三原光尋監督は『歌謡曲だよ、人生は』の第5話を担当しており、宮史郎本人を主人公にして、『女のみち』を映画化している。銭湯を舞台にした、懐かしくて、おバカな映画である。サウナで刺青の初老の男に絡まれる高校生の話。2人で忘れてしまった『女のみち』の歌詞を思い出すために必死になる、というそれだけの話だ。映画のラスト近くで一瞬スクエアのメンバーも顔を出したりする。
そんな彼の長編最新作『スキトモ』が . . . 本文を読む
こんなにもバカバカしくて、いい加減で、自由奔放な映画を作っていいのだろうか。無節操で、おふざけが過ぎるし、オリジナルの歌謡曲に対してのリスペクトがまるで感じられないものすらある。だけれども、少なくともこの12曲の提供者は誰も怒ることなく、この映画化作品を認めてくれたことは事実であろうから、作者たちの無謀な冒険が、広い心の持ち主であるオリジナル歌謡曲の作者たちの愛に支えられて、実現可能となったこと . . . 本文を読む
もう少し具体的にリアルな展開を見せるか、あるいは抽象的なドラマとして、象徴的な展開を見せていくのか、そのどちらかに作り手は立場を置くのかを明確にしなくては見ていてストーリーにも乗り切れない。台本(馬場千恵)はもちろんのこと、演出(猪岡千亮)も徹底しきれてないから、とりとめのない芝居になってしまった。何処を拠りどころにして演じたらいいのか分からないから、役者たちも戸惑っており、可哀想である。
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