■ 加計学園の補助金詐欺疑惑は国民に分かり易過ぎる ■
加計学園問題の報道が一気に減りました。
一方で、事件は新しい展開を迎えています。
設計図が流出して、坪単価70万円ていどの建築費を2倍以上の坪単価150万円に水増しして、今治市と愛媛県から補助金96億円を騙し取ろうとした可能性が指摘されています。
この設計図は報道各社にも持ち込まれ、NHKもクローズアップ現代で8月22日にった「加計学園、問題の設計図による積算」と名打って放送を予定したいましたが、これが放送中止になったとネットではもっぱらの噂。(フェイクニュースかも知れませんが・・・)
大手新聞各社はこの設計図を入手している様ですが、今の所、報道している新聞は日刊ゲンダイだけ。サンデー毎日とAERAは記事にしてますが、朝日新聞、毎日新聞とも本紙では取り上げていない様です。
一方で「加計学園の補助金詐欺疑惑」の情報はネットでは相当に拡散しているので、国民の多くが知る所となっています。さすがにこれを無視したら「忖度」や「報道規制」が疑われるので、ようやく報道ステーションとニュース23が取り上げた様です。
図面を持ち込まれた報道各社は当惑しているとの噂もチラホラ。さすがに「建築費水増し請求」は手口が分かり易過ぎますし、不正の実証も容易なので、加計問題をグレーにしておく事が出来なくなります。「報道したら局長の首た飛ぶ」とも噂されていましたが、「補助金詐欺疑惑」がこれだけ世間に拡散すれな、そろそろ報道しても問題無いと判断したのでしょう。
この問題が国民の多くが知る所となれば、警察或いは大阪地検特捜部も捜査に乗り出さない訳にはいきません。森友学園は籠池夫妻が補助金詐欺で逮捕されているのに、それよりも巨額の詐欺を働いた可能性が有る加計学園を捜査しないのは、どう見ても不自然だからです。そして、捜査をして「不正は有りませんでした」という結論を出したら、それこそ国民の怒りが爆発します。
■ レベル3の細菌やウィルスを扱う設備に不備がある ■
設計図流出によって、補助金詐欺疑惑の他に、レベル3の実験室の設備の不備も指摘されています。
バイオセーフティーレベル・3の実験室で取り扱われるウィルスはの定義は次の通りです。
個体に対しての危険性は高いが、地域社会に対しての危険性は低い場合。
人間に感染すると重篤な疾病の原因となりうるが、他の個体への伝播の可能性は低いもの。
該当するウィルスは鳥インフルエンザウィルスなども含まれ、実験室にはウィルスの流出を防ぐ設備が要求されます。
立ち入り制限された廊下
二重ドアとエアロックにより外部と隔離された実験室
床・壁・天井や作業台は洗浄・消毒可能なようにする
排気系の調整を行ない、常時外部から実験室内に空気の流入を行なう
排気は高性能フィルターにより除菌してから大気中に放出する
実験は生物学用安全キャビネット、または陰圧アイソレーターの中で実施する
作業名簿に記載された者以外の立ち入りは禁止する
ところが、加計学園の獣医学部の設計図では、レベル3実験室は、一般の実験室の一角に位置しており、「立ち入り規制された廊下」が在りません。仮に実験室からウィルスが漏出した場合、封じ込めが出来ない構造になっています。
これにはさすがに専門家達も呆れた様で、「専門的知識を持たない設計者が設計している」と指摘しています。
大学設置審議会は加計学園獣医学部の新設の審査を、定員が多すぎる事と、先端的研究の概要が不明確な事を理由に保留していますが、設計図の流出でますます「妥当」の判断を下し難くなっています。
■ 今治市議会の贈収賄事件に発展する ■
このまま加計学園の問題を長引かせると、安倍政権の信用は崩壊します。
特に、「補助金詐欺疑惑」は今治市議会の贈収賄事件に発展する可能性が有ります。
今治市議会は加計学園から提出された建築費を審査する事無く、全会一致で補助金の交付を認めています。これは明らかに不自然ですが、市議の多くが1000万円の賄賂を受け取っていたという噂もネットでは広がっています。
さらに、今治市は獣医学部の建設用地を無償で提供し、整地やインフラの設置費用も負担しています。通常、この様な形で用地を提供する場合、定められた期間、担保権の設定や売却に規制が掛かる様ですが、今治市はこの土地に何ら規制を掛けていない様です。加計学園は今治市に無償で提供された土地を担保に銀行から借り入れが出来るのです。
仮に加計学園の経営が早期に行き詰った場合、供与された土地は銀行などに担保として渡る可能性が高く、市民の税金が銀行の資産になるというモラルハザードが発生します。
尤、現状は供与された土地の登記簿は、今治市保有のままとなっている様です。大学の開校が確実になるまでは土地の所有権を変更しない契約だったのかも知れません。
■ トカゲの尻尾を切っても、切らなくても安倍政権の信用は失われる ■
一説には、官邸では加計学園の獣医学部新設の認可を今回は見合わせる検討に入っているという噂もあります。ホトボリが覚めた頃、再審査で開校させた方が政治的には得策だとの判断でしょう。
確かにこのまま10月の審議会で大学新設を「妥当」と決断すれば、国民は「加計有りき」だと批判を強め、安倍政権の支持率はさらに低下します。そして、「補助金詐欺疑惑」が国会などで追及されれば、安倍政権の崩壊から、選挙での自民党の大敗へと繋がって行くでしょう。
しかし、トカゲの尻尾切として、加計学園の獣医学部新設を却下したとしても、今度は国家戦略特区の旗振り役の安倍首相の責任が問われます。「お友達を優遇して、こんなズサンな計画を進めようとした」という国民の叱責は免れません。
トカゲの尻尾を切ろうが、切るまいが、事がここまで拗れてしまっては、安倍政権と自民党のダメージは少なくはありません。
■ たまには正義が遂行される所を見てみたい ■
私は陰謀論が好きですが、別に正義が好きという訳ではありません。陰謀論は世の中の不可解な事象の裏側を妄想する遊びだと思っています。
「正義」などというものは、ほとんどが「悪を隠す為のまやかし」であり、正義が全面に出て来た時にはロクな事になりません。
しかし、今回の加計学園問題は、あまりにアカラサマに「悪事」が明確過ぎるので、これを警察や検察、司法が見逃したら、国民は国家に対する信頼と、民主主義の幻想を失てしまいます。
ですから、捜査の手が安倍首相に及ばなくとも、少なくとも加計学園や今治市議会の関係者は摘発され、法の裁きを受ける必要が有ると考えます。
加計理事長が贈収賄と詐欺罪の容疑で逮捕されれば、安倍政権の命運も付きますが、そこから政界再編に進めば、自民党としても、或いは日本を影で操る人達にとっても悪い話では無いと思います。
・・・いずれにしても国民は小さな正義で溜飲を下げて、大きな構造には目を向ける事な無いのですが。