これには泣かされた。もちろんほんの少しだけれど。絲山秋子はこのバカバカしい恋愛物語をほんとにさりげなく書き上げてしまう。心憎いばかりだ。
ファンタジーなんていう名前の男だ出てくる。このへんで呆れてしまうが、平気でストーリーを展開する。彼は、実は神さまの一種らしく、見える人には見えるが、見えない人には見えない。(なんちゅうあほらしさ)初めて出会ったのに、ずっと以前から知っていたような気がする。 . . . 本文を読む
発想は面白いが、帰着点があまりに単純で、オチにもなっていない。コントならこれでもいいのかも知れないが、2時間の映画なのだから、これではかなりの観客は納得しないだろう。
松本人志が撮る映画なのだから、壮大なコントでいい、と本人は居直っているのだろうから、それ以上文句を言っても仕方ないことだろうが、少なくとも僕はがっかりした。
但しこのバカバカしい話を本気でバカバカしく撮ったということは、高 . . . 本文を読む
市川準が、学校でのいじめの問題に取り組んだ作品。「メールといじめ」というテーマはあまりに現代的で、ストレート過ぎて退いてしまう。教育映画ではないんだから、とは思うが、映画はいつもの市川準で、こういう社会問題を扱っても、全く変わる事はない。緊張感のある素晴らしい映画だ。メッセージ性云々よりも、与えられた題材をいつもの自分の世界で描いただけという印象が残る。だから素晴らしい。
小学校6年のシーン . . . 本文を読む
この小説には乗り切れなかった。主人公たちに全く共感できないからである。今まで江國香織の小説を全部読んできて、こんな感想を抱いたことって初めてではないか。少し動揺している。どんな作品でも、出来不出来はあっても、いつも共感できていたからだ。出てくる主人公は、たとえどんなに嫌な女だと思っても、なぜか受け入れてしまうことが出来ていた。
ある意味では、今回の2人も今までの作品の流れを踏んだ人物造形がな . . . 本文を読む
なんとなく見る前からよく似ている、と思っていたが、映画の後半に到り確信した。これはポン・ジュノの『殺人の追憶』にそっくりなのだ。ほんとによく似たテイストの映画である。それはストーリーだけの問題ではない。事件を追いかけていくうちに、どんどん迷宮に嵌りこんでしまい、抜け出せなくなる。事件はもう終わっているのに、いつまでもいつまでも拘り続け、精神的にも、肉体的にもボロボロになってしまい家庭すら崩壊させ . . . 本文を読む