6年前TVで放送されたドラマである。NHKが「阪神淡路大震災15年」を祈念して作った作品で、当時少しTVで見た。(ちゃんと、ではなく、ななめ見程度で、)これはそのTVスペシャルを完全版にして劇場公開した作品だ。TVより20分ほど長い。両者の差異はわからないけど、今、この作品を見ながら、15年からさらに6年過ぎた今、この作品に描かれる現在すら遠い、と思う。
3・11からも今年で5年になる。僕たち . . . 本文を読む
これは2010年に出版された作品で、実はその当時に一度読んでいる(はず)。でも、もう一度、今読んだことで、あの時とはまるで違う風景が見えてきた。たった5年でいろんなことが、変わったのだ。そのことに驚かされた。これを今読んだのはたまたまだ。実を言うと、読んだことを忘れていて、図書館で見かけて、あっ、村田喜代子の新刊、と思い、借りてきた。読み始めて初めて、思い出した。しかも、かなり、読んでからである . . . 本文を読む
難読症(デイスレクシアという)のユノ(漢字で書けば「結望」。母親がその名前をつけた。そこには彼女の彼へのたくさんの想いがつまっている)という少年が主人公。小学校の6年になる。彼が5年生の時、両親は山で遭難して死んだ。だから今は年の離れた兄(もう大人だ)とふたり暮らし。そんなユノのところにマリーがやってくるところからお話は始まる。真理子(マリーね)は兄の恋人で、住み場所がなくなったから、同居するこ . . . 本文を読む