読みながら、かなりドキドキした。どこまでこの不快感を持続するのか。明良は、自分の感情をどこまでも押し殺して「いい子」を演じ続ける。生まれた日に父が死に、父親の生まれ変わりとして生きることを義務付けられた。そして、それを受けいててきた。それは主人公である彼だけではなく、母も兄も同じだ。この平穏なフリをして、暮らす家族3人の姿を見ていると、やがて来る破局が、どこにあるのか、いつなのか、不安になる。
彼は篠原という女の子の真意を誤解する。それは恐怖からだ。兄の万引きを彼女は教えてくれた。ただ善意からだ。だいたい冷静に考えたなら彼女に悪意なんかないことなんて、すぐにわかることなのだ。なのに彼は彼女に恐怖する。脅されるのではないか、だなんて。そんなことして、彼女に何のメリットもない。
考えが、負の方向にしか、傾かない。見事なまでに。だから、やがて訪れる破局を、ただ手をこまねいて待つことになる。嫌な気分だ。バスケット部のこともそうだ。キャプテンとして、みんなをまとめる責務がある。でも、ほんとうは自分のことしか考えていない。
まだ中学2年の男の子なのに、屈折している。打算もある。表面上はスポーツマンで、勉強も出来て、みんなから、将来を期待される。でもそのすべてが嘘で、周囲の人が(家族だが)作った仮面でしかない。でも、そんな周囲の期待に添うように、けなげに生きる嘘つき野郎だ。穏やかに生きてきた。でも、こんな無理をしてたら、きっとどこかで支障をきたす。
彼が爆発したところからは、それまでは、こんなにもドキドキしたのに、この小説が、なんだか急に平凡な小説でしかなくなる。話はなんだかおきまりの展開になるし。それはとても残念なことなのだが、主人公である彼の立場で考えると、そんなありきたりになってよかった、と思う。彼はいつまでも我慢しているべきではないのだ。みんなが、本当の自分になり、正直に生きる方がいい。
彼は篠原という女の子の真意を誤解する。それは恐怖からだ。兄の万引きを彼女は教えてくれた。ただ善意からだ。だいたい冷静に考えたなら彼女に悪意なんかないことなんて、すぐにわかることなのだ。なのに彼は彼女に恐怖する。脅されるのではないか、だなんて。そんなことして、彼女に何のメリットもない。
考えが、負の方向にしか、傾かない。見事なまでに。だから、やがて訪れる破局を、ただ手をこまねいて待つことになる。嫌な気分だ。バスケット部のこともそうだ。キャプテンとして、みんなをまとめる責務がある。でも、ほんとうは自分のことしか考えていない。
まだ中学2年の男の子なのに、屈折している。打算もある。表面上はスポーツマンで、勉強も出来て、みんなから、将来を期待される。でもそのすべてが嘘で、周囲の人が(家族だが)作った仮面でしかない。でも、そんな周囲の期待に添うように、けなげに生きる嘘つき野郎だ。穏やかに生きてきた。でも、こんな無理をしてたら、きっとどこかで支障をきたす。
彼が爆発したところからは、それまでは、こんなにもドキドキしたのに、この小説が、なんだか急に平凡な小説でしかなくなる。話はなんだかおきまりの展開になるし。それはとても残念なことなのだが、主人公である彼の立場で考えると、そんなありきたりになってよかった、と思う。彼はいつまでも我慢しているべきではないのだ。みんなが、本当の自分になり、正直に生きる方がいい。