このタイプの映画や小説は枚挙に暇がない。先日の『チョコレートの町』もそうだし、故郷と東京という図式で、単純に故郷を持ち上げるのではなく、過去と今のせめぎ合う中から、自分の未来を見つめるというのは、ある種の定番だろう。疲れた体に心地よい映画が見たくて、この映画にした。つまらない可能性も多々あるが、よさこい祭りの纏(旗振り)なんていうのを映画の中心に据える。そんな今時の映画にはあるまじき地味さに期待した。難病もののパッケージングはちょっと嫌かも、と思ったが、実際の映画ではそこが軽く扱われていて、よかった。少女との約束はドラマの入り口でしかなく、これは彼女の闘病記録ではない。少女のエピソードも描かれるが、これはあくまでも彼女の姉と、その恋人(彼のことを少女は「旗のお兄ちゃん!」と呼ぶ)を主人公にしたドラマである。
田舎の何もない風景と、東京の殺伐とした風景の対比を前面に出すというあまりにベタな作り方にはちょっとなぁ、とは思うが、主人公の両親である宮崎美子と隆大介が、あまりに素朴な夫婦を演じていて、それがとてもいい味を出しているので、だんだんこのあまりに安直な映画の、ありきたりな世界に嵌っていくこととなる。大した映画ではないことは誰もが認めるはずだ。だが、こういう古くさい映画を今時作ろうとした制作スタッフになんだか敬意を評したくなる。これはワンパターンのルーティーンワークのプログラムピクチャーである。でも、そこがなんだか懐かしい。古き良き時代の香りがする。のんびりしてて、どうでもよくて、でも、ちゃんと作られている。だから、気持ちがよい。写真のコンクールの授賞式とよさこいの本番が重なるというこれもまた究極のワンパターンも許す。所詮プログラムピクチャーなんだし。祭りのシーンが、あっさり描かれ、思ったほどにはあまり盛り上がらないのはどうだか、と思うが。
ただ当たり障りがなく、でも、それなりに心地のよい映画だ。何もない(さっきもそう書いたが)田舎の風景が美しい。主人公の2人をそんな場所に置いてただ歩かせる。それを見ているだけでなんだかいい気分にさせられる。安心して見ていられる映画だ。わざわざ何かを期待して見るのではなく、ただなんとなく見る。ただの予定調和だ。でもそれでいい。たまにはそんな映画があってもいいだろう。
田舎の何もない風景と、東京の殺伐とした風景の対比を前面に出すというあまりにベタな作り方にはちょっとなぁ、とは思うが、主人公の両親である宮崎美子と隆大介が、あまりに素朴な夫婦を演じていて、それがとてもいい味を出しているので、だんだんこのあまりに安直な映画の、ありきたりな世界に嵌っていくこととなる。大した映画ではないことは誰もが認めるはずだ。だが、こういう古くさい映画を今時作ろうとした制作スタッフになんだか敬意を評したくなる。これはワンパターンのルーティーンワークのプログラムピクチャーである。でも、そこがなんだか懐かしい。古き良き時代の香りがする。のんびりしてて、どうでもよくて、でも、ちゃんと作られている。だから、気持ちがよい。写真のコンクールの授賞式とよさこいの本番が重なるというこれもまた究極のワンパターンも許す。所詮プログラムピクチャーなんだし。祭りのシーンが、あっさり描かれ、思ったほどにはあまり盛り上がらないのはどうだか、と思うが。
ただ当たり障りがなく、でも、それなりに心地のよい映画だ。何もない(さっきもそう書いたが)田舎の風景が美しい。主人公の2人をそんな場所に置いてただ歩かせる。それを見ているだけでなんだかいい気分にさせられる。安心して見ていられる映画だ。わざわざ何かを期待して見るのではなく、ただなんとなく見る。ただの予定調和だ。でもそれでいい。たまにはそんな映画があってもいいだろう。