■ さらばシマニョーロ ■
実は先週、リアディレラーをシマノのアルテグラからカンパのアテナに交換しました。ポン付けシマニョーロは変速はするものの、いつも何処かの1速がチャラ着く。それを騙し騙し乗るのが楽しいのですが、最近は上手く調整出来ませんでした。チェーンが伸びている事も原因しているでしょう。そこで、チェーンを新しくするついでに、リアディレラーもカンパに交換する事に。
他のパーツはコーラスなのでコーラスにしたいのですが、2012年前のモデルは中古しか手に入りませんし、だいたいカーボンにガリ傷が有る中古しか出て来ません。自分で使っていてもカーボンが傷付きそうで不安です。だからアルミボディーのアテナにします。変速性能はそれ程変わらないでしょう。構造がレコードと同じですから。これでチェーン以外はコンポが全てカンパになりました。さらばシマニョーロ。
■ 「東京湾一周」にチャレンジするよ ■
せっかくフルカンパになったので、何か記念に残る事をしたい。ここは初心に戻って「ワンイチ」にでもチャレンジするか・・・。
実は東京湾をグルリと一周すると、だいたい200kmになります。「東京湾を一周って海の上はどうするの?」という疑問を皆さんお持ちになられると思います。海の上は船で渡れば良いんのです。三浦半島の久里浜から、対岸の千葉県の金谷にはカーフェリーが運行しています。およそ50分で東京湾を横断します。
■ さすけ食堂の開店前に浜金谷に着きたい ■
日常的に200kmを走る私にとって、今更ワンイチ走っても達成感は少ない。そこで、目標を決めます。それは浜金谷にある「さすけ食堂」で「黄金アジのフライ定食」を食べる事。このお店、TVで紹介されてからはいつ行っても長い行列が出来ていて入れません。2時間、3時間待ちは当たり前だとか・・。
行列に並ぶ習性の無い私には無理なお店ですが、開店前ならばそんなに並ぶ事も無いでしょう。平日の開店が11時とネットに出ていたので、それに間に合う為には、10:20久里浜発のフェリーに乗る必要が有ります。
浦安から久里浜港までは86kmの距離だとルートラボで調べたので、普通は4時間あれば余裕で到着します。しかし、都内と横浜の間は信号だらけなので1時間余裕を見て5:30に浦安を出発します。
途中、横浜で国道15号を見失いますが、どうにか16号線を見付けてます。磯子を過ぎた辺りから登り下りが始まり、田舎の雰囲気が出て来ます。金沢八景を過ぎた辺りで朝食を取ります。ここまで無休憩でドリンクも買わずに走りました。8:40分、62km、26km/AV(メーター読み)。
ここからは信号が少なくなるので、1時間あれば久里浜に着くでしょう。
■ 横須賀までで思い切り足を使いました ■
八景島から先、横須賀までは狭いトンネルが連続します。路肩が狭いので横をトラックに抜かれると怖い思いをします。このトンネル区間の正しい走り方は、車と同じ速度で走る・・・です。路肩に寄るのでは無く、車線の真ん中を前の車にくっついて時速40km以上で走れば怖く無い。
ただ、トンネルって大抵、登り坂の一番上にあって、登り勾配のケースが多い。だからムチャクチャ足を使います。そんなこんなで横須賀に到着します。
ちょっと海を見ながらチェーンに注油をします。先程からキイキイと音がするからです。この異音、圧入BBからする様にも、或いはペダルからする様にも思えますが、異音は気持ちの良いものでは有りません。
岸壁では、釣り人が大勢サバを狙っていましたが、本日は釣れないとの事。
■ 道を間違えそうになったけど、フェリーに間に合った ■
横須賀を9:15に出発します。横須賀を過ぎると向かい風になります。登り坂も多いのでペースが落ちます。ちょっとフェリーの時間ギリギリになりそう。
観音崎まで来ると、千葉の漁村と同じ様な風景が広がります。本日は先を急ぐので灯台観光はしません。
9:58に久里浜港の入り口に到着します。フェリー乗船は20分前という情報もネットにはあったので、ギリギリです。最後は登り坂で脚が攣りました・・・。まあ、フェリーで1時間休めますし、その後、昼食も1時間程掛かるでしょうから、その間に脚は回復するでしょう。25Km(AV)で久里浜に到着。ここまで88kmでした。
フェリーの料金は「車両490円、人720円」で合計1210円。車が乗り込んだ後に、最後にバイクと自転車が乗船します。
職員の方が自転車を固定してくれます。海の上では持ち去る事も出来ないので、鍵は掛けずにおきました。(ちょっと不安ですが)
早い時間なので車は少な目です。
フェリーの3Fデッキに上がると、ロングライダースのキャラクターの立て看板が・・・。
そして大量のチーバ君グッズ。しかし、正面向いてるチーバ君って、全然チーバ君じゃないぞ!!千葉県の形して無いじゃん!!
売店で「お約束」の「よこすか海軍カレーパン」を買います。普通のカレーパンですが、空腹なので美味しい。甲板に出て潮風に当たりながら、コーヒーとカレーパン。優雅です・・・。
10:20に定刻通り出港します。デッキの上は、ちょっとした旅行気分が味わえます。天気が良いので、遠く東京や、対岸の千葉が良く見えます。
だんだん千葉県が近づいて来ました。ギザギザの稜線の山は浜金谷にある「鋸山」です。山全体が凝灰岩で出来ていて、房州石の産地でした。山頂から石切り場後の絶壁となっていて・・なかなか見ごたえのある千葉の観光地です。ロープウェイで登る事が出来ます。
11時に金谷港に接岸しました。自転車を取りに降りて行くと・・・・アレーーーー自転車が無い!!。一瞬で頭から血が引きすが、職員の方に「あのー自転車は?」と聞くと、車列の後ろの方を指さしています。そこに別の職員の方が自転車を支えて立っています。どうやら、下船の準備をして下さっていた様です。アーー、ビックリした。
記念にフェリーの写真を撮っておきます。このチーバ君も正面向きだァーー。
■ 「さすけ食堂」に入れず!! ■
フェリーの客が徒歩で「さすけ食堂」に着く前に、自転車で先行します。そこで私が見たものは・・・既に並んでいるお客さん。「1時間も待つのはムリーーーー」
仕方が無いので、千葉方面に国道を進みます。竹岡ラーメンでも食べようとペダルを回しますが・・・あれーー?ラーメン屋が見つかラりません。
■ 何故か山を登る? ■
上総湊の手前で「鹿野山」の標識を目にします。と、無意識nにハンドルを切っていました。
実は上総湊から鹿野山に登る更科ルートをヒルクライムした事無かったんですよね。なんだか普通の「ワンイチ」しても達成感が少ないし、木更津から五井の辺りの海沿いの国道16号線は、道路がガタガタで走り難いので、鹿野山から房総スカイラインを経由して久留里に出るルートを選びます。
東京湾岸を離れては「ワンイチ」と言えないですが、個人的にはOKとします。
更科のセブンイレブンで昼食休憩した後に、鹿野山を登ります。更科ルートは最初は平坦ですが、マザー牧場の辺りで10%程度の斜度が続きます。速度を上げると足が攣るのでタイムは測りません。ゆっくり登ってマザー牧場に到着。
そのまま九十九谷公園で5分程休憩して、秋元へ下ります。郵便局の前の自販機でコーラを買います。ロード乗りさんが休憩されていたので、しばし談笑。1月6日に落車した話をしたら、その方も私と同じ、うぐいすラインのアクセス道路でアイスバーンで転倒されたそうです。「イヤー、あの日、マジでヤバかったですよねーー」って意気投合してしまいました。四街道の方でした。
10分程、雑談をしてから、房総スカイラインを登ります。鹿野山で脚を温存したので、いつもより楽に登れます。久留里までも難なく到着。ここで140km。
■ 「金谷違い」で大変な事になっていた ■
久留里の藤平酒造で福祝いの吟醸酒を一本買ってリュックに押し込みます。その時、スマホのショートメールの着信に気付きます。
さっき船の上から「今、久里浜から金谷に向かうフェリーの上。東京湾ダヨー」ってメッセージを家族に送ったので、誰かからの返信でしょう。
「え、あなた金谷に行ってくれるの?皆んなビックリするよ」とオフクロから謎のメッセージが入っていました。????と思い電話を入れます。
母 「あなた、今どこ。もう着いた?」
私 「何の話?」
母 「だって法事に行ってくれてるのでしょう」
私 「今、千葉の山奥だけど」
母 「だって、メッセージに金谷に居るって・・・」
私 「それ、千葉の浜金谷だって」
母 「えー、大変。私、皆に電話しちゃった。息子が今向かってるって」
私 「それヤバイんじゃない」
母 「直ぐ電話入れてちょうだい」
実は、本日は母方の叔父の1周忌だったのです。母の実家は静岡県の金谷。私は「遠いから来なくてイイよ」と言われていたので「ワンイチ」などしていたのですが、母も今回は行かない事になっています。しかし、世話になった叔父の一周忌に出席しない事は、母も私も気になっていました。
そんな所に「金谷に行く」のメッセージですから、母が勘違いするのも当然です。そして大喜びで先方に電話をしてしまった・・。
とにかく行けない事を知らせなければと思い、叔父の携帯で電話します。
叔父 「おお、〇〇かぁ。今どこだ、もう着いたらぁー?」
私 「オジサン御免。オフクロが勘違いして連絡いれちゃったんだよ。
僕が居るのは千葉の金谷。」
叔父 「・・・・・そうかぁ。そりゃあ残念だっけよぉ。皆にも連絡入れとけよ」
母に連絡します
私 「今、行かないって連絡入れた。なんかガッカリさせちゃったみたい」
母 「皆、〇〇が来るって準備してたみたいだよ」
私 「それはマズいよね。今から行こうか・・」
母 「そうしてくれると助かるわ。元々、私が行かなくちゃいけなかったから」
スマホの時刻表で最短の時間を調べます。久留里から木更津まで山越えの20km。必死で走れば1時間で電車に乗れそうです。今14時50分ですから、16:00の特急に乗れば19時30分過ぎには金谷に着けそうです。
私 「皆、何か準備してるみたいだから今から行くよ」
母 「そう、悪いわね。だけど皆、喜ぶわよ」
そこで再び叔父に連絡を入れます
私 「おじさん、迷惑で無ければ今からそっち行くよ。7時半頃に着けそうだから」
叔父「あんま、無理せんくてエエけど、来られるなら皆喜ぶよ」
私 「電車乗ったら連絡するよ」
さあ、そうと決まれば木更津まで必死で走るのみです。上総アカデミーパークまでの登り坂をどうにかこなして、下りは下ハン持って踏みまくります。15時45分に木更津駅に到着しました。ここまで160km走りました。人生で一番頑張ってペダルを漕ぎました。走れメロスになった心境。
速攻で自転車を輪行バックに仕舞い、16:00の「特急・さざなみ」に乗ります。本日は着替えを持っていないので、サイクルウェアーのまま。品川駅構内ににユニクロが有る様なので、そこで着替えは買えそうです。
品川の新幹線の乗り換え時間は10分。切符を買ってからユニクロを探しますが見つかりません。乗り遅れる前にホームに降りて「こだま」に乗ります。三列シートの一番後ろが空いていれば自転車を置けますが、残念ながら結構混雑しています。仕方無く、運転席の後ろのデッキで1時間半立ったままです。特急も立ったままだったので、160km走った後でちょっとキツイ。
叔父に電話を入れると、焼津の美味しい店を予約したから焼津で降りろとの指示でした。静岡に19:00に到着して19:19に焼津に到着します。改札では叔父達が待っていてくれました。
叔父 「お前、本当に自転車持って来ただぁー」
叔母 「えー、船って清水に着くの」
叔父 「それは金谷違いだって言ったらぁ」
叔母 「そうだっけ、千葉にも金谷ってあるの?」
叔父 「俺は知ってたよ、千葉にも金谷があるの」
そのまま、車に自転車を押し込んで、予約してある店に向かいます。
焼津と言えば漁港で有名な所。叔父のオススメのお店で出て来たのは・・・
トロカツオ、ミナミマグロ、ホンマグロ、イカ、イサキ の刺身
アマダイの姿焼き
キンメダイの煮つけ
カサゴの唐揚げ
どれも絶品で、4人で焼酎を3本空けました・・・・。
叔母が「汗かいたからカルシウム取らないとね」と言って、私の前にアマダイとキンメとカサゴの頭が並びます。
翌日、「カサゴの中骨と頭は食べたけど、身は刺身にでもするのかな」と叔母に聞いたら「身も唐揚げになってたじゃない」と答えます。私・・・身を食べて無い・・・。
翌日は「朝ラーメン」のお店に行って1.5人前を食べ、墓参りと、叔父の仏壇に線香をあげてから帰路に付きます。
楽勝のつもりで始めた「ワンイチ」ですが、なんと「金谷違い」でDNF(ドント・フィニッシュ)となってしまいまいした。何ともハードな1日でした・・・。これもあの世の叔父の粋なはからいだったのかも知れません。
160km 走行
23.8km(AV)
走行時間 6時間39分
獲得標高 1350m