下落する事は容易です。例えば100円から102円に円安が進行したとします。レート的にはたかだか2%の変動に過ぎません。レートの変動幅だけ見ると、為替取引は個人には魅力の薄い取引です。

しかしFXでは最大50倍のレバレッジを掛けられます。自己資金の50倍の取引を信用取引で出来てしまうのです。2%の変動に50倍のレバレッジを掛ければ100%になります。一瞬にして資金が2倍になるのです。

但し、FX取引の怖いのは、負けた時には一気に損失が膨らむ事です。100万円の自己資金で50倍のレバレッジを掛けた場合、2%の相場変動で逆に相場が動いた場合は一瞬にして元手の100万円が消し飛びます。実際には証拠金維持率30%で強制的にロスカットされるので損失は出ないはずですが、実際の相場の変動が急激の場合は、損失が発生するのがFX取引の恐ろしい所です。

FX取引は基本的にリスクヘッジを掛けていない取引なので、借金をして丁半博打をしている取引です。為替市場の変動は、為替介入など予期せぬ急激な変動も起こるので、プロでも怖がる市場です。どんなに勉強して相場を先読みしても、一回の負けで全てを失うのです。

■ 相場の先読みはプロでも難しい ■

ところで為替の相場は先読み出来るものなのでしょうか?

為替を動かす原因として次の様なものが考えられます。

1) 通貨の量 ・・ 長期的には通貨間の量的な比率が相場に影響を与える
2) 予測 ・・ 日銀やFRBの量的緩和やその終了などを予測して相場が先行する
3) イベント ・・ アメリカの失業率や消費動向の数字などが短期的に相場に作用
4) 実需 ・・ 貿易の決済日など、実需が相場に影響を与える
5) 金利 ・・ キャリートレードなど金利差が相場に影響を与える
6) 危機 ・・ 戦争や経済不安などの危機が相場に影響を与える

この様に様々な要因が複雑に絡み合って動く為替市場で相場を先読みする事は意外に難しいものです。トレンドとしての円高や円安はある程度予測出来ますが、短期の変動、特に為替介入や突発的な有事を予測する事は不可能です。

日銀の為替介入や、ヘッジファンドの運用などを鑑みるに、短期的であれば数兆円の資金で相場は大きく変動します。特に、相場が一つの節目に達している時には、その影響も拡大します。

■ 今回の円安は日銀とFRBの将来的な通貨政策の違いに反応している ■

今回の急激な円安の原因は何でしょうか。

FRBはテーパリングを10月には終了し、来年度は利上げにチャレンジします。一方、日銀は消費税10%への引き上げを実現する為に追加緩和で景気を刺激する可能性があります。

このどちらも「予測」にしか過ぎませんが、市場は現実に先駆けて変動するので、基調として円安-ドル高のバイアスが掛かります。

「ゆうちょ」や「かんぽ」が米国債残高を増やしている事から、日本の半公的資金も円売りドル買的な取引を拡大しています。これは兆円単位の取引ですが、分散されているので、相場を一気に変動させるものではありませんが、バイアスとしての円安を演出している節があります。

日銀の黒田総裁の円安容認発言も市場は重視しているはずです。日銀が介入しないのであれば安心して円安に賭けられます。

そういった「円安のバイアス」が強まっている所に、スコットランドの独立選挙が絡んで来ました。スコットランドの独立が直接日本経済や円に影響を与える訳ではありませんが、ポンドが下落してドルが値上がりした事で、ドル高の影響がドル円相場にも相対的に表れたと考える事が出来ます。

要は、今回の円安-ドル高は、「将来予測」で「円安のバイアス」が掛かっている所に、スコットランドの独立問題という「イベント」が絡んで発生したものでは無いでしょうか。

短期的には相場は逆に振れますが、「円安-ドル高」というトレンドはしばらく続きそうです。今後、消費税10%の議論が高まる程、日銀の追加緩和期待で市場は円安方向に動き易くなります。

■ 非常に不健全な日本の株高 ■

日経平均がアベノミクス以来の最高値を更新しましたが、円安を反映した値動きです。アベノミクスが始まった昨年と非常に似た市場の状況が発生しています。

1) 円安のバイアスが高まっている
2) 日銀の追加緩和への期待が高まっている

ヘッジファンドなどは、昨年も日銀の異次元緩和前に円売り、日本株買いを仕掛けています。

ただ、前回はアベノミクスによる景気回復という「健全な期待」が存在しましたが、今回は単純に市場の思惑で相場が変動している事には注意が必要です。非常に不健全な相場の上昇です。

■ 日本の景気の長期低迷を予測した円安バイアス ■

円安はどの程度まで進行するのか、プロの方も色々と予測をしています。110円を基準にした相場に移るのではないかというのが大方の予測でしょう。

アメリカが利上げに踏み切れば円キャリートレードの歯車が回り出しますので、将来的には120円というリーマンショック前の相場が復活するかも知れません。

■ 悪い円安 ■

一方、日本の経済力は確実に低下しています。貿易赤字が常態化し、経常赤字も予測される中で、円は長期的には弱くなります。この影響が強く出るのは、アメリカの利上げ以降だと思われますが、アメリカ経済でアクシデントが起こらない限り、120円を超えて円安が進行する可能性は高いのでは無いでしょうか。

こうなると、輸出企業の業績回復よりも、輸入物価の上昇が日本の経済を締め付け始めます。既に、消費税増税の便乗値上げで実質所得が低下し始めた日本の庶民にとって、さらなる値上げは消費を確実に減衰させます。

■ アメリカの思い通りに行くのだろうか? ■

アメリカが利上げに成功し、一方日本が消費税10%を強行した場合、日本からアメリカに資金が流出するので、日本経済は日銀の量的緩和にも関わらず低迷する可能性が高くなります。それが金利差を拡大して、一層、日本からアメリカへの資金流出を加速させます。

この様な状況で日経平均が現在の水準を保つもと思えませんので、どこかで一度、大きく値崩れすると私は妄想しています。日経平均が暴落して8000円を割った所で、外資が思い切り日本株を買い漁るのではないでしょうか・・・。

アベノミクスの筋書きを書いているのは金融資本家達ですが、はたして彼らの思惑通りに事が運ぶのか・・・。

アメリカの利上げがスムーズに達成できるかどうかが最大の関門です。低金利の資金供給の減少は間違いなく市場に影響を与えます。そして、一番弱い所から影響が出てきます。米国内ではサブプライム層の自動車ローンと、ジャンク債市場が注目されます。

ただ、バーナンキショックの時も真先に影響が出たのは新興国市場でした。中国の不動産市場は相当ヤバイ状況ですが、中国市場から外資が一斉に引き上げる状況になれば、世界経済にも大きなストレスが掛かります。


・・・陰謀論的には、世界経済の歪が解消するとは思えないので、アメリカの利上げが切っ掛けになって、中国のバブル崩壊。そして東アジアの緊張の高まりから、尖閣紛争・・・。

そんなこんなで、世界経済も一気に崩壊モードに突入して、親の総取りで、現在の金融相場が終焉を迎えるのではないかと妄想しています。



まあ、当たらない事で有名な人力予測なので・・・・投資をされる方はご注意を。

シリア空爆はなし崩し的にアサド政権崩壊へと繋がるのでは?

2014-09-24 07:43:00 | 時事/金融危機
 

■ シリア空爆に踏み切ったアメリカ ■

イスラム国(ふざけた名前だ)を制裁する為にアメリカがとうとうシリア空爆を実行に移しました。ところで、シリア政府はこれを黙って見過ごすのでしょうか?自国領内に他国が勝手に爆撃すると言う事は主権侵害であり、本来は許されるものではありません。

アメリカのトマホークの標的がイスラム国に向けられているのか、それともシリアの防空システムに向けられているのかは、ミサイルが着弾してみなければ分かりません。シリアとしてはアメリカの空爆に対して、防空システムで対抗するのが当然の反応かと思われます。

■ シリアの防空システムを執拗に攻撃していたイスラム国 ■

アメリカが過激なテロリストとして糾弾しているイスラム国ですが、何故か最新鋭の装備を保有しており、シリア国内でシリアの防空施設を攻撃していたと言われています。

今回の空爆の標的であるはずのイスラム国が、空爆のお膳立てをして、さらには空爆の口実にもなっているのです。もう、「陰謀」なんて言葉が白々しく感じられる程に「真っ黒」です。

■ 標的が180度変わった空爆の標的 ■

アメリカや国は、ミサイル巡洋艦2隻からトマホークを47発発射。その他にF16やF18といった艦載機、さらにはF22も作戦に参加した様です。カタールやヨルダン、サウジアラビアなどの中東諸国も作戦に加わっています。標的は正式な発表では、イスラム国の主要施設と、アルカイーダの拠点とされています。

シリアがこの空爆に対して迎撃したかどうかの報道はされていません。表向きはシリア政府に反抗するイスラム国を制裁する空爆なので、シリア政府にも空爆のメリットがあります。

ところで、先般アメリカがシリアの空爆を試みようとした時には、その標的は化学兵器を使用したとされるシリア政府でした。しかし、この空爆は国際世論の賛同を得られず、オバマ政権は空爆を断念しています。

シリアの後ろ盾となっているロシアや中国も、アメリカの空爆を黙って見過ごす訳がありません。ロシアはミサイル巡洋艦などを派遣していたので、一歩間違えれば米中の直接戦闘などという事態も起こり得ます。

そこでアメリカは作戦を変え、シリア政府に敵対するイスラム国を攻撃する事で、シリア政府やロシアが空爆に反対し難い状況を作りだしています。さらに、自国ジャーナリストを殺害したイスラム国への制裁という形で、アメリカ国内の世論も抑え込んでいます。

■ ウクライナ問題から反対し難いロシア ■

今回のシリア空爆ではロシア政府がおとなしいのが気になります。ロシアと欧米の関係はウクライナ問題で緊迫していますから、もう少しロシアが口出してもおかしくないところ。

ただ、ウクライナではロシアが他国に介入している為、アメリカのシリア空爆をあまり攻め立てると、ウクライナでのロシアの行動が逆に非難される恐れがあります。ウクライナでのロシアの行動と、シリアでのアメリカの行動をバーターする様な取り決めでもあるのでしょうか?

■ どうしてシリアは反撃しないのか? ■

今回の作戦にはF16やF18といった航空戦力も参加しています。本来、航空戦力の投入はトマホークなどの無人兵器で防空レーダーとか、防空ミサイル施設などを破壊した後に行われます。そうで無ければ、航空戦力はシリアの対空ミサイルの格好の餌食となってしまいます。

航空戦力を早期に投入したという事は、アメリカはシリア政府が反撃しないという確証を持っていたと考えられます。口では同意していないシリア政府が裏でこの空爆を支持している可能性も否定出来ません。

或いは、ハッキングなどで空爆の間、シリアの防空システムを沈黙させる事が出来るのかも知れません。イスラエルは度々シリア領内を攻撃していますが、どうやら防空システムを麻痺さえる手段を持っていると言われています。

1) 今回の空爆は裏でシリア政府もロシアも承認済
2) シリカの防空システムが何等かの方法で無効化された

私個人としては1)の可能性が高い様な気がします。但し、イスラム国制裁という利害一致が理由では無く、アサドとアメリカとロシアは裏で結託して一つのシナリオを演じている様に感じられて仕方ありません。

■ なし崩し的にシリアの防空網を潰すのでは? ■

アメリカやアラブ諸国は、一度「シリア空爆」という規制事実を作ってしまえば、シリア政府施設への空爆への敷居が下がったと考えるでしょう。

空爆の対照がイスラム国でも、シリア政府でもアメリカの一般国民はあまり気にしないでしょう。イスラム国への空爆が、なし崩し的にシリアの防空施設への空爆になったとしても、世論はそれを見過ごしてしまう可能性は高いと思います。

■ アサド政権を打倒すればシリア国内が混乱し、結果的にイスラエルが危なくなる ■

シリア情勢は、基本的にエジプトやリビアで起きた事と似ています。アメリカは仮にアサド政権を打倒したとしても、その後の事にあまり口出ししないはずです。当然、シリアは内戦状態になり、その中で反アメリカ、反イスラエルの組織が台頭します。

結果論から言えば中東の春は、中東に平和では無く混乱をもたらしただけでした。同じ理由からシリア政府を打倒しても、中東の混乱に拍車が掛かるだけではないでしょうか?

■ 目的は中東戦争? ■

シリア政府がなし崩し的に崩壊すれば、政府の武器をイスラム国が確保する可能性は低くはありません。アメリカは地上軍を展開する事を考えていない様なので、ハナからこれを阻止する気がありません。

こうして、エジプトやリビアやシリアという、アメリカやイスラエルに対抗しているかに見えて、実は中東の安全弁の役割を果たして来た政権が排除され、徐々にイスラエルに対する不安定な状況が生まれています。

中東における戦争の歴史は、アメリカのドルの基軸通貨の価値の保全の歴史ですから、ドルに崩壊に兆しが見れば、中東戦争というカードが切られる可能性は低くはありあません。結果的に原油価格が高騰して、ドルの需要が拡大します。

イスラム国などというミエミエのプロパガンダを利用してシリアを空爆する強引さの先に、いったい何が待ち受けているのでしょうか?・・・私、気になります。

アリババのNY株式市場上場・・・アリババは第二のアマゾンになれるのか?

2014-09-22 14:12:00 | 時事/金融危機
 

■ アリババの時価総額が25兆円に ■

中国企業「アリババ」がNY株式市場に上場を果たし、218億ドル(2兆3700億円)を調達しました。時価総額は25兆円。

一介の英語教師がアパートの一室で始めたビジネスが急成長して、とうとうNY市場に上場するまでになったというのは、アメリカンドリームならぬチャイニーズドリームを体現しています。

ところで、アリババというのはどんな企業なのでしょう。話題ばかりが先行して、私達に馴染みが薄い企業です。

■ B2Bによる企業間電子取引の仲介を本業とする ■

アリババのビジネスモデルはB2Bによる企業間電子商取引の決済仲介です。簡単に言ってしまえば、アマゾンや楽天市場の企業同士版。

1) 売りたい商材のある企業は、アリババに商品の広告を掲載します。
2) 広告を見た企業が、アリババを通してコンタクトし、商談を進めます。
3) アリババの収益の柱は企業の広告収入

アマゾンは企業(B)と個人(C)を直接結び付けるB2Cというビジネスを開拓して、中間コストを削減する事で、消費者も販売者もウマーのビジネスを作り出しました。これによって卸売など中間業者はビジネス機会が縮小するので、一種の破壊型ビジネスです。

一方アリババのB2Bは、従来の企業間のビジネスを作り出す上で、商品見本市や展示会の様な役割を果たしています。従来は、国際見本市などに出掛けて行って商品を見て商談を進めていた所を、ネットでやってしまおうという発想です。

アリババのビジネスで衰退するのは商社などの仲介業者です。

■ 巨大な中国市場と、安い中国製品が武器 ■

アリババに似た様なビジネスモデルを提供するネット起業は他にもあるでしょうが、アリババに注目が集まるのは、やはり中国で既に成功している点では無いでしょうか。

要は、アリババに広告を出す企業は「中国の巨大な市場」に期待しており、一方、中国企業は安さを武器に世界市場に直接進出する事を狙っているのです。

アリババがもし楽天の様な日本の企業で、既に日本でB2Bのネットワークを構築していたとしても、これ程までには注目されなかったはずです。

■ アリババは第二のアマゾンになれるのか? ■

フェースブックの上場がNY市場を沸かせた事は記憶に新しいと思います。しかし、フェースブック株は上場直後から値を下げています。話題ばかりが先行して期待を煽りましたが、フェースブックのSNSというビジネスが将来どの様にお金を生み出して行くのか、今一つ不透明な所があるからです。

一方、アリババのビジネスモデルは明確です。そして、従来、地理的、或いは言語的に分かたれていた世界の企業を、アリババのシステムの上で結び付けるメリットは非常に大きいと誰もが考えます。

今後アマゾンを始めとして様々なネット起業がアリババに挑戦すると思われますが、アリババの最大の武器は世界最大の市場で、世界最大の工場である中国を既に押さえている事です。

「アリババが第二のアマゾンになれるのか」という問いに対する答えはYESだと思います。

■ 唯一の不安材料は中国国内に有る ■

順風満帆に思えるアリババですが、アリババの最大の武器である中国が、アリババにとってもウィークポイントになるリスクは念頭に置いて置く必要があります。

世界的景気後退の影響で、中国国内の生産活動は鈍化しています。さらに中国の不動産市場はそろそろ限界に達するので、理財商品の崩壊など、バブル崩壊の兆しが見え始めています。

これに追い打ちを掛けるのがTPPでしょう。中国抜きのTPPが成立した場合、TPP域内での貿易の拡大は、中国の製造業に少なからぬ影響を与えます。

この様な様々なマイナス要因によって中国経済が失速した場合、中国で最も心配されるのは国内での暴動の発生と拡大です。社会的な歪みが高まっている中国では、連日の様に暴動が発生していますが、経済が破綻すれば、これが全国規模で急激に拡大するでしょう。

当然、中国政府は武力を持ってこれを鎮圧しようとします。第二の天安門事件が全国規模で起きるのです。

これに対して、人権に敏感なアメリカ人が黙っているはずが有りません。対中貿易の制限などの経済制裁を実行する可能性は低くは有りません。日本などもそれに追随せざるを得ないでしょう。

アリババに死角があるとすれば、中国国内の経済と政治問題なのです。

■ 孫氏の先見性と危険性 ■

ソフトバンクの孫氏はアリババの成長性を見抜いていた点において投資の天才です。今回の株式上場で所有するアリババ株は5兆円の値打ちがついたと報道されています。

ただ、これは5兆円儲かったのでは無く、所有するアリババ株の時価総額が5兆円になっただけで含み益が増えただけです。株を売却しなければ利益は確定しませんが、今、大量のアリババ株を売りだせば、せっかくの株価が下落するので、孫氏は当分はアリババ株は売らないと明言しています。

一方でアリババ株はソフトバンクが銀行から資金調達する際には資産と見なされ、ソフトバンクのバランスシートもお化粧してくれます。突然5兆円の資産が増えた訳ですから、2兆円、3兆円といった負債が小さく見えてしまいます。

しかし、前述した様に、アリババ株は中国の政治的リスクを抱えていますから、将来的にはリスクが無い訳では有りません。

中国が現在のバブル経済を上手にソフトラディングできるのかどうか、「中国リスク」は今まで以上に注目が集まるでしょう。


そして陰謀論的には、中国のバブル崩壊と、国内の混乱の目を逸らす為の日中紛争は既に既成事実だと思っています。「尖閣紛争」と呼ばれる軍事衝突の準備は既に済んでいます。

韓国の動向が気になりますが、朝日新聞が従軍慰安婦問題の報道を訂正した事で、アメリカ主導で日韓関係の修復が進むのならば、中国VS日米韓という対立になるのかも知れません。


緩和マネーに浮かれる市場が崩壊する時、様々な仕込みが発動するのでしょう。アメリカが利上げをして1年後位に世界はどうなっているのか?2017年は歴史の教科書に残る年になるのかも知れません。

人生初落車・・・下り坂には気を付けろ!!

2014-09-22 08:12:00 | 自転車/マラソン
 



■ 養老渓谷までメーター読み平均速度30Km/h達成出来ず・・・ ■

予報が外れて青空が広がった日曜日。6時に家を飛び出して自転車で養老渓谷を目指します。暑さ寒さも彼岸までと言いますが、今朝は半そでのウエァーでは肌寒さを感じる気温。

熱中症を気にせず走れるので、少しスピード練習でもしようと、なるべき35Km巡航を心がけます。途中、コンビニで朝食をのんびり食べたりしましたが、養老渓谷まで、うぐいすライン経由で72Kmをメーター読み29.7km/hで到着。養老清澄ラインに入ってからペースアップしましたが、なかなか30km/hで到着する事は難しい。ちなみに本日はほぼ無風。

本日の相棒はクロモリのレモン2号君。(実はカーボンの1号君は、カンパのクランクのベアリング交換中でしばらく使えません)

■ お彼岸の山村 ■



帰りは大福山に登って月崎に出ようと思います。養老渓谷駅のすぐ先の踏切を渡って、のどかな山間の田園風景の中を進むと、民家のブロック塀の先に、立派な橋が現れます。「渓谷橋」です。



養老渓谷は養老川が山を侵食して出来た谷ですが、房総の山は柔らかい砂岩で出来ているので、川は山を深く浸食します。普通の田圃の先が、いきなり数十メートルの深さの谷になっていたりするのです。

渓谷橋のすぐ下流には「宝衛橋」が掛けられています。この二つの橋、地図で見るとすぐ近くなのですが、実際には標高差が結構あります。



「渓谷橋」を渡ると、切通しに半分埋まる様な形で建てられた水子地蔵の御堂が現れます。馬頭観音も祀られているので、道祖神を兼ねているのでしょう。



彼岸花が畔道やお墓に咲き乱れています。ちょうど彼岸なので、お墓詣りをしている人の姿を多く見かけます。お墓が田圃の中にポツンと建てられていたりします。農村ではお墓は生活の中に自然に溶け込んでいます。



旧な坂道を下って行くと「黒川沼」が現れます。水面は浮草に覆われていますが、水際にモミジが沢山植えられてういるので、紅葉のシーズンはきっと綺麗でしょう。

ここから大福山に登って行きますが、若い自転車乗りさんと一緒になります。BMC乗りさんです。どちらからともなく「ご一緒しましょう」と話しかけ、一緒にヒルクライム。タイムを計っている訳では無いので、談笑しながら、途中坂のきつい所では、二人でハアハア言いながら登ります。クリ地雷を踏まない様に注意して登ります。

大福山への道は途中崩れて通行止めの標識が出ていますが、先日MTBで来た時には、崩落は道の端だけだったのっで余裕で通り抜ける事ができました。



しかし、本日は補修工事が始まっていて、何と道がありません。そこで来た道を下ります。小枝やイガグリが転がっているので、あまりスピードは出しません。

■ 人生初落車 ■

話をしながら中腹まで下りて来た所、コンクリート舗装のギャップを越えたら、いきなり前輪がロックしました。何かにハマった感じ・・・。

それからは、前のめりに後輪が持ち上がり、慌てて左のビンディングだけはどうにか外しましたが、後は自転車が勝手に何処かに飛んで行きました。

目の前には道路脇のコンクリートの側溝が迫って来ます。こんな所に頭から突っ込んだら大けがをします。自由になった左足で地面を少し蹴って、側溝の向こう側の草地に肩から転がります。ちょっと顔面スライディング気味。

ロードバイクに乗り始めてから7年目になりますが、初落車です。(立ちごけは得意ですが・・・)イヤー、ビックリしました。

後ろから走っていた同行者もさぞビックリした事でしょう。巻き込まなくて本当に良かった。「大丈夫ですか、自転車が一回転していましたよ!!」と状況を説明してくれました。
「コンクリート舗装の縦の継ぎ目に引っ掛かったんですね」と簡単に状況見分してくれました。

幸い、右手の親指を少し擦りむいただけで、他に怪我は見当たりません。自転車も壊れてはいない様です。左側に倒れ込んだので、ディレーラーも無事。シフターに少しキズが出来た程度で済んでいます。ホイールが前後輪とも振れていないのはラッキーでした。特に溝にタイヤを取られた前輪が無事なのは奇跡に近い。

「クロモリバイクで良かった!」と心から思う瞬間です。カーボンの場合、見た目が大丈夫でも、こんな派手なコケ方をしたら、この後、乗っていた不安になります。クロモリなら、例えフレームが少し歪んでも、ショップで直してもらえます。

気は動転していますが、とりあえずゆっくり走って自転車の様子を見ます。ギアチェンジも問題無い様なので、とりあえず養老渓谷の駅まで戻ります。ここでBMC乗りさんと別れて、自転車の細部をチェックします。(BMC乗りさん、驚かせてしまって申し訳ありませんでした)

■ 気を取り直して浦安に帰る ■

自転車は問題無さそうなので、気を取り直して浦安に帰る事にします。本日は最初から朝練のつもりだったので、輪行バックは持って来ていません。自走で帰れて幸いです。

落ち着いたら、ようやく恐怖心が湧きあがってきます。養老清澄ラインの下り坂を慎重に下ります。里見を過ぎた辺りでようやくペースに乗ります。後は浦安までスピードトレーニング再開です。帰りはやや向かい風。

■ 一難去って又一難 ■

本日は厄日かも知れません。

幕張を過ぎて、習志野市の市営墓地の横を走行中、いきなり家族4人が乗ったマーチが左側に寄って進路を塞いで減速してきました。私の後ろからは、もう一人自転車乗りさんが追走してきていましたので、急減速で後ろから突っ込まれる事を覚悟してフルブレーキ!!

マーチの家族はお彼岸の墓参りの為に路肩に寄ったのでしょうが、私を追い抜いて左に寄せていますから、前方も後方も完全に注意を払ていません・・・・。

実は休日はこんな車が多い。先週も大多喜街道を車と並走していたら、生垣の中から突然軽トラックが顔を出して来ました。それが車である事を認識する前に、体が反応して道側に30cm程飛び出して除けましたが、今度は後ろから車が来ているので、直ぐに路肩の寄って事無きを得ました。こういう動作は、体が勝手にやってくれます。「危ない!!」と思うのは、危機が過ぎてからです。子供の頃から自転車ばかり乗って危ない目にも沢山逢っているので、こういう時は小脳反射で危機を避ける様です。

確かに狭い路肩を走行する自転車はドライバーの方にとって不愉快かと思います。渋滞の国道を走っている時にはワザワザ路肩を塞ぐ様に左側にせり出して進路を塞ぐ運転手も居ます。

トラックも結構幅寄せして来ますが、彼らは限度を心得てうるので、安心感が有ります。それに比べて、一般のドライバーの方の幅寄せは本当に怖い。さらに、後方を見ずに、ウィンカーも出さずに左の路肩に寄せるドライバーが本当に多い。道の反対側のコンビニに入る為に一旦路肩に寄るドライバーも多いのですが、対向車だけに注意が行っていて、すぐ後ろから自転車が走って来る事なんて眼中にありません。こんな状況で何回ヒヤリとしたか分かりません。

そんなこんなで、ようやく浦安に到着。湾岸道路の歩道を渡っていたら、今度は左折車がよそ見をして突っ込んで来ました。助手席の方を見ていて、歩道を渡って来る私には全然気づきません。幸い、スピードは出ていなかったので、衝突はしませんでしたが、ドライバーの方は私に気づいてビックリ!!

■ 自転車も車も交通ルールを守りましょう ■

狭い日本の道で路肩をチョロチョロ走るロードバイクは、ドライバーの方には本当に迷惑でしょう。まして、納期に負われるトラックの運転手さん達には、道を塞ぐ自転車は腹立たしい存在である事は容易に想像出来ます。

ですから、自転車乗の私達もなるべく道を開けて大型車を先行させる気遣いは必要です。道路の右側に出る時は、手で合図する事も自転車乗りの最低のマナーでしょう。

その上で、危険な幅寄せをして来る一般のドライバーの方は、本当に腹立たしい。こういう方はいつか本当に人身事故を起こす事でしょう。

■ 道路補修の予算不足で、路肩が荒れている ■

最近、自転車乗りの間では、「路肩が荒れている」事に対する不満が多く聞かれます。

国道などの幹線道路ですら、路肩の陥没やギャップ、轍が長い間放置されています。昔は直ぐに修理されていたので、道路予算の不足はこんな所にも影響を与えています。

昼間でも道路の段差を見逃して、ハンドルから一瞬手が離れる事があるので、最近では夜間走行はしない様にしています。

本日は落車よりも、サンデードライバーにひやりとさせられた一日でした。自転車は楽しい乗り物ですが、ドライバーさん達に迷惑を掛けない様、交通ルールを守って乗ろうと、心に誓う一日でした・・・。


本日は走行距離 150Km
メーター読みの平均速度は 27.0Km/h

帰宅後、太腿の内側が思い切り痙攣しています。涼しいとは言え、スポーツドリンクの量が足りなかったのかも知れません。

それと、夕方から右の肋骨が激痛。あれあれ、ヒビでも入ったかな?と思いましたが、シップを貼って一晩寝たら、痛みもだいぶ和らぎました。多分、打撲ですね。他に肩とお尻が打撲気味。この程度で済んだのはラッキーでした。

賃貸物件の建設ラッシュ・・・相続税対策の罠

2014-09-18 05:19:00 | 分類なし
 

■ 空地が次々に賃貸マンションやアパートになってゆく ■

最近、近所の駐車場が次々に賃貸マンションやアパートが建てられています。消費税増税後に勢いが衰えると思いきや、逆に増えている印象です。

これらの賃貸物件は相続税対策で建てられている物がほとんどでしょう。元は更地の駐車場で、月極1万5千円以上の場所がほとんどですから、収益率は非常に高いはずです。をれを敢えて借金をして賃貸物件を建てるのは、相続税を節約する為です。

相続時に資産は負債と相殺されますから、賃貸物件建設で借金をした方が、駐車場として土地を維持するよりも相続税が安くなります。

■ しわ寄せは古い賃貸物件に現れている ■

最近、私の周辺でアパート経営をしている友人や知人は「儲からない」とボヤキます。特に、築10年を越える物件を維持して利益を確保する事が難しくなっていると言います。

「近くの新築物件が安い家賃で貸し出した為に家賃を下げなくちゃ部屋が埋まらないんだよね。」と友人はボヤキます。「築10年にもなると、メンテナンス費用もバカにならないし、空き室が増えれば赤字になっちゃうよ」

実際に新築物件の家賃は過剰供給で下がり気味ですから、古い物件を持つオーナーは、空き室を発生させない為には、家賃を下げるしかありません。

■ 空き室率13.5% ■

現在日本全国では空き家率が13%に達しています。この数字は今後上昇してゆきます。人口が減少する日本において、空き家や空き室が増えるのは当然の事です。

ただ、この空き家の中には、本来は取り壊されるべき建物が放置されている物も少なくはありません。例えば、年老いた両親が老人ホームや介護施設に入居して亡くなった場合、自宅に居住する意思が有りながらも健康的、精神的理由により自宅を離れざるを得なかったと認められれば、空き家は「住居」として扱われます。

住宅地の中に荒れ果てた住宅が点在していますが、更地にするよりも、古い住宅が「住居」として残されている方が相続税が安くなるケースがあるのです。

空き家率13.5%の中には少なからず、この様な建物も含まれています。しかし、相続後には宅地として売られる事が多いと思われますので、新しい住宅が建てば、どこかが空屋になるので、空き家率が13.5%という数字が水増しされたは水増しされているという訳ではありません。

■ 空き家が増えると返済がままならない ■

私の知人の母親は父親から賃貸マンションを相続したそうですが、空き室が増えて、融資の返済がままならなくなったので、とうとう相続したマンションを手放したそうです。

私も自宅マンションが手狭になった時、賃貸物件を借りて自宅マンションを貸し出した事がります。この場合、確定申告をしなくてはなりませんが、ローンの返済を減価償却する方法が良く分からなくて、結局税金を沢山払った経験が有ります。

個人でマンション経営をする場合、確定申告など面倒な手間が増える事も注意が必要です。税理士を雇えるならば良いですが、入退出のあるマンションの経営管理や税務処理は意外に面倒です。

そんな苦労をしても、駅から少し離れた様な物件では空室が目立ち始めます。ある限界を超えると、マンションやアパートを建てた時に借りたローンの額が、賃貸収入を上回るケースも出て来ます。こうなると、ローンが焦げ付く事もあり得ます。

■ 銀行は土地建物を担保に融資している ■

ローンを借りる時に土地と建物を担保にしているケースがほとんどのはずですから、銀行はリスクは有りません。融資が焦げ着いたら担保を抑えれば良いのです。

賃貸経営を勧める建設会社も、建設資金は銀行融資で支払われるのでリスクは有りません。

ですから、銀行と建設会社が一緒になって空地のオーナーに甘言を弄し、賃貸物件の建設を勧めます。「消費税増税前に建てた方がこんなにお得ですよ」などと誘いを掛けます。

■ 一部を物納して駐車場にした方が儲かる? ■

駅から少し離れた物件では、将来的な空き室を考慮した場合、ローンを組んで無理して賃貸物件を建てるより、土地の一部を売却して相続制を払った方が、結局土地を手元に残せる場合も出て来ます。

賃貸物件には十分な駐車場が無い場合が多いので、駐車場のまま管理した方が将来の収益性が高いと予測されます。車の保有率にもよりますが、不便な場所では車が必需品です。

■ 10年後に顕在化する危機 ■

現在築10年以上の賃貸物件のオーナーの苦悩は、現在建設されつつある新築物件のオーナーの将来的な苦悩です。

さらに変動金利で融資を受けている様なケースでは、将来的に金利上昇にも注意が必要です。

■ 都心のタワーマンションは節税対策になるのか? ■

節税対策として最近流行しているのが都心のタワーマンションの購入です。これは、購入価格に対して、評価額が低く抑えられる事がメリットで、特に高層マンションは区分所有の土地が少ない事から、評価額の圧縮率が高い事が売りです。

その結果、相続税対策に富裕層がタワーマンションを購入し、タワーマンションの分譲価格が吊り上げられました。

問題はタワーマンションの販売価格が実際の価値を反映しているかという点で、高過ぎる値段で購入して賃貸物件として運用すると、賃貸料が安ければ節税効果が低くなって行きます。ましてや、空き家になってしまうと、損失が一気に膨らみます。

タワーマンションは既にプチバブル価格ですから、今後2割程度値下がりする事を念頭に入れる必要が有るでしょう。

■ 人口減少の悪影響はあらゆる所で表れて来る ■

リフレ派は「量的緩和によってインフレ率が上昇すれば、実質金利が下がり投資が活発化して日本経済は復活する」と言っていました。

しかし、実際に起きたインフレは円安によるコストアップと、消費税の便乗値上げがほとんどで、景気回復を予測したのは異次元緩和の直後だけでした。

住宅市場一つ取っても、人口減少が進む日本で市場拡大は期待出来ません。結局、プチバブルで過剰に供給された物件は、将来的な不良債権の芽となっています。

ただ、金融機関は先のバブルで不動産投資に慎重なので、そのリスクを庶民に追わせています。相続税対策の賃貸物件建設などはその好例です。

「日本経済はこんなもんじゃない」とか、「建設投資は増えている」などと主張する方も多いのですが、その実態は寒々しいものがあります。

ダウンサイジングする日本で、アベノミクスによって明らかになった事は、有ると思われていた潜在需要が実は存在しなかったという事では無いでしょうか。若者を中心に低所得化が進む日本では、「買い物をしたい」という人々の欲望は、需要に結び付かないのです。

一方で、資産を多く抱える老人達は、相続税対策やNISAで金融機関や信託銀行のカモにされています。

アベノミクスに良い点があったとするならば、日本の成長の限界を明らかにした事と、現在の収奪の構造を明確にした事にあるのでは無いでしょうか。将来的には「第二の小泉政権」と呼ばれる事は確実かと思われます。


あまり悲観的な事を書くとお叱りを受けそうですが、ダウンサイジングする日本では、従来の拡大志向では絶対に失敗します。イオン辺りがそろそろ限界に達するのでは・・・。