まさかこの秋、稲田さんの新作を見ることが出来るだなんて、思いもしなかった。彼女が作、演出を手掛け、Patchの若い役者たちが、彼女の世界を具現する。企画自体はPatch8番勝負という「8カ月連続で8人の作家と8つの作品を作る」というもので、これはその1本なのだ。だが、そんなことはどうでもいい。大体、僕はPatchが何なのかも知らず、ただ、稲田真理作品ということだけで、見た。
65分の中編作品 . . . 本文を読む
見る前から、不安はあった。前編があれだけ素晴らしかったのだ。誰もがあれ以上を期待する。しかも、前作はいろんな伏線を張りまくった。あれらがすべて収束するのだ。どうなるのか、ドキドキする。でも、こういう場合が一番危険なのだ。
そして、予想通りの展開となった。話がどんどん萎んでいく。2時間15分で終わらせるためには仕方がなかったのかもしれないが、ここにはなんのお話もない。スカスカだ。収斂させること . . . 本文を読む